今月は、「職員駐車場は、どんな状況?」と、「突撃! ナースの里帰り⑦」をお送りします。
病院を利用する患者さんやそのご家族にとって、駐車場の安全性は大切な点です。
自動車同士がぶつかるトラブルや盗難は少なくないようですし、ときに殺人事件の現場になることもありますね。
とはいえ、日々の問題となっているのは、利用者の集中による混雑でしょう。
駐車場の空き待ちの列の車中で容態が悪化してしまうとか、なかなか空かず予約した検査を結局受けられなかったとか・・・。
また、車の列が公道にまであふれて、交通渋滞の原因となっている場合もありますね。
各病院では、駐車場の増設や、シャトルバスの運行、適所での誘導、料金の有料化、駐車場管理会社への管理委託などなど、さまざまな対応策を検討し実施しています。
とくに歴史ある街の中に立つ病院などでは、スペースの拡大ができないなど困難な条件下での検討となっているようです。
こちらのページ(http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/others/change/vol034.pdf)には、長崎大学病院の駐車場対策についての座談会が掲載されています。
読んでみると駐車場問題への真摯な取り組みがわかります。
駐車場についてどういう配慮を行っているのか、たとえば入口までの通路に屋根はついているのか、駐車券の無料化の方法を丁寧に説明してくれる人はいるのか、有料ならどういう条件で有料なのか、などなどチェックしてみると、そこに病院のカラーがあらわれているかもしれませんね。
どちらの病院に受診するか迷った場合は、駐車場にどんな配慮がなされているのか、で判断するのもよいのではないでしょうか。
さて、ナースのみなさまは職場の職員駐車場について気になっている点はありませんか?
私は数年前に、知り合いのナースAさんの話を聞いて以来、ナースの駐車場事情が気になっています。
Aさんは、地方都市の駅近くに建つ病院に勤務中です。
ほとんどの職員が自家用車でこの病院に通勤しています。
Aさんも自動車通勤で3交代勤務についているのですが、なんと、自家用車をとめている職員駐車場から職場まで、歩いて15分かかるというのです。
認識不足の私は、その遠さに驚きました。
街中とはいえ、さすがに深夜は人も少なくなり暗くなる中を、準夜勤を終えた彼女が一人とぼとぼと帰る姿を想像すると、防犯の面でとても心配になりました。
以来、講演などで各地の病院に伺った際には、できるだけ職員の駐車場事情について訪ねることにしており、その設置状況にはたいへん幅があることがわかってきました。
ある病院では、職員用の駐車場がたりなくなり、離れた畑の中に駐車スペースを確保し、そこを一部の職員が使用しているそうです。
屋根はなく、たんに地面があるだけで、夜は真っ暗なのだとか。もし防犯ベルを鳴らしたとしても、それが耳に届く距離に人はいないようです。
ある病院では3交代制の病棟の夜勤者のみ、病院玄関前の駐車スペースに駐車してもよいという措置をとっているとのことでした。
また、某病院のナースたちは準夜勤後に声をかけあって集団退勤して自己防衛をしているそうです。
巷にあふれているナースの就職情報では、職員駐車場の有無、使用料の有無、有料の場合の額などの掲載にとどまっています。安全対策を含めてくわしく職員駐車場の状況確認をして職場選びの参考にしたほうがいいかもしれませんね。
突撃! ナースの里帰り⑦
今回は、帰省先からもどるときに持たされるお土産に注目します。
アンケート結果では、持たされるものとしては「野菜」が圧倒的に多く、つぎに米や菓子、惣菜、手作り料理などです。
とにかく食べものが多いですね。
私の場合も食べ物でした。都内の住まいから茨城の実家におよそ30年帰省を繰り返したのですが、ずっと食べ物メインでした。
いつだったか、いつものようにお土産の食材を入れた紙袋を両手にぶらさげて都内の自宅に戻ったら、なんか重いなあ、と感じていたショルダーバッグの底にサツマイモが忍ばせてあり、実家の両親の気迫を感じたことがあります。
7年前に、都内からつくば市に引っ越し、実家へは車で帰るようになりました。
すると両親は、私が電車で帰省していたころの物足りなさを埋めるかのように、自宅にもどる私の車に積むは積むは、野菜、米、煮魚、煮あずき、ハム、箱入りのお茶缶、洗濯洗剤などなど山盛りです。
親というものは、子どもに与えるものなんだなあ、とブレーキをかけるときに車が重くなっているのを感じながら帰宅しています。
50代となった私は、与えてくれるのは嬉しいものの、高齢となった両親に負担をかけて心苦しい部分があります。
アンケートの回答に次のようなコメントを書いてくれた方がいました。F・Nさん(50代女性)です。
「孫(私の子供)を連れていくと母は必ず小遣いを渡します。孫も大学生とはいえ成人しているし、少ない年金暮らしなので無理をしなくてもいいのに、『死んだらやれないから』と無理やり孫に握らせます。娘の私にも『子育てにはお金がかかる、来てくれてありがとう』と交通費を私のかばんに入れてしまいます。私も子供も、そのお金を毎度仏壇や引き出しに置いて帰るのですが、数日後に見つけて郵送してきます。こちらがお小遣いをあげなければいけないのに、『お金はいくらあっても邪魔にならないよ』と。母の気持ちがとても嬉しいけれど心苦しくもあります」
イラストでは、このF・Nさんの帰省を紹介します。
いかがでしたか? 来月号もお楽しみに!