読み方:せんけいこんじろーま
イラスト・dosankotsukushi
尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)とは
性行為、それにした類似した行為でも感染するウイルス性の性感染症。ヒトパピローマウイルス(HPV)6型、11型などが原因。
症状
自覚症状はほとんどない。外陰部腫瘤、違和感、帯下の増量、かゆみ、痛みが初発症状となることが多い。色は淡紅色〜褐色で乳頭状、鶏冠状(鶏のトサカ)、カリフラワー状と言われる。表面が角化した隆起性病変が特徴。
男性は陰茎の亀頭部、冠状溝、包皮内外板、陰嚢。女性は膣、膣前 庭、大小陰唇、子宮口。
子宮頸部、膣に発症した場合、外陰の病変同様の疣状を呈することもある。男女とも共通してる好発部位は肛門及び周辺部、尿道口。
治療
外科的治療
- 切除
- CO2レーザー蒸散法
- 電気メスによる焼灼法
- 液体窒素による凍結法
薬物療法
- フルオロウラシル軟膏
- ブレオマイシン軟膏 など
検査・診断
病巣範囲を確定するために、子宮頸部や膣、外陰部 を酢酸溶液で処理した後、コルポスコピーで観察することも。特徴的な形態を持つため、視診で十分診断がつくことが多い。
類似した疾患もあるため、確定診断は組織診にて行う。
疫学
20〜30%は3カ月以内に自然消退する。世界中で見られる疾患で、国内では年間1万人あたり3人程度発症。近年は増加傾向で、女性の占める割合が徐々に高くなってきている。
性活動の活発な年代にみられるが、稀に両親や医療従事者の手指を介して幼児に感染し、発症することも。また分娩時の垂直感染による、乳児の喉頭乳頭腫の可能性も示唆されている。
感染してからイボが確認できるまでに3週間~8ヵ月(平均2.8ヵ月)くらいかかるといわれている。感染した時期や誰から感染したかを特定するのは難しいとされている。
そのため、治療終了後も最低3カ月は厳重な経過観察をして、再発の早期発見に努めることが必要。本人が治癒しても、パートナーがHPVを保持しているかぎり再感染の可能性がある。
そのためパートナーも必ず専門医を受診し、症状があれば治療をすること。また、垂直感染を予防するためには、妊婦で発症した場合には分娩までに治療したほうがよい。