「重大事故の影に29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」というハインリッヒの法則は看護師ならどこかで耳にしたことがあるはず。
人命に関わる業務が多い看護師はミスはあってはならないけれど、忙しい現場でとっさの対応が求められることも多く、ミスが起きる状況も少なくないはず。
そんな状況で働く看護師は実際にヒヤリ・ハットをどのくらい感じているの?
ヒヤリ・ハットと感じる瞬間と対策
ナース専科調べ(2021年9月25日/有効回答数:229)
7割超の看護師が月に1度以上はヒヤッとする出来事に遭遇しているみたい。
毎日の緊張感ある医療現場で、インシデントレポートまではいかないけど「ヒヤッ」とする瞬間とはどんな時?
そして、今日から参考にしたいインシデント回避術とは?
ヒヤリとする瞬間
実際にヒヤッとする瞬間
忙しくバタバタしたときに、焦り伝票の名前を間違えたりした
患者が車椅子からずり落ちかけているところ発見したり、注意してるが与薬時、患者を間違えそうになったりすることがある。
期限切れ薬品を使用して処置してしまった。
オペ室のため、麻薬の取り扱いや、手術器械、針カウントなどでヒヤリとすることは時々あるため。
配薬ミスがたまに。ダブルチェックで気付くけど、ヒヤリとする。
インシデントが起こりやすい時とは…
複数で確認を徹底しているが、業務が多忙時にヒヤリとする事がある
急いでいたり、業務が重なって記憶が曖昧になっていると後で心配になる
焦るとき、特定の苦手な医師がちかくにいるとき
確認したつもり、連絡ミス
時間に追われて、作業を中断後に、同僚につづきを託す場面
夜勤の終わりかけは、パフォーマンスも落ちていてヒヤッとすることがたまにある。
集中力がきれる時期がある
場当たり的な対応ではヒヤリとすることもある。
インシデントを起こさないためには
やはり確認に次ぐ確認!!
確認を注意深くするのでインシデントは少ないと思う
マニュアル確認し、更に周りに確認。
複数で確認するようにして、インシデントが起こればそれを元に改善方法を考えるようにしてきた。
おかしいと思った時立ち止まるから。そして確認したり、調べたりする。
ダブルチェックが徹底されている
独自のミス回避法
不安なこと、初めてのことはチームメンバーに伝え、自分も注意するが、周囲からも注意してみてもらっているため。
自分がミスしやすい傾向を把握して、ミスしやすい状況になったときはいつも以上に確認したり、ほかのスタッフと確認するため、インシデントは少ない
一度確認したものを時間差で再度確認してインシデントを起こさない様にしている。
人を信用しない、自分の目で確認して声に出すようにしている
以前ドキッとした事は対策を考えているから。
これまでに起こったインシデントレポートをまとめたファイルがあり、時間の空いた時にそれを読んで気をつけるようにしている。
インシデントが起こりにくい環境とは
パスの人が多いから
訪問看護で利用者様は安定している方が多くほとんど医療処置がないのでインシデントが起こりにくい環境
余り忙しくないので、一つひとつ確認して、業務を行うことができる環境
学校看護師として勤務しているが、高度な看護技術が必要なケア児が多くないからだと思う。
病棟で勤務している時はありましたが、外来になってからはほとんどありません。
外来で行う医療行為が限られているので、インシデントにつながることは殆どない
医療機関ではなく、特別養護老人ホームだから
経験年数でカバーできることも
10年もやってると一つ一つの仕事に対して確認に確認を重ねたり、もしかしたら…という危機管理能力が養われてきて先回りして予測をして対策を取ることができるようになってきた。
それでも分からない、不安、という時は必ず行動する前に上司やその専門分野に詳しい同僚、医師に確認してから行うようにしている。
キャリアが長いのでどんなことに気をつければいいか予測はできる
慣れた作業が多いので、あまりない
35年の勤務内で5回ぐらい:マニュアル作成の根拠について考える習慣が身についている
イラスト・まえかわしお