• 公開日: 2020/3/9
  • 更新日: 2020/5/1

看護師は投資詐欺のカモ?投資の話を持ちかけられた時に必ず確認すべきポイント

言葉巧みにお金を騙し取る投資詐欺。 近年、被害件数は減少傾向にあるものの、依然として高水準で推移しています。 看護師が被害に合うケースも珍しくありません。

「投資って興味ある?」「みんなに喜んでもらってる話があるんだけど、いいかな?」 このような誘い文句には注意が必要です。 今回は投資の話を持ちかけられた時に必ず確認すべきポイントを解説します。 大切なお金を守るためにぜひ確認しておきましょう!

 

投資詐欺とは?

投資詐欺とは、架空の事業や金融商品に投資させてお金を騙し取る行為のことです。 「不労所得」や「元本保証で高利回り」などの誘い文句が特徴的です。 働くことがツラく、精神的に弱っている人の心につけ込んできます。

被害は高齢者だけではない

詐欺の代表格である振り込め詐欺の被害は高齢者に集中しています。 しかし、投資詐欺の被害者は幅広い年齢層であることが特徴です。 金融庁の「金融サービス利用者相談室」に寄せられた相談の中で、投資詐欺に関する相談者の多くが20~40歳代*1でした。 このように投資詐欺は現役世代の被害者も多いことを頭に入れておきましょう。

 

投資詐欺事例

それでは実際に、看護師が被害にあった投資詐欺事例をご紹介します。

Aさん、30歳女性、独身、総合病院勤務の看護師8年目。 看護学生時代の同級生Bさんから突然連絡があり、カフェでお茶することになりました。 Bさんから「今度すごい人と会うんだ。よかったら一緒に来ない?」と言われ、Aさんはあまり気が進まないものの承諾。 後日、Bさんと一緒に現れた男性は高級スーツや高級腕時計を身にまとい、とても清潔感がある容姿をしていました。

男性は自分の仕事のことを話しだします。 Aさんには内容がよくわかりません。 しかし、男性の話の中で有名人や海外の皇族が出てくるので、「すごい人なのかもしれない」と、聞き入ってしまいます。 男性は「自分は十分稼いだから、社会貢献したい」と言い、Aさんはすっかり男性を誠実な人だと信じました。

続けざまに男性は「一口150万円を出資すると、毎月5%の配当金が入る。元本は保証されるから心配ないよ。」と、投資案件を紹介してきます。 そして、AさんはBさんと一緒に男性の紹介する投資案件に一口ずつ出資することに決めました。

数カ月後、Aさんは自分が出資したお金がどれくらい増えたか気になり確認しようと男性に連絡を取ろうとします。 しかし、男性とは連絡がつきません。 不審に思ったAさんはBさんに連絡してみると、同様の状況であることが発覚します。 そこで二人はようやく男性は投資詐欺師だったことに気がつくのです。

Bさんは元々、男性とは異業種交流パーティーで出会ったため共通の知り合いはいません。 被害を訴えるにも男性の所在が全くわからないのです。 結局、AさんとBさんはどうすることもできずに泣き寝入りすることになりました。

 

投資の話を持ちかけられた時に確認すべき3つのポイント

先ほどご紹介したAさんの事例は、実際にあった投資詐欺の話に少しフェイクを加えたものです。 では、Aさんは投資の話を持ちかけられた時に、どのような対応をすべきだったのでしょうか? 3つの確認すべきポイントを説明します。

①金融庁への登録ができている業者であるか

幅広く出資を募ることができるのは、金融庁の登録を受けた業者に限ります。 登録を受けずに出資を募る行為は法律違反にあたる可能性も。 登録業者の確認は金融庁のホームページ*2で行えますので、必ず確認しましょう。 「申請中で、もうすぐ認可されるはずです。」などと言われても信用に値しません。

②自分が理解できない投資ではないか

自分の理解できていない投資は、リスクも把握できていないということです。 Aさんの場合、投資案件について全く理解できていない状態では出資すべきではありませんでした。 特に大金を投じる場合は「始めてみた方が勉強になる」との誘い文句には乗らないように気をつけて下さい。

③あやしいキーワードが出ていないか

「元本保証」や「必ず儲かる」などのキーワードは、実は金融商品取引法の違反*3です。こうしたワードを使っていないかどうかも重要な判断基準です。 投資案件は批判的な姿勢で話を聞くくらいでも良いかもしれません。

 

参考文献

*1金融庁.”詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況” (参照 2020-1-18)
*2金融庁.”免許・許可・登録等を受けている業者一覧” (参照 2020-1-18)
*3金融庁.” いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について” (参照 2020-1-18)
政府広報オンライン.”投資詐欺にご注意を 気をつけるべき6つのポイント。相談窓口もご紹介。” (参照 2020-1-18)

この記事を書いたのは

看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!

イラスト・まえかわしお

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