• 公開日: 2019/11/6
  • 更新日: 2020/1/15

看護師の3K、最近は「8K」って呼ばれているってほんと?

皆さんは、看護師の「3K」という言葉を知っていますか?

「きつい」「危険」「汚い」の3Kと言われていましたが、最近では6K、8Kとも呼ばれることもあるようです。そこで今回は、看護師の3Kについて現役看護師が考察してみたいと思います。

 

看護師の3Kの実態

看護師の元祖3Kである「きつい」「危険」「汚い」について、それぞれ考えてみます。

きつい

看護師の仕事といえば、まずあげられるのがこの「きつい」ではないでしょうか?日々清潔ケアや移乗介助など、体力を使う業務内容もさることながら、患者さんの命を扱うというプレッシャーなど精神的なきつさが挙げられます。

ほかにも、患者さんやご家族との関係、医師やスタッフ同士の人間関係をきついと感じることも多いようです。こういったきつさは、年齢問わず多くの看護師のストレスとなっています。

危険

看護師の業務として行う、薬品の取り扱いや医療機器の操作は、一歩間違えると患者さんへ重大な影響を与える危険があります。そして薬品の暴露など、看護師自身にとってもこういった行為は危険といえます。

また、患者さんからの暴言や暴力、ハラスメントなども問題視されており、看護師の業務の多忙さや日々のストレスによる健康被害も多いです。それらに対する危険も、3Kでの危険に含まれているようです。

汚い

清潔ケアや排泄ケアとして、人の汚物を扱うため、汚いというのもまた、看護師の仕事のひとつといえます。学生時の病棟実習で初めておむつ交換をした時にはかなり衝撃があるものです。経験を積むに従い、だんだんと慣れていきますが、それでも人の汚物を扱うというのは、衛生面はもちろんのこと、感染のリスクもあります。

また、汚物以外に血液や唾液などの体液も感染リスクがあり、日々そういったものに業務時触れる看護師は、汚いものを扱う仕事であるといえるでしょう。

 

看護師の新3Kは、数がどんどん増えている!?

元祖3Kに加えて、最近は以下のような新たな「K」が増えているようです。

婚期が遅れる

看護師は女性が圧倒的に多い職場なため、婚期が遅れると言われています。 世間では「看護師は異性にモテる職業」と言われていますが、実際には看護師という職業に惹かれている方と結婚へ至るのはごく少数です。

シフト制の仕事であるために人と都合を合わせることが難しく、休日は体調・体力回復のために家でゆっくり過ごされる方も多いため、出会いのきっかけがなかなかありません。また、特に20代は夜勤回数がどうしても多くなりがちな年代でもあるため、そういった面からも婚期が遅れてしまうといえるでしょう。

化粧がのらない

寝不足や慢性疲労など、看護師の肌は荒れやすい傾向にあります。社会人として最低限のお化粧はしているものの、お肌の調子がなかなか整わないため、化粧がのらないという新たなKが言われるようになりました。

夜勤前にメイクをしていて、仮眠の時に一時的にメイクをとり、仮眠後に再びメイクをするという方もいらっしゃいますが、日勤だけでなく夜勤もあるということも、肌の調子を崩し、化粧がのらなくなってしまうと考えられます。

休暇がとれない

年末年始やゴールデンウィーク、お盆など世間がお休みの時でも、看護師は24時間365日誰かが必ず働いていなければいけません。

特に看護師が不足している職場では、当初とれるはずの休日数がとれず、自分の希望通りに休みがとれないということも珍しいことではありません。働き方改革により、プライベートを充実させるという方針が出されていますが、看護師はその限りではないようです・・・。

帰れない

働き方改革により、以前に比べると残業を減らそうという職場側が様々な努力や試みを行っていますが、それでも看護師は未だに「帰れない」仕事であることに変わりはありません。

患者さんの急変や緊急入院などが入ると、仕事量が増えてしまうため、早く帰りたくても仕事が終わらず帰れない…そんなことも多いのではないでしょうか。

子育てとの両立が難しい

待機児童が多い中、院内保育園を設置している職場が多い看護師は、育休後復帰しやすい職業だと感じます。一方で問題となるのが復職後です。

小さい子どもは何かと体調を崩しやすいですが、看護師の仕事はシフト制のため休みにくく、そしてなかなか帰れない職業なため、子育てとの両立がとても難しいといえます。それ故に、この「子育てとの両立が難しい」こともまた、新たなKといえるのではないでしょうか?

 

「K」が増えても、看護師は続けたい・・・!

今回紹介した看護師の「K」はどれもネガティブなものばかりで、かなりストレスの多い仕事であることを改めて感じました。

しかし、どんなに辛く大変なことがあったとしても、それでもまだ看護師として働き続けているというのは、それだけ看護師という仕事に大きなやりがいを感じ、仕事そのものが好きだからだろうな、と思います。患者さんからいただく「ありがとう」「助かった」という言葉を胸に、今日も看護師として頑張ろうと思います!

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・k.nakano

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