まなび
  • 公開日: 2019/10/25
  • 更新日: 2019/10/30

「解離性障害ってヒステリーのことだよね?」は誤り。今はヒステリーと呼ばない解離性障害について学ぶ

解離性障害
読み方:かいりせいしょうがい

 

解離性障害とは

記憶、意識、知覚やアイデンティティ(自己同一性)など、これらの感覚をまとめる能力が失われ、日常の生活に深刻な支障をきたした状態を解離性障害と呼ぶ。簡単に言うと、自分が自分であるという感覚が失われている状態。

以前は「ヒステリー」と呼ばれていましたが、現在では用いられなくなった。

原因

症状のひとつである多重人格はドラマなどで知られるようになったが、幼少期の虐待などのほかに事故、災害などの体験や目撃など衝撃的な出来事による極度のストレスと言われている。

耐えられない心理的葛藤、受け入れがたい感情を意識的な思考から切り離さざるをえなくなって発症するとも言われている。つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる一種の防衛反応と考えられている。

症状はたくさん

  1. 解離性健忘:心的ストレスをきっかけに、その出来事の記憶をなくす。長期に記憶をなくすこともあるが、数日のうちに記憶がよみがえることが多い
  2. 解離性とん走:急に失踪し、新たな生活を始めているなど。それまでの自分についての記憶を失うことが多い。
  3. カタレプシー:体が硬くなり動かなくなる
  4. 解離性昏迷:体を動かす、話すことができなくなる
  5. 離人症:自分を外から眺めているように感じ、自分が自分という感覚がなくなる
  6. 解離性てんかん:心理的な要因による昏睡状態、体が思うように動かせなくなる、感覚が失われるなど

他にも、声が出なくなる、立てなくなる、震える、痙攣、錯乱状態、もうろうとするなど様々な症状がある。

有名な症状、多重人格

ドラマなどで見られる多重人格。正式には解離性同一性障害といい、患者は複数の人格をもち、それが交代で現れる。別の人格が出現している間の記憶がない場合が多い。

別人格時に行われた犯罪により服役したケース、知らない間に妊娠していたなどのケースもある。

仮病あつかいされてしまう

これらの症状は周囲の人に理解し、信じてもらうことが困難なこともあり、詐病ではないかと言われてしまうことも。

また専門医でも、その診断が難しいケースもあることも理由としてある。

その他

症状の発現様式、重症度、持続期間はさまざまで、健常者にあらわれることも(正常解離)。

解離性障害の症状の多くは、時間を経ることで自然に解消されるか、別の症状へ移行するのが一般的と言われている。

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