コラム
  • 公開日: 2018/11/6
  • 更新日: 2019/12/10

【連載】ナースの転職知恵袋

公務員看護師について徹底解説!そのメリットデメリットとは?

『ナースの働き方白書』とは、ナース専科を運営する(株)エス・エム・エスキャリア提供の転職支援サービス「ナース人材バンク」より、お役立ち情報をお届けするコンテンツです。

「なんだか待遇が良さそう…」と公務員看護師に憧れる人もいるのではないでしょうか?

でも、公務員看護師って一体どういう看護師をいうのでしょう?今回は、公務員看護師の職種や職場、そのメリット・デメリットについて徹底的に解説します。

 

公務員看護師とは?

公務員看護師とは、「看護師免許を使いながら、公務員として働く看護師のこと」です。

しかし一口に公務員看護師といっても、省庁で働く人や、地方自治体で働く人、国立大学の附属病院で働く人など、公務員看護師の中でも働く環境や仕事内容は人それぞれ。まずは、どのような場所でどんな仕事についている人を実際に公務員看護師と呼ぶのか、詳しくご説明します。

 

国家公務員として働く公務員看護師

公務員看護師の中には、正式に国家公務員として採用されている人たちがいます。

 看護技官(厚生労働省の内部部局)

厚生労働省で看護師として現場の声を届けながら、看護師の制度や法律に関わる仕事です。

 検疫所

海外から入国審査で発熱などがある有症者に対して健康相談や問診などを行い、感染症の国内進入を防止する業務や、海外に渡航する人に対する予防接種の介助や相談を行います。

 自衛隊

自衛隊には、自衛隊中央病院及び自衛隊病院などで看護業務等に携わります。時に戦地や災害地で、救助活動を行うこともあります。

 刑務所・少年院

刑務所や少年院での看護師の仕事は、医務室で受刑者の体調不良・怪我などへの対応をします。また、精神や身体に何らかの疾病・障害がある受刑者に対してのケアを行うこともあります。

 注意
正式な国家公務員としての看護師の採用のほとんどは省庁が直接行っているので、採用状況や募集要項などの情報が手に入りにくいです。定期的に採用があるわけではなく、欠員募集になるので、タイミングが合うかどうかも重要です!

 

地方自治体直営機関で働く公務員看護師

公務員看護師の職場は、国立だけではなく県立や市立といった地方自治体直営の施設や機関もあります。自治体によってそれぞれ規定が違うため、看護師の待遇や立場も各自治体により様々です。

地方自治体が直接運営し、正式な地方公務員として働ける職場には、以下のようなものがあります。

  1. 公立病院
  2. 保健所
  3. 公立教育機関
  4. 児童福祉機関
  5. 公立地域包括センター

ただし、雇用形態は非常勤や有期雇用の場合もあるので、県庁や市役所で採用を行っていたとしても、正式な公務員とは限りません。事前にどのような雇用形態かしっかり確認しておきましょう。

 

国立系みなし公務員として働く公務員看護師

例えば、「県立◯◯病院」という公立病院があっても、そこで働いている看護師さんは正式な公務員の方もいれば、公務員の仕事を代行している、みなし公務員あるいは準公務員の方もいます。

以下のような場所で働く看護師は、みなし公務員として公務員看護師の職種の一つに分類します。

国立病院

現在、国立病院を運営する国立病院機構(NHO)は民営化されたため、国立病院機構独自の給与規定に基づいた待遇となります。

国家公務員共済組合連合の病院

国立の病院やハンセン療養所で働く人のための保険事務所である国家公務員共済組合(通称KKR)の直営病院で働く場合も「国家公務員共済組合連合会職員」として採用され、「みなし公務員」となります。

どちらも、給与や待遇はそれぞれの規定によるものの、国家公務員と同等の扱いであることが多いです!

 注意
公的病院は国公立病院ではありません! 公的病院とは、日本赤十字病院・労災病院・済生会・社会保険病院・厚生年金病院など、国が運営支援しているわけではないけど、独立行政法人など公的な団体が運営している病院を指します。公的病院の給与規定は公務員に準じるものと、独自の給与規定にそっているところと混在しているため、今回は、公務員看護師の枠からはずしています。

 

公務員看護師のメリット

公務員看護師の給与

公務員看護師になりたい理由の一つに、「高給与」があげられることも少なくありません。でも実は、平均給与額自体は、国立・公立と他の設置主体のものを比べても、特別差があるわけではないんです。

違うのはボーナスと退職金。

公務員である以上、ボーナスと退職金はきちんと支払われます。そのため、ボーナス支給時と退職時は、給与の面で公務員看護師でよかったと感じることができるかもしれません。

公務員看護師の福利厚生

公務員看護師の福利厚生は一般的な法人や個人経営の経営者のお手本となるべく、労働者の権利やワークライフバランスについてしっかりと対策が打たれているので、働きやすい環境が用意され、諸手当も正当に支払われます。

【国立病院機構管轄の病院の規定の例】

勤務時間・・・週間を平均して1週間について38時間45分 (二交替制や三交替制など、各病院の実情に応じた勤務体制)

休日・・・原則として、4週間を通じて8日 (1週間の平均勤務時間が定められており、超えた場合の罰則もあることからかなり守られている。)

安定した職場で、定年まで安心して勤められるという点が公務員看護師の最も大きなメリットでしょう。

 

公務員看護師のデメリット

安定していて、福利厚生もしっかりしている公務員看護師ですが、民間の医療機関では、思いもよらない慣習やルールもあるという声はよく耳にします。

入職してから「知らなかったー!」では済まされないこともあるので、しっかりチェックしていきましょう。

 副業禁止

公務員法で公務員の副業禁止が謳われているため、「刑法の適用について公務員としての扱いを受ける者」であるみなし公務員・準公務員でも同じです。

 雇用保険に加入できない

民間と違い倒産のリスクがないため雇用保険がありません。そのため退職しても失業保険をもらうことができません。

 体質や施設が古い

何を決めるのも国や自治体全体で決めることになり、教育体制や業務内容などの改善が遅くなりがちです。また、年功序列で、仕事の能力よりも年齢や勤続年数で立場が決まります。

公務員看護師といっても、働く場所や仕事の内容などは様々。転職するときは、ひとくくりに公務員看護師!と考えずに、まずはそれぞれのメリット・デメリットを見極めてみることが大切です。

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