まなび
  • 公開日: 2019/9/18
  • 更新日: 2020/2/5

強心薬のジギタリス。実はもともと民間療法の薬草として使われていた!

ジギタリス製剤 読み方:じぎたりすせいざい


イラスト・dosankotsukushi

ジギタリス製剤とは

強心薬のひとつで心不全などの治療に使われる。心臓の収縮力が弱まったり血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない状態である心不全に対し、心筋の収縮力を強くすることで心不全などの症状を改善する。

しかし、現在ジギタリスは第二選択として使われることが多い。理由としては他の薬剤が有効であると分かったこと、副作用や薬剤相互作用にも注意が必要、など。

その作用

  1. 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高くなると収縮し、心臓の拍動が強くなる。
  2. そのカルシウムイオン濃度を高め、心筋の収縮力を強くすることで心不全などの症状を改善する。

また本剤には心拍数調節作用などもあり、一部の心房細動などにも効果をあらわすとされる。

注意点

治療有効域が狭い薬剤であり、中毒域と有効域が接近しているため、薬剤が適切に効いているかなどを血液中の薬剤の濃度を測定することによって観察していくことが重要である。

体の状態の変化や併用薬などによっても副作用(消化器症状、視覚症状、精神神経系症状、不整脈などのジギタリス中毒といわれる症状)があらわれる場合もあるため注意が必要。

もともとは植物

もともとジギタリスはオオバコ科ジギタリス属の植物で猛毒を含んでいる。昔は植物から抽出し、傷薬などとして使われていた。その後、強心作用があることが発見される。現在は化学的に合成されたものであるとのこと。

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