「骨肉腫」の看護事例を見てみよう

こんにちは！ わたしの名前は「こなす」、ほすぴぃで看護師さんに寄りそうプリセプターのような妖精のような存在。 これからよろしくね！ まず、基本的なことを確認しよう。 看護過程で大切な「SOAP」。何か分かる？ 【S】主観的情報。患者さんの話など。 【O】客観的情報。観察・検査など。 【A】アセスメント。分析・評価。 【P】看護計画。 それではこの患者さんの入院前の様子を見ていこう！

骨肉腫の患者さん「京竜くん(19歳)」

	だいぶ前から右膝のあたりに違和感はありました。 最初は筋肉痛かなーと思ってそんなに気にしていませんでした。
	でもどんどん痛くなって腫れてきちゃって。 それで親に病院行けって言われて来ました。
	■3ヶ月前 右膝関節周囲に違和感あるが放置。 1ヶ月前くらいから疼痛増強。 右大腿外側下部に拳大の腫脹、熱感あり。 膝関節の屈伸にも違和感あり受診。
	入院にて全身麻酔下で組織生検実施。 悪性骨腫瘍。 その他の転移病巣なし。 サージカル・ステージング・システムでステージⅡBの原発性骨肉腫の診断となる。
	え、悪性腫瘍？ よく分からないけど、僕の脚どうなっちゃうんだ…。
	骨肉腫は代表的な骨の悪性腫瘍だね。

🍸 解いてみよう！
骨肉腫はどの世代に発症しやすい疾患かな？

①10代

②30代

③50代

解説するね。 [1](○)患者さんの約半数が10代と言われているよ。 [2][3](×)

骨肉腫は10代～20代の若い世代、特に小児期に発症しやすい疾患。
スポーツをしている人は、筋肉痛や成長痛などと勘違いして長い期間放置してしまうケースもあるみたい。気づいて受診したときには進行しているってことも多いんだ…。

	小中高大の学生の患者さんが多いってことだね…。 学校を休学したり、家族のサポートも長期間に渡ってしまう。 身体面だけでなく精神・社会面でも困難が多いよ。
	骨肉腫はどの部位に発生しやすいんだろう。

🍸 解いてみよう！
骨肉腫が一番発生しにくい部位はどれ？

①膝関節

②肩関節

③骨盤

解説するね。 [1][2](×)足や腕の関節の近くに発生しやすいよ。 [3](○)手足に比べては少ないよ。でも骨盤など手足以外に発生した場合は発見されにくく、かなり進行した状態で見つかることもあるよ。

一般的に骨肉腫の治療は術前後の化学療法やリハビリも含めて、8ヶ月～1年の入院期間が必要と言われているよ。

	腫瘍の縮小を期待し、化学療法開始。 2ヶ月経過後、あまり効果なし。 右下肢大腿部からの切断術を提案。
	母「なんでうちの子が。なんで…。」
	母「でも…命には代えられません。」
	本人・家族が納得した上で、右下肢大腿部からの切断術を施行することとなる。
	身長：178cm 体重：62kg BMI：19.6 WBC：3900/μL RBC：430×10000/μL Hb：14.2g/dL TP：7.2g/dL ALB：4.4mg/dL ALT(GPT)：500U/L

術前化学療法により健康時よりやや低体重。その他の検査データも基準値内ではあるが易感染傾向にある。

	レントゲン診断、CT、MRI、骨シンチ実施。 患部以外に問題なし。
	今回は化学療法については詳しく学習しないけど、悪性リンパ腫のねず道さんとか他の患者さんで学習してみてね。

🍸 解いてみよう！
がん化学療法の特徴についての説明文で正しくないものは次のうちどれ？

①術前に主病変以外の微小な転移巣を治療する

②がんを小さくして手術範囲を縮小する

③術後に残っている微小な転移巣に働きかけ、再発を抑制する

④他療法と併用すると患者さんに負担がかかるため、必ず単独でおこなう

	解説するね。 [4](○)放射線療法や外科療法といったほかの治療法の効果を上げる補助療法としても化学療法はおこなわれるよ。もちろん単独でおこなわれることもある。
	下肢切断。精神的なフォローが必要なことは考えるまでもないね。京竜くんの事例では下肢切断術後の経過と、精神面の経過にも注目して看護していこう。

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