エッセイ

認知症になる前に!親のお金を守るためにしておきたいこと《後編》

2020/2/26

「私の親がお金のトラブルに巻き込まれたらどうしよう…」と不安な方もいるのではないでしょうか。

高齢者を狙った特殊詐欺の認知件数が年々増加*1しています。認知機能が低下した高齢者が自力で特殊詐欺の被害から身を守ることは大変困難です。また、高齢者が巻き込まれがちなお金のトラブルは特殊詐欺だけではありません。

そこで今回は認知機能が低下した高齢者が巻き込まれがちなお金のトラブルとその対策について解説します。 ぜひ参考にしてみてください。

 

認知機能低下で起こるお金のトラブル

高齢になった親はなにかとお金のトラブルに巻き込まれがちです。 認知機能低下によってどのようなお金のトラブルが起こるか見ていきましょう。

①お金の管理ができなくなる

例えば家賃を滞納してしまったり、電気・ガスの未納により止められてしまったり、年金が管理できなくなったり、といったことが起こりがちです。まずは身の回りのお金の管理ができなくなってしまいます。

②親自身の浪費

認知機能の低下によって、これまでしたことのなかったような浪費を始めることがあります。これは前頭葉の萎縮により判断力や欲求のコントロールがうまくできなくなってしまうからです。通信販売で高額商品を買ったり、同じものを大量に購入したりといった購買行動が考えられます。ただし不要とは言い切れないもので浪費をするので一見わかりにくいかもしれません。

③特殊詐欺

「オレオレ詐欺」に代表される高齢者を騙してお金を奪う特殊詐欺の犠牲になってしまう可能性もあります。特に高齢者は家にいる時間が長く、「劇場型」と呼ばれる電話や郵便物を利用した手口にかかりやすいのが特徴*2です。警察庁の発表によると、特殊詐欺の認知件数は増加傾向*1であり、被害の深刻さがうかがえます。

近年は特殊詐欺の手口が悪質かつ巧妙化しており、高齢者の親族の個人情報を調べ上げて詐欺に臨むケースも見られています。 高齢者の中には詐欺であると気がついていながらも、金銭の要求を断ると個人情報が知られている親族に報復が及ぶのではないかと考えてお金を渡してしまう方もいるようです。

④悪意ある相続人

親の認知機能の低下をきっかけに、「おれは長男なんだから、財産を一番多くもらう権利がある!」「介護費に必要な金額以上に、親の銀行口座から使い込んでいるだろう!」と言ったような人間関係のトラブルが生じてしまうこともあります。

 

お金のトラブルを回避するポイント

高齢の親がお金のトラブルを回避するためのポイントを見ていきましょう。

親子のコミュニケーションを増やす

まずは親子のコミュニケーションを増やすことが大事です。例えば、大きい金額の買い物をするときに、必ず相談してもらえる関係づくりをしておくというのも有効だと思います。

また、財産の相続に関してはなかなか切り出しにくい話題ではありますが、認知機能がしっかりとしているうちに親の意向を確認し、親族の間で共有しておきましょう。

法律的に効力のある手続きを

判断力がしっかりとしているうちに、「成年後見制度」「任意後見契約」「財産管理委任契約」「家族信託」といった法律的に効力のある財産管理の手続きをしましょう。特に成年後見制度は弁護士や司法書士といった法律のプロが、詐欺や不当な契約から親のお金を守ってくれます。

報酬を支払いたくない方は、財産管理委任契約や家族信託がおすすめです。しかしトラブルが怖いからといって早々に親のお金を管理しようとするのは、親の自尊心を傷つけてしまいます。あくまで最終手段と考えておきましょう。

 

看護師だからこそ親の異変に早く気づいて対応できる

看護師であれば、他の家族が気づかないような、ちょっとした認知症のサインに気がつけるかもしれません。 早期発見ができれば大きなトラブルにつながる前に、親のお金の管理方法について相談できますよね。 ぜひ、親のお金を守る方法を意識してみてください。

 

参考文献

*1 ”政府広報オンライン”. 詐欺の手口と高齢者被害の実態(参照 2019-12-23)
*2 鈴木 大介.老人喰い.新版.筑摩書房.2015年.240p

この記事を書いたのは

看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!

イラスト・まえかわしお

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