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【連載】知っておきたい お金のはなし

結婚や出産、実際いくらかかる?看護師のライフイベント別平均費用

  • 公開日: 2021/9/6

 

看護師は新卒から一定の収入があるため、20代の独身時には生活に余裕のある人が多いと思います。
ただ、今後結婚や出産をする際にはそれなりの支出がかかります。
余裕があるうちに貯蓄をしておかなければ、各ライフイベントを楽しみにくいのではないでしょうか。

 

 

今回は、独身の看護師が余裕をもってライフイベントを迎えられるようにするため、「結婚」「出産」「子育て」にかかるお金について解説していきます。
「今すぐではないけど、いつか結婚して子どもを産んだときのために、かかる費用を知っておきたい」
こんな看護師さんは、ぜひ参考にしてみてください。


 

【結婚】結納から結婚式、新婚旅行までにかかるお金は?

結婚に関するイベントごとに、かかる費用の平均を見ていきましょう。


■結婚にかかる費用【夫婦あわせて315.8万円】1)

【婚約】合計 平均58.4万円
・結納式 平均22.7万円
・婚約指輪 平均35.7万円


【結婚】合計 (自己負担額) 平均179.7万円 (a + b)
・2人分の結婚指輪 平均25.1万円 (a)
・結婚式(挙式・披露宴・ウェディングパーティ総額)362.3万円
・ご祝儀等を差し引いた2人分の自己負担額 154.6万円 (b)


【新婚旅行】合計 平均76.7万円
・2人分の旅費 平均65.1万円
・2人分のお土産代 平均11.6万円


結婚にかかる費用は、夫婦あわせて、およそ315.8万円です。
夫婦それぞれいくら費用を負担するのか、実家からの援助はあるのか? といった事情によっても、自己負担額は変わってきます。どんな状況になっても困らないように、多めに用意しておくと安心でしょう。


厚生労働省の調査によると、一般的な平均初婚年齢は夫31.0歳・妻29.4歳2)です。
結婚年齢について、看護師だから結婚が遅い・早いといったデータはありません。
ただ、東京や神奈川といった大都市圏は初婚が遅くなる傾向があり、地域による違いはあります。
都会勤務の看護師であればバリバリ働いてキャリアを重ねる人も多いため、そのぶん晩婚になりやすいのかもしれません。

 

【出産】妊娠から出産にかかるお金は?

妊娠から出産にはさまざまなお金がかかりますが、公的手当や助成金といった「もらえるお金」も多くあります。ここでは妊娠・出産でかかるお金から間接的にもらえるお金を差し引いた、自己負担額の目安を見ていきましょう。


■妊娠・出産にかかるお金【17.8万円~25.6万円】

【妊娠】合計4.2万円~7万円(自治体・医療機関により異なる)
・(もらえるお金) 妊婦健診の補助券 自治体の負担額は全国平均 10.6万円3)
・(実質的にかかるお金) 補助券利用時の妊婦健診 自己負担額の目安  3000~5000円/回×14回程度
=合計4.2万円~7万円程度


妊娠したら定期的に「妊婦健診」を受ける必要がありますが、妊婦健診は公的健康保険制度の対象外であるため、健診にかかる費用は医療機関によって違います。健診費用には妊婦健診の補助券を使えますが、補助券で助成される金額は自治体によって異なるため、自己負担額はさまざまです。
一般的には、補助券を使った自己負担額は4.2万円~7万円程度になると言われています。


【出産】合計8.6万円
・(もらえるお金):出産育児一時金 42万円4)(産科医療補償制度の対象外となる出産は40.4万円)
・(かかるお金):正常分娩分の出産費用の平均 50.6万円5)
・(実質的にかかるお金):上記出産費用から出産育児一時金を差し引いた自己負担額の目安8.6万円


【出産用品】目安として5万円~10万円
出産時には、赤ちゃんの衣類やおむつ、ベビーカーや抱っこひもなどのお出かけ用品を購入する費用が別途かかります。これらの人によってかかる費用は違いますが、5万円~10万円程度が一般的です。


上記のほか、産休・育休を取得する際は所得に応じた出産手当金や育児休業給付金を受け取れます。
厚生労働省の調査によると、第1子出生時の母親の平均年齢は30.7歳6)。結婚年齢と同様、看護師だから出産が早い・遅いといったデータはなく、ケースバイケースです。


看護師の場合は、自身の勤め先によって産休・育休の取りやすさが変わってきます。
勤め先の先輩の平均的な出産年齢や、産休・育休の取得状況を参考に、自身の出産年齢を考えてみるのもいいでしょう。

 

【子育て】子どもの教育にかかるお金は?

子どもの教育費は、どのような進路を歩ませるかによって大きく変わります。


公立と私立ではどれだけ学費がかかるのか、大学の費用はどれくらいかかるのかなど、進路と学校種別ごとの教育費の違いをまとめました。


■教育にかかる費用【1078万円~2692万円】

学校 公立 私立
幼稚園7) 65万円 158万円
小学校7) 193万円 959万円
中学校7) 146万円 422万円
高等学校7) 137万円 290万円
4年制大学8) 537万円 (文系)704万円
(理系)863万円
総額 1,078万円 2,534~2,692万円

※四捨五入しています


上記ではオール公立とオール私立で比較していますが、実際には「高校と大学だけ私立」のケースや、「中学からすべて私立」というケースもあるでしょう。学校種別ごとにかかる費用の総額を参考に、教育方針を決めるのも一つの方法です。


また、親が看護師の場合は子どもも看護師を志望するケースが少なくないようです。
子どもが看護師を志望した際、進路には看護専門学校への進学と大学進学の道があります。専門学校の学費は大学に比べやや安いものの、今は看護師の4割が大学卒となっています。


こうした子どもの進路選択は、「そのときにならなければわからない」ことでもあり、「各家庭で価値観が違う」ことでもあります。
したがって、教育費は一概にいくらかかると断言できません。
ご紹介した教育費の目安を頭に入れておきつつ、親としてどのような進路を応援するのかも考えておくとよいでしょう。


また、子育てについては以下の助成制度もあります。

■子育てでつかえる支援制度

・0歳~中学生:「児童手当金」により月額5000円~1万5000円の現金給付
※世帯所得額や子どもの人数・年齢で異なる
・3歳~5歳:「幼児教育・保育無償化」による幼稚園・保育園の利用料無償化
※所得制限なしで受けられる。給食費や園バス代・制服代などは別途必要
・高校生:「高等学校等就学支援金制度」による、公立高校・私立高校の授業料支援制度
※所得制限あり。国公立高校は授業料負担が実質0円になり、私立高校は所得に応じた授業料の軽減措置を受けられる。制服代など授業料以外の費用は別途必要


【参考】

・内閣府:児童手当制度のご案内
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html(2021年8月23日閲覧)
・内閣府:幼児教育・保育の無償化
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html(2021年8月23日閲覧)
・文部科学省:高等学校等就学支援金制度
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20200715-mxt_kouhou02_2.pdf(2021年8月23日閲覧)


特に活用しやすいのは、0歳から15年間受け取れる児童手当金です。
所得制限に引っかからなければ、15年間で200万円ほど受け取れる計算になります。教育費について不安がある場合は、児童手当金を元に貯蓄性のある保険に加入すれば、強制的にまとまった教育費を準備できるでしょう。

 

20代からそれなりの土台づくりを

結婚・出産時には数百万円もの費用がかかります。
さらに子育てが始まると、子どもが大学を卒業するまで毎年数十万円~数百万円もの教育費がかかり続けるのです。


看護師は収入が安定しているといわれますが、数百万円もの費用をそのときの収入だけで支払うのは困難でしょう。各ライフイベントを楽しく無理なく迎えるためには、20代独身の間にできる限り資産の土台を作っておかなければなりません。


今はまだ結婚や出産を考えていなくても、資産があればそれだけ未来の可能性は広がります。
20代の資産形成では、以下3つのステップで始めてみてください。
1.働けなくなったときの備えとして、3ヶ月~6か月分の生活費を預貯金で確保しておく
2.出産や病気になったときの備えとして、医療保険に加入しておく
3.貯蓄性の高い保険やつみたてNISAで、将来の資産作りを始める


1と2は、万一働けなくなり、収入が途絶えてしまった際のリスク対策です。看護師であれば病気やケガのリスクは常に実感しているはずですが、若いと「まだ大丈夫」と思うかもしれません。ただ、資産形成においてリスク対策は必須です。預貯金と保険でしっかりリスク対策をしたうえで、3の資産作りに移行するようにしてください。


保険の選び方やつみたてNISAで迷ったら、保険やお金の専門家であるファイナンシャル・プランナーへ相談してみましょう。専門家のサポートがあれば、自身のライフプランに適した保険や投資商品を選択しやすくなります。


20代から少しずつ準備を始めておき、今後のライフイベントを楽しく迎えられるようにしてください。

 

 

出 典

1) リクルートマーケティングパートナーズ:ゼクシィ結婚トレンド調査2020年首都圏.3)結婚費用の総額,p.39.
https://souken.zexy.net/data/trend2020/XY_MT20_report_06shutoken.pdf(2021年8月23日閲覧)
2) 厚生労働省:令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html(2021年8月23日閲覧)
3) 厚生労働省:妊婦健康診査の公費負担の状況について(平成30年4月1日現在).
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000552443.pdf(2021年8月23日閲覧)
4) 厚生労働省:出産育児一時金の支給額・支払方法について.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shussan/index.html(2021年8月23日閲覧)
5) 国民健康保険中央会:正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度).
https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/lib/h28nendo_syussan1-4.pdf(2021年8月23日閲覧)
6) 厚生労働省:令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html(2021年8月23日閲覧)
7) 文部科学省:平成30年子どもの学習費調査の結果について.表2 幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額.
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf(2021年8月23日閲覧)
8) 日本政策金融公庫:令和2年度「教育費負担の実態調査結果」.図-6 高校卒業後の入学先別にみた卒業までに必要な入在学費用.
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf(2021年8月23日閲覧)

 

この記事を書いたのは

服部 椿
金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。
子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン記事の執筆が得意。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

記事監修:株式会社ファーストプレイス

イラスト:tetekun




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