• 公開日: 2018/6/11
  • 更新日: 2018/12/4

「家族を見送りたい」希望を叶えてくれた看護師さんに、ありがとう。【ありがとうエピソードコンテスト】

全国から「『ナースで、よかった。』ありがとうエピソード」を募集。特別審査員による審査を行い、3部門の大賞が決定しました。
2018年5月27日、28日に開催された「NURSE FES TOKYO 2018」内で発表した3つの大賞のエピソードをご紹介します。
現役看護師インスタグラマー・Risaさんのイラストとともに、お楽しみください。

「患者さんからナースへ、ありがとう」部門 大賞受賞エピソード

「家族を見送りたい」希望を叶えてくれた看護師さんに、ありがとう。
宮城県 Oさん


平成29年4月。
直腸摘出及び仮ストーマ増設手術を受けるため、仙台から単身、さいたま市のクリニックに入院。

手術は無事に成功したものの、術後の腹部痛が私を苦しめ、頻便のため食欲とともに体力が落ちるのを実感していた。

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ゴールデンウィークには、妻と息子が仙台から会いに来てくれる。

手術や入院でたくさん心配をかけた。
せめて、元気に歩いている姿を見せて安心させたい。
リハビリにも自然と力が入った。

「ご家族をバス停まで見送れるようになりましょうね!」
看護師さんたちも私を勇気づけてくれた。
そんな日々、面会の前日までには、痛みが残るものの、院内を自由に歩けるまでに快復した。

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明日は、妻と息子に会える!
そんなとき、担当看護師のSさんから思いもよらない一言。

「院長の外出許可が、下りなかったんです・・・」
もう歩けるのに。

妻と息子の顔を思い浮かべると、悲しく、やるせない気持ちになった。

面会の朝。

Sさんがやってきた。

院長の許可、下りました!
見送り、できますよ!

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念願のバス停までの見送り。

妻と息子の安心した表情。
うれしい気持ちとリハビリの達成感が私を包んだ。

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晴れやかな気持ちで病棟に戻った私に、ベテラン看護師さんが声を掛けてきた。
Sさんが、必死に院長に掛け合って、何とか外出許可を取ってくれたことを、私はそこで初めて知った。

“必死で頑張っていた姿を見ていたから、なんとかしてあげたかった”
Sさんはそう言ってくれていたのだと。

ありがとう。
あなたのおかげで、妻と息子に元気な姿を見せることができました。
私の気持ちに寄り添ってくれて、ありがとう。

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risa_inst_icon Risa(りさ)stage_エピソードコンテスト_Instagramlog
看護や日常で感じたことをイラストにした投稿が人気の現役ナースのインスタグラマー。フォロワーは36,000人以上!
2018年5月26日、「現役看護師イラストエッセイ 病院というヘンテコな場所が教えてくれたコト。」を出版。

〈Risaさんからのコメント〉
このような大役をいただき大変嬉しく思っております。 新人・上司・あるいは患者などあらゆる立場の方の大切な忘れられないできごとを目に見える形で残し、私たちみんなで共有することで明日を頑張る力になれば…と心を込めて描きました。

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