【精神】Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症と診断された。Aさんは、自分がアルコール依存症であることを認めず「酒を減らせば問題ない」と言って説明を聞こうとしない。Aさんは黄疸がみられるようになったことをきっかけに、アルコール依存症の治療を受けることになった。妻は、これまで1日中酒ばかり飲んでいたAさんに対する強い不満を看護師に話した。ある受診日に、Aさんは「3か月お酒を飲まないでいましたが、昨日また飲んでしまいました」と話した。看護師は、それまで断酒を続けたAさんの努力を認めた。
次に、看護師がAさんに話す内容で適切なのはどれか。
1.「意志を強く持たないといけません」
2.「昨日はなぜ飲みたくなったのですか」
3.「3か月頑張ったから、少しくらいは大丈夫です」
4.「家族の信頼を失うようなことをするのは止めましょう」
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)アルコールには精神的な依存と身体的な依存があり、意志だけでは解決しない。
2.(○)飲みたくなったきっかけに気付くことができれば、断酒の継続につながる。
3.(×)アルコール依存症の治療は「断酒」が原則である。4.(×)すでにAさんは飲酒を反省しているので、これ以上責めてはなら
ない。