【小児】Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著名で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP15.7mg/dl、AST(GOT)22IU/L、ALT(GPT)54IU/Lであった。Aちゃんは川崎病と診断され、入院した。アスピリンの内服とγ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。Aちゃんは妹の誕生後、母親からなかなか離れないことが多くなっていたという。最近は、妹のおもちゃを取り上げ、注意されるとすねて返さないことがあった。Aちゃんは排尿は自立していたが、入院後は失敗することが多くなった。
Aちゃんのアセスメントで適切なのはどれか。
1.退行現象がみられる。
2.自我同一性が確立している。
3.アタッチメントの形成が不良である。
4.感情をコントロールする能力の発達が遅れている。
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)赤ちゃんがえり(退行現象)がみられる。
2.(×)自我同一性の確立は青年期の発達課題である。
3.(×)Aちゃんは妹に母をとられたと不安になっている。その前提には母親とのアタッチメントの形成がある。
4.(×)2歳ではそもそも感情のコントロールはできない。