看護や臨床の世界で関心度が高まるメディカルハーブとアロマセラピー。医薬品には、古来より植物療法として用いられてきた成分を精製したものが多くあります。現代においても自然に近い形で植物を取り入れていくことで、身体への負担の少ない緩やかな働きかけが期待されています。
医療の現場では、補完・代替療法として在宅医療、介護に。また病棟でも緩和ケアの場面などで活用されてきています。
本連載では、メンタル面も肉体的にもハードな仕事をもつナースのみなさんの体調管理に、また心身の不調に合ったハーブ・アロマのセルフケアの活用法についてご紹介します。
今回は、ハーブ・アロマの名称の説明とともに、フィトケミカル成分がどのように人体に吸収され、五感に働いていくのか……そのメカニズムを簡単に解説します。
メディカルハーブについて
ハーブ(herb)は、日本語で「香草」または「薬草」と訳されます。一般的には料理や染料、ガーデニング、生活雑貨などで楽しまれていると思います。すべてのハーブにメディカル要素は含まれていますが、特に健康や美容を目的に活用する場合に「メディカルハーブ」と表現されます。
メディカルハーブの活用法
ハーブティーとして飲用することで、フィトケミカル成分を直接体内に取り入れることができます。またハーブの味・香・色などを通し、味覚・嗅覚・視覚に働きかけることで、健康増進や美容に役立つでしょう。
ハーブティー(herb tea)
またハーブの活用法は多岐に渡ります。ハーブをウォッカ等のアルコールに漬け込んで作る「チンキ剤」、チンキ剤で芳香蒸留水や精製水で希釈して作る「ローション剤」、「ハーブバス」、ハーブを植物油に漬け込んで作る「浸出油」、浸出油と蜜蝋で「軟膏」を作ったりと、さまざまな形でハーブを活用することもできます。
ハーブのハンドバス(hand bath)
ハーブの製剤を内用・外用することで、フィトケミカル成分が心身に働きかけていきます。
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