エッセイ

貯蓄が苦手な看護師は病院の福利厚生「財形貯蓄」がオススメ!

2020/4/22

「毎月お給料を使い切ってしまうのでなかなかお金が貯まらない!」なんていう方も多いのではないでしょうか。意識的にお金を貯めるのはなかなか難しいですよね。

そんな貯蓄苦手な看護師に検討してもらいたいのが「財形貯蓄制度」です。初めて聞いたという方は、職場が財形貯蓄制度を導入しているかチェックしてみましょう。今回は財形貯蓄制度について解説していきます。

 

財形貯蓄って?

税経貯蓄は税金が課せられない

財形貯蓄とは職場の福利厚生の一環で、正式名称を「勤労者財産形成貯蓄制度」と言います。財形貯蓄を利用すると、利子や利益に税金が課せられません。(一定の条件をクリアしていることが条件になります)

通常の預貯金や金融商品での資産形成では、利子や利益に対して20.315%の税金が課せられます。*1 今は超低金利時代、預貯金の利子は元々少なく、かといってリスクを背負って金融商品を購入しても20.315%の税金も乗っかってくるのでなかなかお金を増やしにくいのです。その点、財形貯蓄は利子や利益に税金がかからないので、その分お金が増えていきます。

財形貯蓄を利用する看護師に対して、職場が7年ごとに拠出金と運用益の合計を支払う「財形給付金制度」と「財形基金制度」があります。*2どちらも資産形成のスピードアップの手助けになるありがたい制度です。

職場を通じて積立貯蓄をしていますが、本人名義で金融機関に貯蓄していますので、万が一勤務先が倒産してしまっても貯蓄がなくなることはありません。提携する金融機関によって利用できる金融商品が異なります。

利用できるのは“雇用されている”人だけ

財形貯蓄は職場を通じて積立による資産形成を行う制度なので、個人事業主として働く看護師は財形貯蓄が利用できません。*3契約社員やパートとして働く看護師は、継続して雇用期間が見込まれる場合、積立期間など一定の条件を満たせば加入できます。

給料から天引きされるので貯蓄が苦手な看護師向き

財形貯蓄のもう一つのメリットは掛け金が毎月のお給料や夏・冬のボーナスから自動的に天引きされることです。財形貯蓄分をはじめから無かったものとして生活すればストレスなくお金を貯めることができます。また、引き出すときも手続きが必要で一手間かかるので、一定の抑止力になるかもしれません。

 

「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つの違い

財形貯蓄には、使用目的に応じて使い分ける「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つの種類があります。 それぞれの特徴を紹介していきます。

一般財形貯蓄*4

一般財形貯蓄の使用目的は自由です。 加入年齢に制限はありません。 旅行やお買い物に使ったり、結婚・出産といったライフイベントにも使えたりとあらゆる出費に対応できます。 ただし、残念ながら利子に対する税金優遇はありません。 原則3年以上の積立を行うことになっていますが、1年経てば自由に引き出せます。 シンプルに貯蓄が苦手で給料から天引きしてもらいたいという方におすすめです。

財形年金貯蓄*5

財形年金貯蓄の使用目的は年金です。 60歳以降に受け取り年金の補助として利用できます。 財形年金貯蓄と後述の財形住宅貯蓄の合計で、貯蓄残高550万円までは利子や利益に対する税金が課せられません。 年金以外の目的で引き出した場合は課税されてしまうので注意しましょう。ただし、災害・病気・寡婦(寡夫)になったなどのやむを得ない理由での引き出しは非課税になる場合があります。

積立期間は5年以上で利用できるのは55歳未満の方のみです。 国民年金・厚生年金に加えて財形年金もあればかなり老後の生活の支えになりますよね。 ちなみに年金準備に関しては、財形年金貯蓄の他にiDeCoもあります。iDeCoは利子・利益のみならず掛け金まで所得控除できるので、節税面でさらに有利です。iDeCoとセットで聞くことが多いつみたてNISAは、非課税で掛け金の引き出しが自由、投資信託による積極的な資産運用ができます。

全て併用することもできますし、自分の考えにあったもののみを選ぶことも可能です。 途中解約の可能性や手数料、投資によるリスクなどを比較しながら自分なりの年金準備を考えてみましょう。

財形住宅貯蓄*6

財形住宅貯蓄の使用目的はマイホームです。 一定の要件を満たしたマイホームの建設・購入・リフォームに利用できます。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の合計で貯蓄残高550万円まで利子や利益に対する税金が課せられません。

財形年金貯蓄と同様に積立期間は5年以上で利用できるのは55歳未満の方のみ、やむを得ない理由での引き出しは非課税になる場合があります。積立期間が5年に満たなくても良い物件が見つかり購入したい場合には非課税での引き出しが可能です。

また、1年以上かつ50万円以上の財形貯蓄を行っていると「財形持家転貸融資」という住宅ローンが利用できます。財形貯蓄の金額に応じた融資が受けられ、職場を通じて長期・低金利・手数料不要という有利なローン条件です。融資金額は残高の10倍で上限は4000万円、住宅購入価格の80%まで借り入れできます。5年毎に金利が見直される固定型ローンです。通常の住宅ローンと比較しながら計画的に利用を検討してみると良いかもしれません。

「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」はそれぞれ1人1契約であれば併用可能です。 そのため、年金用の積立とマイホーム用の積立は同時に行えます。ただし合計で550万円の非課税枠を超えた部分に関しては課税されるので注意しましょう。

「一般財形貯蓄」の方では特に制限がなく、いくつでも併用可能です。

すべての財形貯蓄で積立の中断が可能で回数制限もありません。 貯蓄の意味合いで考えるとあまり中断することはおすすめできませんが、一時的に経済的困難に陥った場合のために頭に入れておきましょう。

 

転職先でも財形貯蓄制度があれば引き継げる

先述の通り財形貯蓄制度は職場の福利厚生の一環です。 退職してしまうと財形貯蓄は原則解約となってしまいます。 ただし、退職から2年以内に財形貯蓄制度のある職場へ転職した場合は継続手続きを取ることで積立の再開が可能です。

転職先に財形貯蓄制度がなかったり、2年以内に転職しなかったりした場合は残念ながら解約となります。財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄のどちらも目的外になり、過去にさかのぼって課税されてしまいます。ただ、もちろん、積み立てた貯蓄は金融機関に預けているのでなくなることはありません。

 

まとめ

財形貯蓄は目的に応じて給料から天引きする形で貯蓄する制度です。 勤め先が導入していれば、明確な目的がなくてもデメリットが少なく安定が高いので利用してみて損はありません。 例えば、マイホーム購入の予定がなくても財形住宅貯蓄で積立をしておけば、マイホームが欲しくなった時に利用できますし、別の出費が発生した場合は解約すれば利用できます。 財形貯蓄制度の有無を、転職の判断材料の一つにするのはおすすめです。

 

参考文献

*1 国税庁.”株式・配当・利子と税”(参照 2020-2-27)
*2 勤労者財産形成事業本部.”財形給付金制度・財形基金制度”(参照 2020-2-27)
*3 勤労者財産形成事業本部.”よくある質問:財形貯蓄制度”(参照 2020-2-27)
*4 勤労者財産形成事業本部.”一般財形貯蓄”(参照 2020-2-27)
*5 勤労者財産形成事業本部.”財形年金貯蓄”(参照 2020-2-27)
*6 勤労者財産形成事業本部.”財形住宅貯蓄”(参照 2020-2-27)

この記事を書いたのは

看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!

イラスト・まえかわしお

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