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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第27回 利用者さんや家族の思いを汲み取りたい

  • 公開日: 2017/9/28
  • 更新日: 2020/3/26

 

今回の主役は”ケアプロ訪問看護ステーション東京”、今春の新入社員である、田川晴菜。 大学病院で多くの患者を看取ってきた彼女の想い、そして理想とする看護について、その熱き胸の内を語ってもらった。


医療一家の家に生まれて

祖父が獣医、父が歯科医、母が看護師という家に生まれました(ちなみに今では、姉も医師、双子の妹達も看護師です)。

幼い頃、病気になった時、母が看護師ならではの看病をしてくれたことや、小学校から通っていたカトリック系の学校でマザー・テレサやナイチンゲールの話に影響を受けたことで、看護師という仕事に興味を持ちました。またボランティア活動の経験も多く、自然と看護の道を志していました。

高校生になり、進路説明会などでは、やはり主として病院について紹介されるのですが、看護師の働き方について色々調べていくなかで、「ここまで患者さんのことを深く考え、病気と向き合い、その家族の環境も整え、最期を看取ることもある、この看護師という仕事をもっと色々な場で応用したい!」「病院以外でも様々な場や分野でもっと活躍できるはず!」と思い、さらに一歩踏み込んだ働き方をしようと考え、それに合わせた大学へ進みました。

大学時代だけで6回も救急車要請

大学生時代に、目の前で事故が起きたり、人が倒れたりするなど、私生活において救急車を要請することが6回もありました。その中で強く印象に残っているのが、オートバイ事故で亡くなってしまった方です。

当時、大学3年生で事故を目の当たりにし、何も助けることができませんでした。その後、事故現場に花を手向ける悲しそうな遺族の姿を見たときに、事故に遭われた方への処置はもちろん、その家族へのケアを医療の現場でどのように行えるのかを学ばなくてはならないと思いました。 そこで大学卒業後は、附属病院で第三次救急に就きました。しかし同時に「看護師ではなく、医者になったほうが良いのだろうか……」という迷いも出てきてしまい、それを確かめたいという気持ちも湧いてきました。

患者さんと家族の想いを汲み取りたい

けれど病院に勤め出し、看護の倫理や看護の研究を行い、患者さんとの関わりを深めていくと、医師になろうかと考えたときもありましたが、改めて看護師という職業の魅力に気づきました。また、「家族ケアチーム」というものを作り、患者さんとその家族の心のケアを研究したことも影響したと思います。

こうして、病院で亡くなる患者さんを何度も見てきて、自分の両親のことを考えてみると、「自宅で看取りたい」と思いました。また、退院していった方たちのその後の姿が見えにくく、気になっていました。 なかには、救急で搬送されてしまったがゆえに、機械につながれ無機質な病室で、ただただ死を待つだけの患者さんもいました。「最期を自宅で迎えたい」という、本人や家族が願っていても叶わない状況を見て、とても歯がゆかったのです。

大学時代からのご縁で

ケアプロ代表の川添との最初の出会いは、大学生のころでした。看護学生として、患者さんに病院での待ち時間を楽しんでいただけるよう、看護師の魅力を伝えるフリーペーパー誌の作成活動をしていたときでした。さらにしばらく後に参加した、ある研修で川添と再会し、交流が始まりました。

病院勤めも3年目に入り、ちょうど次の将来について考えていたとき、川添から在宅看護をやらないかという話をもらいました。改めて、「人や社会にとって、本当に必要なことをする」という考えに感銘を受け、ケアプロなら自分が理想とする看護が実現できると思いました。

実際入ってみると、やりたいことが全て詰まっているといった環境で、幸せでを感じます。利用者さんに密接に関わる分、ご本人はもちろん、家族のプライベートゾーンであることを強く意識し、気を付けなければならないことなど、病院での対応の仕方との違いや注意もありますが、利用者さんそれぞれの要望に応えて対応し、喜んでいただけることは大きな喜びです。

そして、スタッフのモチベーションの高さにも刺激を受けています。毎日、利用者さんのことを第一に考え、立場の垣根なく話し合います。皆、「やりたいこと」を「理想」として語るのではなく、「やれること」として語っています。

もっと在宅看護を充実させたい!

今後の夢は、医者からは止められても「自宅に帰りたい」と願う患者さんに可能な限り対応できるよう、在宅看護を充実させたいと思います。ホスピタリティ精神を大事にし、ホテルで受ける気持ちの良いサービスのような看護サービスを行うことができればと思います。

常備している血圧計を片手に、訪問に出かけていく田川さんの写真

常備している血圧計を片手に、訪問に出かけていく田川

※次回は、沖縄出身の新人、山川さんのインタビュー、月曜配信です。

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