• 公開日: 2019/12/11
  • 更新日: 2020/1/15

あなたの周りにもきっといる!外科看護師あるある10個あげてみた

術前・術後の患者さんが入院する外科病棟は、毎日が緊張の連続です。「常に時間との戦い」という多忙な職場ゆえ、そこで働く看護師もピリピリムード…。今回は、そんな外科看護師の「あるある」をまとめてみました。

 

「あるある」から見える、外科看護師の意外な素顔

他科看護師がら怖がられる

とにかく忙しい外科病棟。オペ出し、検査出し、オペ後患者の受け入れ、処置の介助など、息をつく間もないほど仕事に追われるのが日常です。全身から溢れ出すピリピリムードに、他科看護師や他職種からは「外科看護師は怖い」「声をかけにくい」といった声がよく聞かれます。もちろん、看護学生からも怖がられます。

初めての無菌操作に手が震える

看護学校や実習先で嫌というほど練習したはずなのに、就職して初めての無菌操作は緊張で手が震えます。とくに、初めての中心静脈カテーテル留置や術後の創処置など、医師の介助に付くときは緊張マックス!物品を出す順番がわからなくなりフリーズすることも。

術後の恐怖は「せん妄」と「ドレーン自己抜去」

患者さんの高齢化で、70代・80代で手術を受ける方はざらにいます。そんな高齢患者さんによく見られるのが「術後せん妄」です。しかも、スタッフの少ない夜勤帯にせん妄を起こすことが多く、巡視時に点滴を抜いて血だらけの患者さんに遭遇することも。さらに背筋が凍るのが「ドレーン自己抜去」で、発見直後は生きた心地がしません。

術前除毛を行う場合、若い患者さんだとお互い妙な緊張感が

手術部位に応じて術前除毛を行う場合もあります…が、患者さんにとって部位によっては羞恥心を感じる処置です。とくに若い患者さんだと、いくら仕事とはいえ妙な緊張感が走ります(もちろん顔には出しません)。バリカンのモーター音がむなしく病室に響きます。

後輩のために腕を差し出す先輩ナースたち

新人ナースが血管確保のスキルを身に付けるためには、「けっかんくん」などのシュミレーターで練習するほか、先輩の腕を借りることもあります。とくに外科病棟では、手術や輸血用の血管確保に18G・20Gといった太い針を使用することが多いため、血管が出やすい先輩ナースは格好の練習台です。痛いんですよね、18G…。新人がオペ出し業務を覚え始める時期は、腕に青あざをこしらえた先輩ナースが多く見られます。

ストーマを見ると、つい「きれいな梅干し」と表現してしまう

きれいに盛り上がった赤いストーマを見ると、つい「うわぁ!きれいな梅干し!」と言ってしまうのは外科看護師ならでは。逆に、平坦・陥没したストーマを見ると、「なぜこんなことに…。誰だ?このストーマ造ったやつ」と執刀医を恨みたくなります。

食事のスピードが速い

通常業務でさえ忙しいのに、緊急入院があったりオペ出しの時間が早まったりと、何かとイベントの多い外科病棟。「いつ何があるかわからない」という緊張感から、外科看護師はランチを食べ終わるのが速い!

頭の中は次のタスクでいっぱい!歩くのも速い

時間管理に厳しく、ムダな動きを嫌う外科看護師は歩くのも速い!頭の中では業務の優先順位・必要物品・最短で移動できる動線を常に考えています。その後を「あの〜、すみませ〜ん」と追いかける新人や学生の姿は、外科病棟でよく見かける光景のひとつです。

メンタル強くないとやってられない

すべての外科医がそうではありませんが、中には「早く〇〇持ってきて!」や、虫の居所が悪いと看護師にイライラをぶつけてくる「自己中心的」「俺様」な外科医もいます。また、術直後はとくに患者の命に直結する合併症のリスクがあるため、外科医は厳しい目で看護師を見ています。ミスをしたり、指示を見落としていたりすると、ナースステーションで怒鳴られる…なんてことも。いろんな修羅場を乗り越えた外科看護師は打たれ強く、ちょっとのことでは物おじしない、メンタル最強の人が多い気がします。

なんだかんだ言っても仕事が好き

多忙な業務と人の命を預かる責任の重さから、「もう無理」「辞めたい」と思うのは、多くの看護師が経験することです。筆者も外科看護師時代、「もう絶対無理‼」と何度も思いましたが、外科特有の厳しさの中で少しずつ成長できる楽しさ、先輩から「テキパキ動けるようになったね!」と言われたときの誇らしさ、「外科で働いてます!」というプライド、患者さんや家族からもらう感謝の言葉など、やっぱり外科看護って楽しい…!と思える瞬間がたくさんありました。なんだかんだ言っても、仕事大好きな人が多いですよね。

 

厳しさの裏に優しさあり 外科看護師は怖くない!

ほとんどの外科看護師は、怖いというよりも「仕事に厳しい」のです。その厳しさは、仕事に対するプライドであり、患者さんの安全・安楽のためであり、効率よく業務を進めるためでもあります。職場で培われたメンタルの強さ、ムダな動きや私語を好まない傾向から、どうしても受け答えが「サバサバ」「ズケズケ」した感じになりますが、話すと意外と優しい人が多いんですよ。

この記事を書いたのは

遠藤 愛 看護師として約13年間病院勤務。病院時代、高齢患者と家族の介護問題に直面したことをきっかけに、介護老人保健施設・訪問看護に従事。現在は看護師の知識と経験を活かし、ライターとして活動中。

イラスト・まえかわしお

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