バイオ・サイコ・ソーシャルモデル
読み方:ばいおさいこそーしゃるもでる
読み方:ばいおさいこそーしゃるもでる
イラスト・dosankotsukushi
バイオ・サイコ・ソーシャルモデルとは
患者の置かれている問題を「バイオ:生物」=からだの問題、「サイコ:心理」=心の問題、そして「ソーシャル:社会」の3つの側面から捉え、理解していこうという考え方。
うつ病で考えた場合
うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下、否定的な考え方という心理的な症状(サイコ)をメインとしますが、脳の働き(バイオ)と関係があることもわかっています。また、要因として生活環境(会社・学校・家庭)や人間関係でのストレス(ソーシャル)も強く疑われています。
このモデルでは,こうしたバイオ(bio)/サイコ(psycho)/ソーシャル(social)の要因がそれぞれに独立したものではなく、相互に関連し合い複合的に作用しあって困難な状況をもたらしていると捉え、この3つの側面からの問題解決を図ることが望ましいとする。
患者さんの弱い部分・不利な状態だけではなく、患者さんの能力や意欲・嗜好・利用可能な社会資源なども重視する。患者本人の意欲を高め、自身によるセルフケアを可能とすること、多様な社会資源を活用することで支援を展開していく。
提唱された経緯
この考え方が提唱されたのは1970年代後半。それまでの医療が身体の治療、つまり生物医学に基づく治療に偏り、患者である人間の心や、人間をとりまく社会的な側面への配慮が少なすぎた、という反省からでした。
そして精神医療やがんの知慮うなど医療の全般で、やがてこの「バイオ-サイコ-ソーシャル(医学的・心理学的・社会的)」が基本的な考え方となりました。