コラム
  • 公開日: 2018/12/13

【連載】ナースの転職知恵袋

【看護師のリアル転職体験談 53】一般病院内科看護師から訪問看護師へ

1.不妊治療のために夜勤のない仕事へ

私は一度社会人を経験してから看護大学へ行きなおしました。景気が良くなかったため希望の仕事に就くことができなかったことから、景気に左右されにくい看護師の資格を取ることにしたのです。

大学卒業後は付属の大学病院に勤めていました。寮で生活をしていたので、自然と仕事に集中するようになりました。そのまま独身でいくかと思っていたところ不意に出会いがあり、結婚をすることになったのです。

当然、寮を出ることになったのですが、最初は通勤に慣れずに大変でした。新居からは通勤に1時間以上もかかっていたので、通うだけで疲れが倍増したような気がして、転職することにしたのです。

結婚をあきらめていたのに、いざ結婚をすると、子供が欲しくなるのは不思議です。40歳に近い年齢でしたから、ゆっくりしている時間はありませんでした。しかし、こればかりは努力ではどうすることもできません。とにかく、妊娠しても働き続けることができるように、転職先は託児所が完備されている総合病院を選びました。

外来を希望したのですが、あいにく外来のスタッフは足りているということで病棟にまわされてしまいました。病棟勤務をしながらでも妊娠している人はたくさんいますし、私自身が夜勤を負担に感じることもなかったので、妊娠への希望を抱きつつ、仕事を続けました。

しかし、妊娠する兆候は一向にありませんでした。自分自身の焦りがよくないのか、環境の変化がストレスになっていたのか、なかなか妊娠しません。結婚後すぐにでも子供が欲しかった私は結局、不妊治療を受けることにしたのです。最初はそれもうまくいかず、お金と時間ばかりをムダに費やしているような気がしていました。

不妊治療のドクターからは、『必ずしも夜勤が原因とは言い難いが、夜勤のない仕事に変更できるのならそれが望ましい』と言われて悩みました。職場の人間関係は良好でしたし、仕事にも特別不満があったわけではないので、子供は諦めてこのまま仕事を続けていくのも悪くないかも…と思い始めている自分がいました。

夜勤のない仕事に転職したけれど、子供はできない、働きにくい、という最悪のケースを想像してしまうと、転職への一歩を踏み出せません。そんなときに夫から、できる限りのことをしないで子供を授かれなくても後悔をしないか、と問われました。転職先が良くないところであれば、また転職すれば良いのではないかとも言われ、それもそうだと気持ちを切り替えることにしたのです。

2.前の医院を退職してから、新しい医院に転職するまでの流れ

STEP1:新しい転職先を探す

先に仕事を辞めるべきかどうか迷いましたが、仕事は続けながら求人情報に目を向けました。夜勤のない仕事で、できるだけ自宅に近いところという2点に絞って求人をピックアップしてみたのです。時間があるときに、インターネットをチェックしたり、新聞の折り込み広告を確認したりしました。

STEP2:転職先を絞り込む

クリニックの仕事、一般病院での外来の仕事、訪問看護が候補にあがりました。電話をして、具体的に話を聞けるところには聞いてみました。一番将来性がありそうなのは訪問介護では?と思ったので、まず訪問看護の仕事の面接に行くことを決めました。

STEP3:面接をして採用が決定

電話で面接の予約して、見学を兼ねて出かけました。履歴書は面接の日に持参しました。小さい事業所ですが新しくて感じが良いところだと思ったので、そのままそこで働くことを決めました。

STEP4:辞めることを現在の職場に伝える

前の職場で勤務表が出てすぐだったので、そのまま勤務表の仕事はこなしてから辞めることを伝えました。次の仕事が決まっていることは言わずに、不妊治療に専念すると伝えました。次の職場は翌月からということになりました。

3.転職してみて感じたこと

新しい職場が自分に合っているかどうかは、実際に働いてみるまでわからないものです。見学は一応しましたし、その場にいたスタッフの人たちとも挨拶を交わしましたが、スタッフの仕事に対する姿勢や考え方まで挨拶だけではわかるはずもありません。働く前にわかることとは勤務形態や大まかな仕事内容ぐらいです。ある意味、『賭け』みたいなものだと思いました。

夜勤のない仕事に就いてみて、夜勤の仕事は自分が感じている以上に心身に負担がかかっていることがわかりました。子供の時からお腹を壊しやすかったので、便秘や下痢を繰り返すのは体質だとばかり思っていたのですが、夜勤をしなくなってピタリとなくなったのです。今では嘘のように快調快便の毎日です。結局、妊娠にも成功して、今は仕事と妊娠生活を満喫しています。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

◎良かったこと(1):夜勤をする必要がない

日勤だけで訪問看護をしているので、自分自身の生活リズムを作りやすくなりました。もともと体調が悪いという自覚はなかったのですが、夜勤をしなくなって身体の調子が良くなったと感じたことはいくつかあります。不妊治療をしていたので、規則正しい生活を行えたことやストレスフリーな生活に近づけたことは大きなメリットでした。

◎良かったこと(2):通勤時間が短い

今回の転職では、出産後のことも考え、より自宅に近い転職先を探しました。通勤ラッシュにゆられたり、人混みのなか早歩きをしたりする必要がありません。今は自転車で通っていますが、徒歩で通うこともできる距離です。

お腹が大きくなってきた時のことを考えると、本当に良かったと思います。仕事帰りには、スーパーに寄って夕食のメニューを考えることもでき、私生活と仕事とのバランスがとても良い感じになっています。

△悪かったこと(1):将来が不安

小さい事業所なので、経営状態が不安です。マネージャーや経営責任者との意見にも同意できないことがよくあり、働きにくさを感じることが少なくありません。訪問看護そのものはやりがいのある仕事だとは思いますし、日本はどんどん高齢化が進んでいるので、訪問看護の需要は高まると考えています。事業所によって働きやすさは違うかもしれないと、今後、時間のある時にいろいろ調べてみたいと思っています。

△悪かったこと(2):平日の休みが減った

以前の病院の3交代だと平日に休みがあるので、自宅の大掃除をしてみたり、音楽を聴いてゆっくりしたり、自分の好きなように時間を使うことができました。今は、カレンダー通りの休みになったので、夫とすべて休みが重なっています。夫と出かけたりするには良いのですが、自分一人のためだけに時間を使うことができなくなったのは少しストレスです。

5.不妊治療のために夜勤のない仕事へ転職して妊娠!

夜勤は自分で考えている以上に身体には負担があるようです。不妊治療をしていて、できたら夜勤のないところで働いた方がよいと言われましたが、半信半疑でした。でも、夜勤をやめたら、体質だと思っていた便秘が治ったり、食欲がコントロールできたり、良いことばかりなので、やはり夜勤で負担がかかっていたのだと思いました。

また、妊娠にも成功しました。転職先に選んだ訪問看護は高齢化に向けて需要が伸びると思っています。やりがいは感じていますが、職場によって働きやすさに違いがあるのかどうか?今後、見極めていきたいと思っています。場合によってはさらなる転職をすることもあるでしょう。

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