• 公開日: 2020/3/23
  • 更新日: 2020/5/1

よく聞く「看護師は高給取り」はホント?他の職業と比較してみた!

「看護師は給料が良いんでしょ?」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。 一方で、退職理由に「給料が安い」「給料が見合わない」という声もよく耳にします。 今回は、看護師は本当に高給取りなのか、他の職業との年収と比較していきます。

 

看護師の平均年収は500万円弱!男性は平均を下回り、女性は平均を上回っている

まずは、看護師の平均年収を見ていきましょう。 看護師全体の平均年収は479.9万円です。 男女別に見てみると、男性看護師の平均年収はおよそ492.4万円。 女性看護師の平均年収は478.5万円となっています。

次に、全職種の平均年収です。 全職種全体の平均年収は、497.2万円。 男女別では、全職種男性の平均年収は558.5万円と言う結果が出ています。 40~50代男性の給料額・賞与額がぐんと上がっており、平均年収を押し上げています。

一方、全職種女性の平均年収は382.6万円となっています。 40~50代は賞与額や給料額等はやや上がっていますが、いずれも上がり幅は小さい印象です。女性の場合、やはりまだまだ結婚や育児などライフスタイルの変化が男性よりも強く影響してしまうようです。

看護師の平均年収は、全職種の全体の平均年収と比較すると17.3万円下回っていますが、女性看護師の平均年収と、全職種女性の平均年収を比較すると95.9万円高く支給されています。看護師の年収は、女性の中では高水準と言えます。

 

特に20代は「高給取り」であると言える

次に看護師の年収を年齢別に見ていきましょう。 20代の看護師の平均年収は全職種と比較すると高いようです。 しかし、30代後半から全職種の年収平均を下回っており、年収の伸びは鈍くなっているという結果に。他の職種と比べると、昇給の幅が小さいと言えるかもしれません。とはいえ、20代だけで見てみると高給取りであると言えます。

 

他職種の年収と比較してみよう!

ここからは職種全体の平均数値ですが、最後に他の様々な職業とも年収を比較してみます。

栄養士:平均年収346.1万円
病棟や学校・企業などで活躍している栄養士。 栄養士の中でも、管理栄養士は国家資格に合格しなければ資格を得ることができません。 その分、栄養士と比べると管理栄養士の方が平均年収もやや高めになります。

歯科衛生士:平均年収364万円
普段、看護師でも接することはあまりないかもしれません。 女性の割合が多い歯科衛生士は、アルバイトやパート・派遣などの勤務形態があり、結婚や出産にも柔軟に対応できる職業でもあります。

保育士:平均年収358.4万円
保育士は子供の安全確保や成長のサポート、両親へのフォローなどを行います。 以前から、女性に人気の高い職業です。 女性の多い保育士の年収は看護師と比較し121.5万円ほど差があります。

診療放射線・診療エックス線技師:平均年収513万円
放射線・エックス線技師は医療スタッフの一員です。 近年は、乳がん検診などが広く認知されるようになり、女性スタッフの存在感が増しています。 特殊な職業のため、放射線手当や危険手当などが加算され、病院によっては夜勤・当直手当がつきます。

薬剤師:平均年収543.6万円
看護師にとって身近な存在である薬剤師。 病院だけでなく、ドラッグストアや製薬会社などにも活躍の場があります。 医師や歯科医師に次いで年収が高い医療職種です。

システムエンジニア:平均年収551.1万円
システムエンジニアは、ネット上のサービスの拡大とともに需要が大きくなっています。 常にパソコンと向き合っているイメージがあるかもしれません。 しかし、実際はクライアントへのヒアリングや大まかなシステム設計・マネジメント業務など、他者とのコミュニュケーションも仕事の一環です。

電車車掌:平均年収585.6万円
電車車掌の年収を知る機会はあまりないかもしれません。 過去を見ても、500~600万円代で推移しています。 乗客の安全を守ることはもちろんですが、迷惑行為や犯罪防止なども必要な仕事の一つです。

航空機客室乗務員:平均年収614.2万円
女性の憧れの職業に上がる航空機客室乗務員。 華やかでとても素敵ですよね。 以前は年収1,000万円ほどもらっていたこともあるようですが、近年はLCCなどの登場で価格競争が起こり年収も変化しているようです。

高等学校教員:平均年収663.4万円
初任給は会社員とあまり変わらないようですが、長く働くことで昇給の額も大きくなります。 学生の指導以外にも、試験の準備や部活動など多くの業務をこなす職業です。

公認会計士・税理士:平均年収891.9万円
公認会計士の試験は非常に難関で、医師や弁護士と並ぶ3大難関国家資格の一つに数えられます。 就職先や独立するかなどでも年収は大きく変動します。

大学教授:平均年収1081.5万円
大学教授の平均年収は1,000万円を上回ります。 看護師も、看護大学の教授を目指すことができますので、看護教育や研究の道に進みたいと考えている人は参考にしてみてください。

医師:平均年収1161万円
診療だけでなくオンコールや当直など、膨大な仕事量をこなす医師。 皆さんと、患者さんの命を預かっている緊張感を共有しているのではないでしょうか。 医師の年収はやはり1,000万円を上回ります。

参考文献

厚生労働省.” 平成30年賃金構造基本統計調査” (参照 2020-1-18)
厚生労働省.” 平成30年賃金構造基本統計調査” (参照 2020-1-18)

この記事を書いたのは

看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!

イラスト・まえかわしお

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