• 公開日: 2019/10/14
  • 更新日: 2020/1/14

看護師の初任給を調査!一般職と比べて金額は高い?低い?

世間では「高い」と言われている、看護師の給料。では、看護師の初任給は世間一般に比べるとどれくらい高いのでしょうか?今回は、データを元にそもそも看護師の初任給は高いのか、そしてどれくらい差があるのかについて、調査していきます!

看護師の初任給、一般職との差はどれくらい?

日本看護協会および一般社団法人労務行政研究所の調査による、初任給の比較は以下の通りです。

看護師 一般職
3年卒 26万3551円 17万9207円
4年大卒 27万1381円 21万1039円

看護職の給与データ(2018年版)
2018 年度 新入社員の初任給調査 より

こうしてみると、看護師は一般職に対して大卒で約6万円、3年卒にいたっては約8万円も高いということがわかりました。一般職はリーマンショックなど経済状況も反映されるため、変動が激しいと言われていますが、看護師の職場は年々少しずつですが一律に上昇する傾向にあります。

 

勤務先によって、初任給はここまで違う!

看護師の初任給は多少の違いはあるけど、どこも大体同じ。そう思っていませんか?実は、勤務する病院の種類によって、初任給の額は大きく異なるんです。日本看護協会が提示している、それぞれの3年過程・大卒の新卒看護師初任給の平均値は、以下の通りです。

3年過程 大卒
独立行政法人・国立大学等 26万4364円 27万5047円
都道府県・市町村 26万1926円 27万1913円
公的医療機関
日本赤十字社・済生会等
26万2055円 27万326円
社会保険関係団体 27万1948円 28万2287円
公益社団法人・公益財団法人 26万3165円 26万9542円
医療法人・個人 26万2789円 26万9516円
その他法人
私立学校法人・社会福祉団体等
26万8427円 27万6300円

看護職の給与データ(2018年版) より

3年過程・大卒、それぞれ一番高い団体と低い団体を比較すると、約1万円の差があることがわかります。 看護師という同じ資格職でありながら、病院の種類によっても初任給には差があるということが、おわかりいただけたかと思います。

 

初任給から高い収入を得るためには?

初任給は一般職に比べると大幅に高い看護師ですが、一方で支払われるお給料の額が実際の勤務内容に伴っていないという一面もあります。ではどうすれば、初任給から収入の額を高い基準で維持することができるのでしょうか?

基本給の金額を確認する

給料を決める一番大事な要素、それは基本給です。看護師の給料として「諸手当」という項目がある職場が多いのですが、この諸手当に残業代や夜勤手当など、月によって変動する手当をまとめて提示することで、手取り金額が多く見えるため、基本給の額を見落としがちです。

しかし、ボーナスは基本給×何倍という計算方法にて算出されますし、昇給は基本給に足される形で反映されます。そのため、まずは基本給がどれくらいかを把握しておく必要があります。

基本給および昇給率が高い職場として上げられるのが、国公立の病院です。これらの病院では毎年他職種と同等の昇給率にて昇給するため、経験年数が長くなればなるほどお給料は高くなります。そういった意味でも国公立の病院は人気となっています。

夜勤手当を確認する

また、基本給とともにチェックしたいのが夜勤手当です。筆者自身、転職によって同じ2交代の夜勤にもかかわらず、それまで1万4000円だった夜勤手当が半額近くの8000円に下がったという経験があります。職場によって夜勤手当の金額にはかなりの差があるため、1回あたりの夜勤手当の金額をチェックし、月額でどれくらいの手当になるかを大まかに把握しておきましょう。

福利厚生を活用しよう

看護師の職場は、他職種に比べ寮や社宅を完備していることが多いものです。このような福利厚生を活用し、出て行くお金を少なくするというのもまた、トータルで考えた時に収入を増やす方法といえます。

実際に筆者は病院近隣のワンルーム寮へ入寮したとき、自分で借りると7~8万円かかる場所だったにも関わらず、寮費が5000円と格安で住むことができました。こういった福利厚生を多いに活用することは、手元に残るお金を増やす上で大切だと思います。

夜勤・残業について、どれくらい病院が出してくれるか

手当の金額が高くても、実際に勤務に入れなくては意味がありません。そこで、実際にはどれくらい夜勤をしているのか、夜勤専属はあるのかといったことも合わせて確認することをお勧めします。残業手当がいくら高くても、月に1~2回しか入れないとなると、手取りの金額に大きな影響を及ぼしてしまいます。

 

初任給は、総支給額ではなく「基本給」をチェックしよう

看護師の職場の中には、基本給を低く抑えることで昇給率およびボーナスの支出を減らしている職場が少なくありません。

基本給が高ければ、夜勤手当や残業手当によって左右されず、一定して収入を高い水準で維持することができます。そのため、職場で提示されるお給料の金額のうち、総支給額を確認するのではなく、まずは基本給がいくらかを確認することをお勧めします。

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・ミキ

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