オープンダイアローグ
読み方:おーぷんだいあろーぐ
読み方:おーぷんだいあろーぐ
オープンダイアローグとは
主に統合失調症の急性期の患者を対象にした、対話を中心にした治療。フィンランドのケプロダス病院で行なわれたもの。薬物療法や行動制限を劇的に減らせた治療として近年注目されている。
治療内容
- 病院が患者や家族から連絡を受けたら24時間以内にセッションを開始
- セッション開催の場所は家族と患者が決める(患者宅が望ましい)
- 病院から最低2人のスタッフがセッションに参加
- 患者、家族の話を聞く
- 幻覚や妄想についてもよく聞き、内容を吟味する
- 睡眠、入浴などの清潔、その他社会的関係が回復し始めたら「生きがいを見つけることが」促進されたので薬は不要と判断
- しかし不眠や不安を和らげるために薬を低用量処方することもある
- 薬を処方しても問題が解決したら中止
- 本人抜きではいかなる決定もしない
- スタッフ限定のミーティングなどもない
- 患者を批判しないで、とにかく対話
- テーマは事前に準備しない
- 幻覚や妄想についても話す
妄想というのは『モノローグ(独白)』。頭の中で一人で考えを膨らませていく状態。患者をこの「独白」から抜け出させるのが、周囲との対話であり治療でもある。
統合失調症患者は創造的である反面、極言すれば病的でもある「モノローグ」に陥りやすく、そこから開放することを目標とする
実際の効果
オープンダイアローグを導入したフィンランドの西ラップランド地方では、統合失調症患者の入院治療期間が平均19日短縮され、通常治療では100%の服薬が必要な患者の割合は35%にとどまったと報告されている。
なぜ効果があるのか?
不思議なことに、このケプロダス病院のスタッフですら、なぜこうした会話に治療効果があるのか説明できない。
「激しい症状は消えていきます。でもなぜそうなるのかは分かりません」
「ただオープンダイアログは何かの作用をしているに違いありません。効果が出ているのですから」
と述べている。