まなび
  • 公開日: 2018/12/19
  • 更新日: 2019/7/16

滲出性中耳炎とは?発症の原因から治療方法まで

滲出性中耳炎 読み方:(しんしゅつせいちゅうじえん)

滲出性中耳炎とは

中耳の粘膜の炎症と耳管の働きの低下が原因で、鼓膜の奥の中耳腔に滲出液が貯留する疾患。3歳~10歳頃までに多くみられ、小児の難聴の原因では一番多い。

原因

最も多いのは急性中耳炎が十分に治りきらずに、鼓膜の内側に膿が滲出液となって残ってしまうケース。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻の病気や、のどに慢性の炎症があったりアデノイドが大きい場合などでは、このような耳管の働きが悪くなり滲出性中耳炎になりやすくなる。

症状

急性中耳炎と違って、強い痛みや発熱をともなわないのが特徴。難聴が唯一の症状であることも多く、難聴の程度も軽い場合が多いので気づくのがおくれてしまいがちなため注意が必要。

<プールで耳に水が入って中耳炎になる?>
滲出性中耳炎で中耳にたまっている液体は、中耳の粘膜からしみ出たもの。鼓膜に穴があいていないかぎり、水泳や洗髪で耳(外耳道)に入った水が中耳にまで入ることはない。つまりプールで耳に水が入っても中耳炎にはならない。

検査・診断

鼓膜鏡で鼓膜や中耳の状態を観察。聴力検査や鼓膜の動きの検査によって病気の程度も確認。

治療

中耳にたまっている滲出液を除去し、聴力を改善する治療と、原因となっている鼻やのどの疾患に対する治療とを並行して行う。聞こえの状態がかなり悪い場合は、鼓膜を少し切って中にたまっている滲出液を吸い出す鼓膜切開術をおこなう。程度が軽い場合には薬による治療や、鼻から耳に空気を送る耳管通気という処置をおこなう。滲出性中耳炎をくり返す場合は、鼓膜にチューブを入れる手術(チューブ留置術)がおこなわれる。

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真珠腫性中耳炎の手術について
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