外からは分かりにくいブラック病院を見極めるには
職場環境の悪さに耐え切れず、転職を希望する看護師さんも多くいます。中には「ブラック病院」と呼ばれる職場も。休日・休憩なしの勤務体制やサービス残業、パワハラや、業務自体に問題があるこの病院の実態は、なかなか表に出てこないもの。外からは選定がむずかしいのが現状です。
『ナース専科コミュニティ』の掲示板にも、ブラック病院についてのコメントが数多く寄せられています。転職する際には、注意したいところですが、実際、ブラック病院に入職しないようにはどうしたらいいのでしょうか。
ブラック病院の特徴とは?
掲示板には、「ブラック病院」と疑われる事態が起きている職場の実態が、数多く寄せられています。例えば、監査の前に、准看護師が正看護師を装ったり、普段使っているベッドが隠されたり、その日だけ清掃が行き届いていたりする職場。中には、「投書箱に服薬ミスを指摘した投書があった」という信じがたいことが起きている職場こともありました。
また、そして休日出勤や残業で賃金が払われない、スタッフの悪口大会が行われる、バイオハザードマークの色分けを知らない管理職がいるなど、これ以上働くに耐えられないという看護師さんも少なくありません。
そもそもブラック病院の定義とは?
「ブラック病院」には、はっきりした定義はありませんが、みなさんのコメントをまとめると、次の2つのタイプがあるようです。
・職員に対するブラック
・患者さんに対するブラック
職員に対するブラックについては、看護師が健康で安全に働き続けられるよう、日本看護師協会によって、懸命に労働環境改善の推進が行われています。
しかし、慢性的な看護師不足や事業所の経営状態などが原因で、改善に時間がかかる職場も少なく、まだまだ課題が残ります。
また、恒常的なケアの手抜きや、医師の数が足りていないなど、患者さんに対するブラックについては、患者さんへの悪影響はもちろん、結果として看護師にとってもブラックな内容に。なぜなら、患者さんへリスクがあること自体、自分の看護感や、倫理観に合わないと感じる人が多いと思われるからです。
みんながつらいと感じるのに、なぜブラック病院はなくならない?
看護師や患者さんなどあらゆる人たちがつらいと感じている中、なぜブラック病院はいつまでもはびこっているのでしょうか。
掲示板では、次のような理由が挙げられています。まずはそれらの病院でも、患者さんのニーズがあるから。そして、そこで働く人のニーズがあるから。外から見ればブラックではあるものの、そこで働く立場としては、それほど悪い条件ではないと感じる人もいるようです。また、不満を持っていても愚痴を言うくらいしかできない職員が留まっていることや、職員が辞めても、誰彼構わず雇って、存続していることなども、ブラック病院がなくならない原因なのではないかという意見が寄せられていました。
勤務する人の倫理観にも原因が?
掲示板のコメントの中には、「条件の良い悪いは勤務する人の価値観じゃないでしょうか?」というものがありました。
法令に遵守できていない病院などは、誰から見てもブラックではありますが、それよりも実際に、ブラックであるかどうかの基準は、看護師それぞれの価値観や求めるものに左右される割合が大きいようです。
自分の価値観や看護感、ライフスタイルに合わない職場は、心身ともに疲弊させるだけなので、転職を選んでみるのも良いのではないでしょうか。
今の職場で働くことがつらいと感じたら、ぜひ一度、「ナース人材バンク」のコンサルタントにご相談ください。あなたが幸せになれる転職を、一緒に考えていきましょう!