まなび
  • 公開日: 2018/5/11
  • 更新日: 2018/12/13

「熱傷」の看護事例を見てみよう

臨床看護シミュレーションアプリの「ほすぴぃ」では、様々な疾患を持つ患者さんの臨床看護を体験できます。 ほすぴぃは医療者完全監修☆本格的に楽しく学べるのに、なんと無料! ここでは熱傷の患者さん、琴音ちゃんの入院前看護を少し覗き見してみましょう。
こんにちは! わたしの名前は「こなす」、ほすぴぃで看護師さんに寄りそうプリセプターのような妖精のような存在。 これからよろしくね! まず、基本的なことを確認しよう。 看護過程で大切な「SOAP」。何か分かる? 【S】主観的情報。患者さんの話など。 【O】客観的情報。観察・検査など。 【A】アセスメント。分析・評価。 【P】看護計画。 それではこの患者さんの入院前の様子を見ていこう!
 

熱傷の患者さん「琴音ちゃん(1歳)」

ウギャーッ!!
母「子どもがテーブルに手をかけて熱いお味噌汁が入ったお椀をひっくり返してしまったんです。私は台所で朝食を作っていて少し目を離してしまって…。」
自宅の近くに病院があり、患児を抱えた母親が救急外来を受診。
前胸部と右前腕に発赤と一部水疱形成あり。 医師が創部に軽く触れると激しく泣く。
体温:37.6度 呼吸:36回/min 心拍:120回/min 血圧:90/60mmHg SpO2:98% 体重:12kg 身長:78cm
この状況と同じ状況設定問題が国家試験に出てるよ。
🍸 解いてみよう! 琴音ちゃんの熱傷の受傷深度として考えられるのはどれ?

①I度

②浅達性II度

③深達性II度

④III度

 
解説するね。 [1](×)I度は発赤と疼痛がみられる。 [2](○)浅達性II度は、発赤と水疱、疼痛がみられる。 [3](×)深達性II度は、水疱の底が白く、ほとんど痛みはない。 [4](×)III度は潰瘍があり白い。痛みはほとんどないよ。
全身が真っ赤な日焼けなどⅠ度熱傷だけの広範囲熱傷であれば死亡することは基本的にはない。 Ⅱ度やⅢ度熱傷で、熱傷の面積が広いほど予後が不良で死亡率も高いよ。
Ⅱ度・Ⅲ度熱傷では、皮膚がすぐに再生できなかったり、壊死したりして感染しやすくなる。 それが敗血症などの原因になるんだ。
熱傷面積を測定しよう!
熱傷面積の測定法でよく使われるのは以下の4つ。 ■9の法則 ■5の法則 ■手掌法 ■Lund & Browderの法則
 
9の法則・5の法則・手掌法は簡易的な方法で初期評価として使用される。Lund & Browderの法則が最も正確に測定できると言われているよ。
9の法則・5の法則は、身体を区画して数字の倍数で評価する方法。 9の法則は成人、5の法則は幼児・小児の評価に使われる。
熱傷指数の計算方法は分かる?
熱傷指数の計算式。 『Ⅱ度熱傷面積×1/2+Ⅲ度熱傷面積』 10~15以上:重症 40以上:死亡率が60%を超える 70以上:救命困難
 
熱傷面積(5の法則):30%以下 熱傷指数(BI):15
琴音ちゃんは熱傷指数が15だから重症と言えるね。 熱傷予後指数の計算式は分かる?
熱傷予後指数の計算式。 『熱傷指数+患者年齢
 
熱傷予後指数:16
創部の処置と経過観察のため入院となる。 処置室にて点滴静脈内注射開始。 医師にて水疱内浸出液除去と創部の軟膏・皮膚保護剤貼付処置実施。
どんな点滴や軟膏、皮膚保護剤を選択すればいいのかな?
点滴は脱水傾向や腎機能が不明な点を考慮して、1号液(開始液)の低張電解質輸液が選択されることが多い。 軟膏は抗生物質(ゲンタシン)、消炎・保湿(アズノール)、血行促進(プロスタンディン)を混合したものなどが処方されるよ。 皮膚保護剤は創部の浸出液を吸収して、湿潤環境を保つドレッシング剤(メピレックスライト)などが選択されるんだ。
 
今回の事例では、熱傷の治療とともに、乳幼児の特徴についても詳しく学習していこう。
🍸 解いてみよう! 国試問題に挑戦! 子どもの発達、発育で正しいのはどれ?

①身体各部の発達の臨界期は一定である

②脳神経系は乳幼児期に急速に発達する

③基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう

④新生児期には遺伝よりも環境の影響が大きい

 
解説するね。 [1](×)臨界期とは器官や機能の成長・発達に重要な時期のこと。感受期とも言われる。臨界期は身体各部により異なる。 この時期に経験や刺激の因子がないと正常に成長・発達しないことがあるんだ。 [2](○)スキャモンの発達曲線からみると、脳神経の発達は乳幼児期に約80%ほど発達するよ。 [3](×)発達は、頭部から脚部の方向へ身体の中心から末梢へ、一定の順序と方向性があるよ。 [4](×)新生児は機能的・生理的に未熟で、母胎からの免疫能が主となっている。遺伝的な影響が大きいんだ。遺伝因子としては、民族、性別、家系など。でも環境適応能力も低いから環境の影響も受けやすいよ。
🍸 解いてみよう! さらにもう1問。 エリクソンによる幼児前期の発達課題はどれ?

①基本的信頼

②自律性

③勤勉性

④親密性

 
解説するね。 [1](×)基本的信頼は乳児期の発達課題。 [2](○)自律性は幼児前期の発達課題だよ。この時期に自分ひとりでしたことがうまくいくことで子どもの自律感が育つ。独立的に行動することに喜びを感じるようになっていくんだ。 [3](×)勤勉性は学童期の発達課題。 [4](×)親密性は成人初期の発達課題。
🍸 解いてみよう! もう1問いってみよう! 改訂版デンバー式発達スクリーニング検査について正しいのはどれ?2つ選んでね。

①4領域について判定をおこなう

②適応年齢は0~6歳である

③判定結果は数値で示される

④知能指数の判定が可能である

⑤1領域に10の検査項目がある

 
解説するね。 [1](○)個人-社会、微細運動-適応、言語、粗大運動の4領域で発達を評価する。 [2](○)適応年齢は0~6歳。 [3](×)通過率との比較によって、正常な発達かどうかを判定する。 [4](×)知能指数の判定はできない。 [5](×)それぞれ10以上の項目がある。
エリクソンの発達課題やデンバー式発達スクリーニング検査、小児の発達過程は重要。しっかり学習しておこう。
 
入院前の情報確認は以上だよ! 入院してからの看護は「ほすぴぃ」で。 ①アプリストアで「ほすぴぃ」をインストール。 ②患者さんを受け入れてね。 ③続きの看護をしてみてね!
 

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  6. 胃がん
  7. 前立腺肥大症
  8. 椎間板ヘルニア
  9. 出産
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  11. 統合失調症
  12. アルコール依存症
  13. 乳がん
  14. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  15. クモ膜下出血
  16. 肝硬変
  17. 大腸がん
  18. 脳梗塞
  19. 子宮体がん
  20. 肺がん
  21. 急性白血病
  22. 食道がん
  23. 全身性エリテマトーデス(SLE)
  24. パーキンソン病
  25. バセドウ病
  26. 関節リウマチ
  27. 大動脈解離
  28. 境界性パーソナリティ障害(BPD)
  29. 心筋梗塞(心不全)
  30. 糖尿病
  31. 帝王切開
  32. 変形性膝関節症
  33. 摂食障害
  34. 脳腫瘍
  35. 骨肉腫
  36. 脳梗塞(せん妄)
  37. 腰部脊柱管狭窄症
  38. 認知症(アルツハイマー病)
  39. クモ膜下出血(意識障害)
 

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