• 公開日: 2019/11/27
  • 更新日: 2020/1/15

看護師だからこそ起業できる業種!「訪問看護ステーション」の起業方法とは?

働き方改革が進む今、看護師の働き方もどんどん変化や広がりを見せていますが、中でも注目したいのが「看護師としての起業」です。世の中には資格がなくても行える起業はありますが、看護師の資格があることで起業できる業種、それが「訪問看護ステーションの起業」。今回は、訪問看護ステーションの起業について、ご紹介します!

 

看護師の経験を活かして起業するには訪問看護がおすすめな理由

看護師の経験を生かして起業できる業種の中でも、なぜ訪問看護がオススメなのでしょうか。

超高齢化社会に向かう日本において、需要は年々増加傾向にある

日本は現在、世界の誰も経験したことがない、超高齢社会へ突入しようとしています。国は、膨らみ続ける医療費を少しでも削減するために様々な対策をとっていますが、中でも特に勧めているのが「地域医療」の推進であり、その要となるのが「訪問看護ステーション」です。

実際に訪問看護ステーションの数は年々増加傾向にあり、2019年度の訪問看護ステーションの件数は11,161件と前年の10,418件に比べ743件増加しています。このように、毎年多くの方が訪問看護ステーションを開設されているのです。

看護師の資格だけで独立することができる

訪問看護ステーションは、看護師の資格を有していなければ開設することができません。実際に「看護師ではない医療職種の方が訪問看護ステーション開設をするために、看護師であるご家族へ協力を依頼した」という例は少なくないのです。訪問看護ステーションはまさに「看護師だからこそ起業できる業種である」といえるのです。

訪問看護師として働く看護師も増加

訪問看護ステーションの増加に伴い、訪問看護師として働く方も年々増加傾向にあります。「利用者さんと1対1でじっくり関わりたい」「病院とは違う関わり方がしたい」という仕事内容で訪問看護師を選ぶ方もいれば、「夜勤が少なく、家庭と両立させやすい」「休みが固定なので、子育てと両立できる」と、自分のライフスタイルとの両立を考えて訪問看護師へ転職される方もいます。

訪問看護師として働く方が増加しているということは、サービスを提供する側からみると人員が確保しやすいため、訪問看護ステーションは起業しやすい業種である、といえます。

 

訪問看護ステーションの起業をする際の方法や課題

ここまで看護師の起業として訪問看護ステーションをオススメしてきましたが、もちろん課題もたくさんあります。そこで次は、起業する際の方法や課題について、ご紹介します。

書類の提出や事業所、人員の確保…やることは山積み

訪問看護ステーションを起業したい!でもやり方がわからない…。そういった方もいらっしゃるかと思います。一般社団法人全国訪問看護事業協会では、訪問看護ステーションを起業するための方法を12項目にわけて解説されています。

その中には、

  • 開設の目的や方針を決める
  • 法人を設立する
  • 開設資金を確保する
  • 開設する訪問看護ステーションのPRをする
  • といった他の事業の起業内容と同じことが記載されている一方

  • 医療機関や居宅介護支援事業所と連携をとり、利用者の依頼をスムーズにする
  • というような、訪問看護ならではの内容も行う必要があります。

    開所の申請をしてから実際に稼働するまで数ヶ月を要する他、用意するべき書類や行うべき項目は非常に多く、こちらでは紹介しきれないため、訪問看護ステーション開設を検討されている方は、こちらのページもぜひご参照ください。

    訪問看護ステーションを開設したい方

    事業所が閉鎖するリスクも当然あり

    看護師として開業するにあたり、同時にぜひ考えておきたいのが「閉鎖するリスク」です。訪問看護ステーションの件数は年々増加傾向にある、と先ほどご紹介しましたが、その一方で「開設したその年のうちに閉鎖した訪問看護ステーション」も実在しています。

    2018年度では、大阪では14件、東京では6件が開設した年のうちに閉鎖しています。一方で、東北や山陰、四国といった地方では1年のうちに閉鎖に追い込まれた件数は0件となっています。

    つまり、訪問看護ステーションは都市部よりも地方でのニーズがより高く、都市部の場合は閉鎖へ追い込まれてしまうリスクも十分ある、ということがいえます。

     

    訪問看護は、発展途上である事業

    訪問看護は、まだまだこれから伸びていく業種だといえます。特に最近は男性の看護師さんが訪問看護ステーションを起業され、運営されているというケースも多くなっています。「将来は起業して、独立したい!」と考えているナースは、ぜひ訪問看護ステーションの開設も検討していただけたら嬉しいです!

     

    参考・引用文献

    訪問看護ステーションを開設したい方|一般社団法人全国訪問看護事業協会
    「2019年訪問看護ステーション数調査結果」(一般社団法人全国訪問看護事業協会、2019年6月)

    この記事を書いたのは

    山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

    イラスト・k.nakano

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