編集部セレクション
  • 公開日: 2020/4/9
  • 更新日: 2020/5/18

自ら命を絶ってしまった患者さん。精神科ナースができる事って?

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
患者がトイレで首つって自殺しました。
経験したのは2回目で1回目のときに、もっと関わりを持てば良かったと悔いたのに、それを実行できなかった。
自分が情けない。精神科の患者に怒られ、妄想をもたれ、薬は効かない。先生も、どうしようもない。家族は非協力的。この人たちの生きる意味ってなに?
「世の中のお荷物。税金泥棒が1人死んだと思えば良い」先輩看護師の一言に、吐き気がして明日から仕事に行くのがしんどい。
精神科の看護師さんは、何を思って患者をどうしたくて関わりを持ってますか?モチベーションのあげかた教えて下さい。

 

精神科看護と患者さんの自殺

■精神科の患者さん

社会的入院という「引き取り手のない患者」も大勢いる

家族から拒絶され、病気にも悩まされ…。
病気のせいでやれることが少なくなって、自尊心も低下していく。そんな患者さん、多いです。

閉鎖病棟で何十年と入院している人だったり、面会も数えるほどしかなかったり、社会的入院が少なからずあります。

■患者さんの自殺、経験ありますか?

受け持ち患者さんが首を吊られ亡くなりました。約2年の関わりがあり、朝の配薬時にも他愛もない世間話をしました。その数時間後のラウンド後の隙をつくように行動に移されました。
2年も関わりを持っていて気づけない、世間話の中にきっかけを作ってしまったのかも知れないと自分を責め、看護師たる資格は無いと病みました。それから数年が経った今も忘れません。

私も同じ経験をしたことがあります。
初入院の方で夜勤中、退院出来ないなら死んでやると。消灯になり深夜のラウンド時ベッドに姿はなくトイレで…。
病棟のトイレに対しトラウマになり、しばらく開けることも出来ず、今でも見ると思い出してしまいます。防ぐことが出来なかったことを悔やんだり自分を責めたりとても辛かったです。

私も前月、夜勤で患者さんが部屋のクローゼットで首を吊っているのを発見しました。
紐がゆるかったため患者さんは助かりました。
行動化の前に何度も眠れないと訴えていた患者さんの辛さに寄り添えなかったこと、アセスメント不足だったことを痛感し一ヶ月経った今でも心のなかで何かが止まっています

患者さんの自殺は2回ありました。15年経った今でもよく覚えています。
急変や看取りで亡くなった患者さんが多いのに、名前もその日の出来事も覚えているのはこの2回です。

自分もこの前、縊死を発見、立て続けに無断離院後の飛び降りを経験しました。
どれだけ関わっていても、止められない事はあります。
何故?と考え出してしまうとどんどん深みにはまりました。モチベーションは上がりませんし、看護師を辞めようかとも思いました。

■気持ちを保つためには

働いている限りそのような場面に遭遇するのも看護師。割り切らないといけないと言い聞かせて働いています。

モチベーションを上げる方法は私にも分かりません。 ただただ今も祈っています。
その人の誕生日が近づくと空を見上げることが多くなります。 天国には行けた? 私は忘れてないよ、と心で言葉かけてます。

「死の原因は、本人にしか分からない。誰の責任でもなく、ある意味、身勝手な行動である。だからあなたは何も悩み苦しむ必要など1つもない。」とあるホスピスの先生からメッセージを頂きました。 そのメッセージは、今でも私の心の支えとなっています。

■精神科ナースとしてできること

私は味方でいたい、自分に自信をもってほしい、悲観的な人生じゃなく少しでも自分の人生を良いものにできるよう援助したい、そう思ってます。

精神科で入れ込むと自分が壊れてしまいます。看護の心は大事ですけど、距離が取りづらいのが精神科。帰るとこがない患者も、毎日笑顔で過ごせれば十分だと思って働いてました。

死を受け入れながらも今を生きる人達に尽くすことでしょうか。 死に慣れる事は出来ません。

看護師として以前に一人の人間として患者と関わるようにしています。

患者も精神科疾患を抱えて生きる上で、様々な生きづらさを抱えながら生活しています。 そうした患者の苦悩、精神医療に対する偏見の中で、精神看護スキルを高め自身の仕事に誇りを持てるようになることが一番大切なことではないかと考えております。

事故トラブルを未然に防止するためにも、スタッフと患者さんがお互いにみつにコミュニケーション取る事が重要で、精神看護の中でも一番重要な業務だと思います。

自分に時間がないときでも、手の空く時間を約束をし必ず話します。この様な積み重ねが患者さんとスタッフの強い信頼関係に繋がり、トラブルや事故防止に繋がると考えます。

関連トピック:「 精神科内科でトイレで自殺。
イラスト・なしま

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