看護学生時代に嫌というほど学んできた看護過程。「根拠は?」「看護問題は?」「個別性は?」とあんなに考えたのに、実際の看護の現場では…
看護過程は看護の基本だから、患者さんとの関わりでとても重要なことは看護師なら分かっていること。
なのに実際の看護の現場では看護過程に沿った看護が展開できているのは極僅かかも。その理由とは?
看護過程を意識した看護
ナース専科調べ(2022年2月28日/有効回答数:306)
約8割の看護師が「ときどき看護過程を意識している」「ほとんど看護過程を意識していない」と回答しており、その理由はほぼ同一の”忙しさ”
さらに回答からは「本当は患者さんのために、看護過程に沿ってアセスメントしたり、個別性のある看護がしたい」という看護師の本来の気持ちがにじみ出ている結果に。
理想と現実のギャップだけでなく、看護界の大きな問題にも直結しているよう。
常に看護過程を意識している
やっぱり「根拠」は大切
根拠を考慮し、考えながらケアを実施している
全ての看護ケアは計画に基づいて行っていると思っているから
看護過程がないと根拠の有る看護ができない
先を読むためには当たり前
いつも現在の状態を把握し、根拠と未来を考えながら業務に当たっているから。
常に予測するため
入院時から今後の方向性を見据えながら、日々のケアの維持や問題が有れば検討や評価をしながら必要なケアを行なっている。
看護過程を考えることは患者さんのため
看護過程を考えながら実施することが患者の為でもあり、自分自身のスキルにも繋がると思うから
看護の過程を考慮しなければ、回復へと導くことが難しいと思っているから
そうしないと、患者のゴールへ導くことができない
看護記録も効率的
看護プランに添って記録をしていたので、必ずチェックしなければならなかった。
意識してケアした方が記録もしやすいから。
記録が看護過程を活用したものだから
看護過程を「ときどき意識している」「ほとんど意識していない」
忙しいと看護過程どころではない…
忙しくて看護過程をしっかり考えながらケアをすることが出来ず、こなさなければいけない業務で終わってしまっている
忙しく、受け持ちが多いとルーチンワークになってしまい看護過程を考えながら実践する余裕がない
日々の業務に追われ、ナースコール対応やクレーム対応、患者家族対応に頭を使い、看護過程を考える余裕がない
多忙な中でも看護過程を意識するのはどんな時に?
受け持ち看護師が計画を修正するため、意識して看護するときがある。
新人を指導しているときは 過程を意識してしまう
余裕の有るときは意識している
後追いで考えることも多い
記録を書く段階で、こうだった、あそこが見れてなかった、など後追いになることもあります。
状態に合わせて行ったケアをプランにしている、後追いな状態。
記録の際に看護過程の事をふと思い出しますが先輩方のあっさりとした記録方式に則り自分自身の記録もあっさり風味です。
ケアしている間は考えていませんが、記録をしている時などは考えます。
看護過程の展開が不要な職場
クリニックなので当てはまる場面が少ない
介護施設のため看護過程までできない。
外来業務なので看護計画がない
単発や短期の仕事しかしていないため、看護過程を意識する機会が少ない
デイサービスなので計画がない。
イラスト・まえかわしお