腕神経叢麻痺
読み方:わんしんけいそうまひ
読み方:わんしんけいそうまひ
腕神経叢麻痺とは
何らかの外力により、腕神経叢が損傷されることで生じる麻痺のこと。原因は工業機械で腕を巻き込まれる、バイクでの転倒、スノーボードやスキーでの転倒、骨盤位分娩や肩難産など。
症状は腕神経叢の部位、損傷の程度により様々。上肢が全く動かないものから徐々に軽快するものもある。
診断損傷高位と範囲により、上位型、下位型、全型に分けられる。
全型肩から手まで上肢全体の運動と感覚が障害される。経根の引き抜き損傷があると、ホルネル徴候(眼瞼下垂、眼裂狭小、瞳孔縮小)がみられる。
上位型肩の挙上、肘の屈曲が不可能となる。肩の回旋、前腕の回外力が低下。上腕近位外側と前腕外側に感覚障害がみられる。
下位型前腕にある手首・手指の屈筋や手の中の筋(骨間筋、小指球筋)が麻痺。手指の運動が障害される。前腕や手の尺側に感覚障害がみられる。
治療
自然回復が全く期待できない症例の場合、神経移植術などによる損傷部の再建をする。
再建ができない神経根の引き抜き損傷例症例は、肋間神経や副神経の移行術がおこなわれる。
全型例の中には、肋間神経や副神経に神経・血管茎付き遊離筋移植をおこなって、肘屈曲、手指の伸展、屈曲機能の獲得を目指す方法もある。