• 公開日: 2014/3/30
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2010年度(第99回)看護師国家試験 過去問題 午後118

【精神】37歳の女性。夫との2人暮らし。3年前の結婚を機に勤めていた会社を退職した。結婚当初から、夫の帰りが遅いことに寂しさを強く感じていた。寝つきが悪くなり、当初は350mlのビールを飲むことでよく眠れていたが、2年前からは1日平均720ml以上の焼酎を飲むようになった。半年前からは昼間でも飲酒をするようになり、飲み過ぎて記憶がなくなることもしばしばあった。10日前から食欲不振と全身倦怠感とが著しくなり、3日前から食事やアルコールの摂取ができなくなった。本日、夫の帰宅後「家の中に虫が群がっていくのが見える」と震えながら言い、裸足で家の外に出ようとしたため、夫に伴われ救急外来を受診し、即日入院となった。入院時検査で軽度の脱水と肝機能異常とが認められた。

診断で最も考えられるのはどれか。

1.せん妄

2.躁うつ病

3.強迫性障害

4.コルサコフ症候群















―――以下解答―――

(解答)1

<解説>

1.(○)3日前からアルコールの摂取はなく、離脱症状のせん妄が考えられる。

2.(×)躁うつ病は双極性の感情傷害であり、このケースでは考えにくい。

3.(×)強迫性傷害は強迫観念と強迫行動に裏付けられ、このケースでは考えにくい。

4.(×)コルサコフ症候群は記銘力、見当識障害と作話を特徴とする。アルコール依存症が進むと起こす可能性はあるが、言動から現段階では考えにくい。

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