声なき声に耳を傾けるとは?学生が学んだことはとても大きなものでした。…看護師から募集した、忘れられないエピソードをお届けします。
※この作品はフィクションです。実際のエピソードもとに、個人が特定されないよう一部を脚色しています。
原作者:あこ先生から<ひとこと>
看護の現場では、患者さんの表面的な言葉や態度だけを見て、すべてを理解した気になってしまうことがあります。しかし、患者さんが本当に抱えている気持ちや思いは、必ずしも言葉として表れるわけではありません。むしろ、その「語られない部分」にこそ、患者さんの本音や真のニーズが隠されていることが多いのです。
「患者さんが語らないことに耳を傾ける」とは、言葉だけでなく、表情やしぐさ、沈黙といった細やかなサインを見逃さず、それらを根拠にアセスメントを行い、患者さんが安心して本音を語れる関係を築くことです。これは決して簡単なことではありませんし、一朝一夕で身につくものでもありません。しかし、その姿勢を持ち続けることで、患者さんにとってかけがえのない存在になれるのです。
看護学生としての実習期間は短いかもしれませんが、そこでの気づきや学びは、看護師としての成長を支える基盤となるでしょう。今後の実習でも、患者さん一人ひとりの「声なき声」に耳を傾ける姿勢を大切にしていただければと思います。
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