コンパートメント症候群(筋区画症候群)
読み方:こんぱーとめんとしょうこうぐん(きんくかくしょうこうぐん)
読み方:こんぱーとめんとしょうこうぐん(きんくかくしょうこうぐん)
コンパートメント症候群とは
骨折や打撲などの外傷が原因で、血腫形成や筋腫脹によって強固な筋膜,骨,骨間膜に囲まれた筋区画(コンパートメント)の内圧が上昇。
その結果、筋肉や神経、血管が圧迫され抹消循環が障害され壊死や神経麻痺を起こす病態。
特に多くの筋が存在する前腕や下腿、大腿で生じやすい。ギプス固定や砕石位の長時間手術などが原因となることもある。
症状
以下のように理学所見の6Pというものがある。
この中でも強い疼痛(鎮痛薬でもコントロール不能)が特徴。処置が遅れた場合、筋肉壊死や神経麻痺が起きる。
検査・診断
意識鮮明な場合は、病歴と症状、診察所見から診断。
ストレッチテスト:他動的にコンパートメント内の筋を伸展させ疼痛が誘発される。
コンパートメント内圧測定:拡張期血圧とコンパートメント内圧の差が、30mmHgより小さい場合は原則コンパートメント症候群として筋膜切開等の対応となる。
内圧の差が30mmHgより大きい場合:持続的に評価をして、臨床所見との推移を評価する。
治療
初期治療はRICE(R:rest 安静 I:icing 冷却 C:compression 圧迫 E:elevation 挙上)。
減張切開:組織内圧の低下を目的として行われる切開法。術後のドレナージとしても用いられる。ただ、クラッシュシンドロームでの施行に関しては意見の対立もある。
通常、受傷後の経過時間が長いため、神経や筋障害による四肢機能障害予防の目的に合致しないことや、実際に行った場合にコントロール不能の大量滲出液漏出や出血に悩まされることが理由。