編集部セレクション
  • 公開日: 2019/10/22
  • 更新日: 2020/1/14

終末期看護で感じる、看護師の無力さ

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のお悩み 

高齢者病棟というだけあり、緩和ケア目的で転入してくる方や、亡くなる方も多くいます。

新人看護師で未熟な上、終末期看護の経験も少なく、患者さんが亡くなる度に辛いです。自分には何が出来たのか、自分がとても無力に思えます。亡くなった患者さんを思うと胸がつまります。

同じ思いの方はいますか?また、先輩看護師の皆さんのアドバイス等ありましたらいただきたいです。

 

終末期看護で感じる、看護師の無力さ

■何年経ってもつらい

看護師も人間。看護師も医者もみんな、患者さんが亡くなるのが辛いのは同じだと思いますよ。特に看護師は医療者の中で一番患者さんと接しますし。

終末期ケア何年たってもこれでいいはないですよねぇ。看護歴30年ですが、一回一回涙が出ます

病院は治って帰るところと思っていたので、病院で亡くなることを受け入れるのに時間がかかった。

人の死を目の前にして、何も感じない人はいないと思います。医療者である自分に何ができるのか…永遠の課題だと思います。

■人は絶対に「死ぬ」もの

私も無力感、感じたことあります。どんな方でも「産まれて・生きて・死ぬ」のです。だから、今を大切に患者さんと接する事が大事だと思います。

とても生死が身近にある職業だと感じています。いろいろ思うところはありますが、あるがままを受け入れるしかないと考えてます。誰しもが早かれ遅かれ平等にむかえることと。

新人の時から泣いた事はない。生まれたら、死んでいく。みんな一緒だから当たり前だし泣けない。だからわずかな時でも安楽に過ごせるようできる限りケアするだけ

■プロとしての心構えは必要

患者さんに感情移入しすぎてしまったら、看護師としての仕事ができなくなります。そこは職業上構えておく必要があるのかなと思います。

あまり感情移入もしすぎてはいけないことも学びました。自分が持たなくなってしまいます。気持ちを上手く切り替えられる人間でなければ、看護師でなければいけないのだな、と私は学びました。

私も若い頃は良く泣いてました。その気持ちを忘れず仕事を続けていくことが大切かと思います。

終末期看護で看護師が「できること」

■後悔しないためにも、心がけたいポイント

そう思わないように、出来るだけこまめに足を運ぶ時間を作る。疼痛緩和認定看護師にアドバイスをもらったり、マッサージをしたりするようにしているよ。

日々、利用者さんが笑ってすごせて頂ければと、思い看護してます。亡くなられたときは、『辛かったですね、頑張られましたね。』と、死亡処置させていただいています。

沢山の患者さんのことを覚えていますが、「十分な看護が出来た」と思えたことは一度もありません。まだ何か出来たのでは?と思うことの繰り返しです。これからもその繰り返しだろうなぁと思いますが、その時その時で自分に出来る精一杯のことをしたいと思います。

■「そばにいるだけ」「見守るだけ」

無力であっても、目をそらさずに見届けることだって大事だと思いますよ。

そばにいてあげてください。患者さんや家族にそっと寄り添うだけでいいです。

今は、なかなか衰弱した患者を最後まで看取ってくれる病院が少ない中、入院できたことは、最後の望みでもあります。できるだけ苦痛を緩和し、体の保清を充分に行う。だだあたりまえの看護でご本人もご家族も満足なんです。悲観に思いつめることは、ないです。

■大切なのは「考えること」

治療しても治す事ができない方の命の最後に、新人の看護師としてどのように向き合って看護していくか。自分なりの答えをみつけてください。

熟練したナース、終末期経験したナースには出来ない、新人ナースだからこそ出来る何かがあると思いますよ。人生の最後の大切な場面の看護には、技術だけが必要なわけではないと私は思います。

死を考えるということは、どう生きるかを考えることだと思います。ほんとに無力です。
でも看護師である私たちは、最期まで看護ができます。声かけをする、体位を整える、擦る、環境を整える、家族にも寄り添うこと…。

患者さんは人生の大先輩。自分は癌になった事もない。そもそもそのような方に対して、自分が何かできると思う事がおこがましい。という事をドクターから言われて、今でも印象に残ってます。

関連トピック:「 終末期看護の辛さ
イラスト・なしま

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