コラム
  • 公開日: 2018/11/5

【連載】ナースの転職知恵袋

【看護師のリアル転職体験談40】一般病院の混合病棟から、回復リハの単科病院へ

1.サービス残業の多さ、業務量の多さに疲れてしまい、転職を決意

私がそれまで務めていたのは、様々な診療科の患者が同じ病棟にいる、混合病棟でした。骨折のおばあちゃんの隣は若い患者さんという具合に、一般内科から整形外科まで、幅広い診療科および年代の方々が入院されていたため、看護師の業務量は膨大となり、毎日遅くまで残業していました。

疲労が蓄積していく中、ある時家にいると、突然涙が止まらなくなってしまいました。なぜ自分が泣いているのか、理由はわかりません。でもなぜか、涙が止まらなくなってしまったんです。

このとき、直感で「このままあの病院に勤務し続けていたら、私はきっとダメになる」と思いました。そしてそのまま気がつくと、私はインターネットで検索をしていたのです。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

精神的な限界を感じた私は、早速行動を開始しました。その行動は今振り返ってみると、もう少し立ち止まった方が良かったのでは?と感じてしまうものです。私のような後悔をしていただきたくないので、今回はあえて包み隠さずお伝えできればと思います。

STEP1:よくわからないまま、斡旋企業へ登録

理由もなく号泣していた私は、そのままインターネットで「看護師 転職」と入力していました。そしてそのままの勢いで、一番上にあった斡旋企業へ登録を済ませてしまいました。「いつ転職したいですか?」という質問項目に対して、「なるべく早く」と選択してしまったことが、後の私の選択を大きく狂わせてしまいました。

STEP2:担当者からの言葉に焦る

登録した翌日、斡旋企業の担当者から連絡がありました。その担当者から紹介されたのは、交通の便があまりよくない場所にある、回復リハの病院でした。
「ここ、最近出た求人なんです。とても人気なので、すぐにいっぱいになっちゃうんですよ。運が良かったですね!今すぐ応募すれば、まだ間に合いますよ」あまりに熱心に勧められるので、私も単純に「そんなにいい求人なんだ」と思ってしまいました。

そして深く考えず、「とりあえず応募だけしてみるか」と担当者さんへ応募しますと答えてしまいました。

STEP3:あっという間に面接日、そして採用通知が届く

担当者さんはすぐに、私の休日に合わせて面接日を設定してくれました。言われたとおりに履歴書を用意して、面接日当日も担当者さんのアドバイス通りに質疑応答することで、すんなりその場で内定をいただきました。

面接から2日後、内定通知が届いたことでやっと「私は転職先をもう決めたんだ」と実感したのですが、斡旋企業へ登録してから採用通知をいただくまで、わずか2週間で終わってしまったことに対し、若干の不安をこのとき初めて抱きました。

でも、そのときはすぐに「まぁ、看護師は売り手市場だというし、そんなものなのかな」と思い直しました。

STEP4:師長へ転職することを伝えたら、ものすごく怒られる

採用通知をいただいた次の日、私は師長へ退職することを伝えました。すると師長は「何言ってるの?先月の面談では転職の意向はないって言ったじゃない。面談内容に合わせて異動とか人事配置を検討しているのに、今急に言われたって困るわよ」とものすごく怒られました。

確かに、先月の面談では転職を考えていませんでしたので、職場を混乱させてしまったようです。それからお説教は1時間以上続きました。「あなたは社会人として最低だ」という言葉とともに、私はやっと解放されましたが、話を聞いている間ずっと「やっぱり少し急ぎすぎたかな」と後悔の気持ちも出てきました。

STEP5:退職日でもめてしまい、早速転職先に迷惑をかけてしまう

採用面接において、私は何も考えず、「1ヶ月後から働きたい」と伝えてしまいました。しかし、それまでの職場では基本的に退職時は3ヵ月前に知らせることが原則となっていたため、退職が認められたとしても、2ヶ月もかぶってしまいます。

「法律では2週間前に伝えれば良いとなっている」ことを武器にすればいい、と斡旋企業の担当者さんからは言われましたが、師長は「規則は規則だ」といって譲りません。

結局、退職日で大いにもめ、3ヶ月後でないと退職と認められなかったため、転職先に謝った上で就業開始日を延ばしていただくことになりました。「ちゃんと規則を確認してから、転職すれば良かった」と私は心から後悔していました。そしてこのことがきっかけとなり、転職先で働く今も、この件は大きなしこりになってしまっています。

3.転職してみて感じたこと

今回の転職を一言で表すならば、「思いつき」です。涙があふれて止まらないことをきっかけに転職を決意した私ですが、今こうして振り返ってみると、行き当たりばったりすぎて、多くの人に迷惑をかけてしまいました。

いくら売り手市場の看護師だといっても、こんな思いつきだけでの行き当たりばったりで動いてしまっては、周囲に良い印象を与えられるわけがありません。もっとしっかり計画をもって、じっくり転職活動を行えば良かったと今は後悔しています。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと:お給料がUPした

今の職場は、前の職場に比べて、月々のお給料額としてはほぼ変わらないものの、ボーナスの水準がとても高いので、結果としてお給料はUPしました。
ただ単に今の職場から逃げ出したいと思って行った転職活動でしたが、この点は思わぬ嬉しい効果でした。

△悪かったこと(1):休日が少なくなった

前の職場は4週8休でしたが、今の職場は4週6休なので、単純計算でも1ヶ月あたり2日以上休みが少なくなりました。サービス残業は少なくなりましたが、休みの日が少なくなったことでリフレッシュできる日が少なくなり、精神的な負担としてはそんなに大きく変わらないという印象です。

△悪かったこと(2):通勤時間が長くなった

今の職場はとにかく交通の便が悪い場所にあります。これまでは電車で1本&駅から徒歩圏内に病院があったので、通勤時間は30分ほどで済みましたが、今は電車にバスを乗り継がないとたどり着けないため、最低でも1時間、バスの乗り継ぎが悪いと1時間半以上かかってしまいます。

業務量の負担は減りましたが、この通勤時間の倍増によって体力面では負担がむしろ増えたように感じています。

5.売り手市場の看護師といえども、安易な転職は思いとどまった方がいい

看護師は、求人倍率が一般の職業よりも高いため、売り手市場だと言われています。そのため、嫌なことがあるとすぐに「転職しようかな」と考えてしまう方も多いと思いますが、私の経験上、それは絶対にやめた方がいいと思います。

辞めたいという思いだけで行動してしまった結果、私は今、この転職をとても後悔しています。確かにあのまま勤務し続けていたら、心身ともに大変になっていたかもしれませんが、せめてあのときもう少し慎重に転職活動をしていれば、もう少し良い条件の職場で働けたのではないか、と思ってしまうのです。

今の職場は交通の便の悪さから、退職者が後を絶たず、常に求人を出していると後から知りました。あのとき担当者が「人気の職場」「早く決めないと」と言っていたのは、事実ではなかったのです。斡旋企業を使う時は、ぜひしっかり自分で調べるとともに、担当者の言葉は参考程度にとどめていただけたらと思います。皆さんにはぜひ、私のように後悔しない転職をしていただきたいです。

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