【在宅】78歳の女性。82歳の夫との2人暮らし。5年前に乳癌と診断され、乳房の切除術を受けた。最近、肺とリンパ節への転移が認められたため、外来で化学療法が始まった。要介護2で、室内は手すりで歩行が可能であるが、通院などの外出時は疲れやすいため車椅子を使用している。夫のADLは自立しており、通院の介助をしている。
2週後、仙骨部に2×3cmの水疱が認められた。
日中、傾眠傾向となったが声かけには覚醒し、介助で起き上がることはできる。会話は明瞭で苦痛症状はない。
食事摂取量は少なく、血液検査で総蛋白5.0g/dl、アルブミン2.7g/dlとなった。
褥瘡への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
入眠中は2時間ごとに体位変換するよう夫に依頼する。
経口栄養剤の処方について主治医と調整する。
体圧分散マットに交換することを提案する。
訪問介護を導入し、褥瘡処置を依頼する。
直ちに膀腕留置カテーテルを留置する。
―――以下解答―――
(解答)2.3
<解説>
1.(×)82歳の高齢の夫に対し2時間ごとの体位変換は過酷である。
2.(○)低栄養状況がすすんで食事摂取量も減少しているため経口的に摂取しやすい形態の栄養剤をすすめることは効果的である。
3.(○)臥床していうる時間が長くなっているため、ベットマットによる体圧分散を図ることで仙骨部の水疱の悪化を防止する。
4.(×)
5.(×)膀胱カテーテルを留置することで患者の尿意を喪失させ離床ができなくなりやすい。