【精神】Aさん(35歳、女性)は、夫と7歳の息子、2歳の娘と4人で暮らしている。ある日、震度6強の地震が起こり、Aさんの家は半壊した。Aさんは、倒れてきた家具の下敷きになるところだったが、何とか免れ、家族は全員かすり傷程度の怪我(けが)で済んだ。被災後、家族は避難所である小学校で生活をしている。Aさんから、「7歳の息子がおねしょをするようになりました。落ち着きがなくなり、まとわりついてきます。2歳の娘の世話で精一杯なのに、息子に対してどう接したらよいでしょう」と看護師に相談があった。
Aさんへの看護師の反応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「兄である自覚をもたせるようにしましょう」
2.「スキンシップを多くとるようにしましょう」
3.「息子さんの状態は気にしない方がよいですよ」
4.「なるべく一人で行動させるなど、自立を促すようにしましょう」
5.「『怖かったね、でももう大丈夫』など、安心させる言葉をかけてください」
―――以下解答―――
(解答)2,5
<解説>
1.(×)子どもの場合、不安は退行という形をとって出現しやすい。こんなときに兄である自覚をもたせることは、子どもにさらなるストレスを強いることになる。
2.(○)子どもの退行をしっかり受け止めることが大切である。
3.(×)「おねしょ」「落ち着きがない」「まとわりつく」などは、子どもの不安が行動として表現されたものである。
4.(×)「自立を促す」ことは、不安をもっている子どもにさらなるストレスを強いることになる。
5.(○)子どもの不安に寄りそう対応なので適切である。