【統合】Aさん(35歳女性)は右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血の跡があり受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは夫は機嫌が悪いと暴力をふるい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけにしてください」という。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており近くに親類や知り合いはいない。Aさんには不眠や急におびえたように震えだす様子がみられた。鎮痛薬を増量したが骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいかわからず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。
リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。
1.Aさんと夫が話し合う場を設定する
2.精神科病棟への転棟を看護師長に指示する
3.リラクゼーション法による介入を受け持ち看護師と計画する
4.睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える
―――以下解答―――
(解答)3
<解説>
1.(×)暴力の加害者はその自覚がない場合が多い。またAさんが夫と話し合う場合には第三者をあいだに入れた方がよい。
2.(×)精神科転棟のアドバイスは可能だが、指示する権限はない。
3.(○)Aさんは不安や恐怖が強いために、薬物療法の効果が得られない。リラクセーション技法を試み、不安や恐怖の軽減をはかる必要がある。
4.(×)睡眠薬の増量の前に、不安の軽減に向けたケアが必要である。