• 公開日: 2018/1/10
  • 更新日: 2018/12/13

医師も看護師も看護学生も。みんな〇〇のたまご

テーマ:ナースとしての私のモットー

患者のたまご

tamago

まだ学生の私だけど

みなさんは看護学生時代に看護師のたまごと言いませんでしたか?
私は今学生で、看護師のたまごだと周りにも言われますし、言ってます。患者ってどの年代もいるし、いつなるかわからないし、医者でも患者になりますよね。私はみなさんも自分も【患者のたまご】だと思ってます。
働いてはいないので実習での経験になりますが、はじめはコミュニケーションがうまく取れず、次は清拭や移乗がうまくできず、今は退院支援・教育入院が上手くできません。患者の立場に立って何事も行えるようにいつも心の中で、患者の生活や思いを考えてます。

実習中の「出会い」

脳梗塞で全麻痺になった患者を受け持ったことがあります。とても若い方です。ADLも急激に落ちて要介護5に。仕事どころかもう家にも帰れなくなってしまいました。梗塞部位が中脳にも及んでおり、構音障害【仮性球麻痺】で意思疎通ができません。
病状は落ち着いており、QOLをあげること・笑顔が増えることが看護目標です。
トイレ介助や入浴介助をスムーズに行ったり、労いの言葉をかけながら肩を揉んだり、体位を整えたり。しかし笑顔はなかなかみられませんでした。
実習最後の週にふと持ち物を見るとリップがあって、唇の乾燥も多少あるし塗りますかと言い塗布すると、今までにない笑顔であーとー【ありがとう】と。

いつかなる「患者」の自分

私がもし脳梗塞で倒れて介助が必要になったら、介助してもらうときには申し訳ないと最初に思うかもしれません。しばらく経っても動けないし、仕方ないよねとしか。でも小さなことも気にかけてもらい、業務ではない気づきがあると心が温まると思いました。
リップって乾燥してるとき以外にも使いますよね。それからはメガネを毎回汚れがあるときに拭いたり、ゴミはすぐ捨てたり、ベットにあった人形を整えたり。リップをきっかけに患者の笑顔はすごく増えました。私も患者の立場が足りてなかったと気づきました。
いつかなる【患者】の自分をどう迎えたいか、その時どう看護師と関わりたいか、それを考えるのが看護師なのかなと思いました。私も自分は【看護師のたまご】兼【患者のたまご】だと考えてます。

●執筆●さやしゅん さん
専門学校3年生です
このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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