【在宅】Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。
自宅で看取るための体制として必要なのはどれか。
見舞い客の制限
訪問診療の導入
娘の介護休暇の取得
高カロリー輸液の開始
家族による24時間の観察
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)会わせたい人がいれば、会ってもらうのがよい。できるだけ見舞客は制限しない。
2.(○)看取りに向けて、Aさんの全身管理が必要になるので、訪問診療を導入する。
3.(×)娘が進んで介護休暇を取得するのはよいが、看取りに不可欠のものとして医療者が勧める内容ではない。
4.(×)高カロリー輸液は延命処置にあたるが、終末期のAさんの身体には負担が大きい。
5.(×)家族が介護や看護によって疲労しないような配慮が必要である。