まなび
  • 公開日: 2019/11/1

低体温療法!とかつて呼ばれた体温管理療法。実はまだ確立されてないことが…

体温管理療法(TTM)
読み方:たいおんかんりりょうほう(てぃーてぃーえむ)

 

体温管理療法とは

初期心電図波形がVF/VT、かつ電気ショックが適応の症例において、心停止後の蘇生により自己心拍再開後に刺激に対する反応がない場合に推奨される体温管理の方法。

これまで低体温療法と呼ばれ推奨されてきが、低体温療法の研究において症例や方法などが様々であること、非体温管理との比較が困難であることが問題となって、2009年の国際会議で体温管理療法に置き換えることが推奨された。まだまだ明確なエビデンスがないのが現状。

目的

脳代謝を抑制して酸素消費量を減らす、神経伝達物質の放出を抑制するなど、簡単に言うと脳を保護するのが目的。

そして自己心拍再開により、脳血流や酸素供給の再開に伴う再灌流障害も抑制して脳細胞を保護する。

方法

症例や医師によって異なるため標準的なものを紹介する。

  1. ①Post-ROSC cooling:心拍再開後に冷却を開始する。開始時期は早ければ早い方が良い
  2. ②Intra-arrest cooling:心拍再開前の心停止中から開始する
  3. 深部体温:33~36℃で管理する
  4. 測定部位:膀胱温、直腸温、食道温、鼓膜温、血液温などが用いられる
  5. 冷却持続時間:明確にされていないため、患者の重症度などに応じて設定する

関連記事