「2020年こそは資産運用を始めてみたい!」 「そもそも資産運用ってなんだろう?」 「つみたてNISAが良いって聞いたことあるけどよくわからない…」
資産運用に興味があっても、なかなかはじめの一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか? 看護師は心身ともに負担の大きな職業です。今は常勤看護師としてバリバリと現場で働いていても、10年後、20年後も同じ様に働けるとは限りません。体力低下に伴って収入が減ることも想定する必要があります。
人生100年時代に老後の備えは必ずしておきたいものです。 2020年はぜひ資産運用を始めてみましょう!
資産運用とはお金に働いてもらうこと!
資産運用とは、資産(現金・株式・不動産・投資信託など)を管理して増やすことです。 金融機関の預貯金はわずかですが金利がつきますので、実はこれも資産運用の一つです。
日本人は欧米諸国の人と比べ、資産に占める「現金・預貯金」の割合が圧倒的に多いのが特徴*1です。しかし預貯金も資産運用。金融機関が破綻してしまうと、満額が返ってこない可能性(リスク)もあります。
さらに最近は、「貯蓄から投資へ」という流れがあります。 なぜ預貯金ではなく投資で資産運用をする必要があるのでしょうか?
インフレ化で預貯金は不利になる
預貯金ではなく、投資による資産運用が必要な理由は「インフレ」です。 インフレとはインフレーションの略で物価が上昇を意味します。
日本は現在インフレ傾向*2です。 物価が高くなると資産の価値は相対的に下がってしまいます。 今まで100円で買えていたジュースが110円に値上がりするようなものです。値上がりに対処するには、手持ちの100円を110円に増やさなければなりません…つまり、投資による資産運用で資産を積極的に増やすことが必要になります。
つみたてNISAは資産運用初心者が始めやすい制度!
資産運用と言っても、何をすべきかわからないという方も多いのではないかと思います。初めて資産運用に挑戦する人が特に始めやすいのが、2018年1月に開始した「つみたてNISA」です。つみたてNISAは以下の特徴があります。
①少額から積立投資ができる投資信託が対象 ②金融庁が厳選した投資信託から銘柄を選ぶことができる ③運用利益が非課税
それぞれ見ていきましょう。
①少額から積立投資ができる投資信託が対象
積立投資は毎月一定金額ずつ金融商品を購入する投資手法であり、値動きの影響を小さくする効果があります。投資信託は株式・債権・不動産など、さまざまな投資対象を少額からまとめ買いできる金融商品です。 資産運は分散投資、つまりリスクを分散させることが基本です。積立投資で投資タイミングの分散、投資信託で投資対象の分散ができます。
②金融庁が厳選した投資信託から銘柄を選ぶことができる
国内で販売されている投資信託は約6,000銘柄です。 これだけ数が多いと選ぶのが大変ですよね。 中には割高な手数料が設定されている銘柄や、分配という資産運用には不向きな仕組みを持つ銘柄も。
その点、つみたてNISAで投資対象となっているのは、金融庁が厳選した173本*3 のみです。(2020年1月時点) ただし、金融庁が厳選した銘柄といっても、資産運用結果を保証するものではないので注意がしましょう。
③運用利益が非課税
通常、投資で得た運用利益は20.315%の税金がかかります。 しかし、つみたてNISAの枠内に限り運用益は非課税です。 例えば、資産運用で10万円の利益を得た場合、通常は約2万円の税金がかかるのに対し、つみたてNISAを利用していれば税金がかかりません。 資産運用の金額が増えるほどこの差は大きくなりますので、ぜひ活用したいですね。
「一般NISA」や「iDeCo」との違いは?
つみたてNISAとセットで紹介されることが多い「一般NISA」や「iDeCo」。 どれも資産運用を有利に進めることができる制度ですが異なる点もあります。ここからは「一般NISA」と「iDeCo」と「つみたてNISA」の違いをそれぞれ見ていきましょう。
「一般NISA」は投資経験者向けの制度
一般NISAも、つみたてNISA同様に投資で得た運用益が非課税になる制度です。 つみたてNISAとの大きな違いは投資対象と投資方法にあります。
一般NISAの投資対象は株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などです。 これらはつみたてNISAと違い、金融庁のチェックを受けていません。 また、つみたてNISAは積立投資のみですが、一般NISAは枠内であればどのタイミングで、いくら投資するのか自由です。 そのため、投資手法が確立できている投資経験者向けの制度といえます。ちなみに一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。
「iDeCo」は老後資金の準備に特化した制度
iDeCoもつみたてNISA同様に非課税で積立投資ができる制度です。 つみたてNISAとの大きな違いは節税効果と解約の制限にあります。
iDeCoでは運用益に留まらず、掛け金も所得控除となり節税できますので、より有利に資産運用を進めることができます。 しかし一方で、資産運用の結果に関わらず原則60歳まで解約することができません。 そのため、老後資金の準備に特化した制度であるといえます。
ちなみにiDeCoはつみたてNISAとの併用が可能です。
資産運用でお金に働いてもらい、収入減のリスク対策に!
就業看護師の人数を年齢別に見ると40歳をピークにその後は右肩下がりしています。 離職する理由は家庭の事情や健康問題などさまざまです。 自分もいつ離職せざるを得ない状況になってしまうかを意識しておかなければなりません。
何らかの理由で離職せざるを得ない状況になった時にお金の蓄えがないと苦しい生活を強いられます。 精神的にも余裕がなくなってしまうでしょう。患者の健康を守るのが仕事の看護師といえども、いつまでも自分も健康に働くことができるとは限りませんよね。元気に働ける内から資産運用を始め、お金にも働いてもらうことによって収入減のリスク対策になります。
参考文献
*1 日本銀行調査統計局.”資金循環の日米欧比較” (参照 2020-1-18)
*2 日本銀行.” わが国の経済・物価情勢と金融政策” (参照 2020-1-18)
*3 金融庁.”つみたてNISA対象商品届出一覧” (参照 2020-1-18)
金融庁.”つみたてNISA早わかりガイドブック” (参照 2020-1-18)
金融庁.”つみたてNISAについて” (参照 2020-1-18)
投資信託協会.”一般NISAってなあに?-概要としくみ-” (参照 2020-1-18)
投資信託協会.”iDeCo(個人型確定拠出年金)ってなあに?-概要としくみ-” (参照 2020-1-18)
日本看護協会.”看護職員の年齢階層別百分率” (参照 2020-1-18)
厚生労働省.”看護職員の現状と推移” (参照 2020-1-18)
この記事を書いたのは
看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!
イラスト・まえかわしお