第104回看護師国家試験に向けての一斉模試を、ナース専科の国家試験対策アプリ上でおこないました。2月12日の模試問題の一覧を公開します。次回の模試は2月19日におこないますので、看護学生の方はぜひご参加ください。アプリ上で模試に参加すると卒業年別の平均点がご覧いただけます。
2月12日看護師国家試験一斉模試問題
■平成16年(2004年)に策定された「子ども子育て応援プラン」の重点課題はどれか。
1.仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し2.妊娠出産に関する安全性と快適さの確保
3.思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
4.小児医療水準を維持向上させるための環境整備
【正解】1″
「子ども子育て応援プラン」の4つの重点課題は次のとおり。
・若年の自立とたくましい子どもの育ち
・仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し
・生命の大切さ、家庭の役割等についての理解
・子育ての新たな支え合いと連携
・若年の自立とたくましい子どもの育ち
・仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し
・生命の大切さ、家庭の役割等についての理解
・子育ての新たな支え合いと連携
■女性の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。
1.オキシトシン2.エストロゲン
3.アンドロゲン
4.成長ホルモン
【正解】2″
1.(×)オキシトシンは下垂体後葉から分泌され、子宮収縮や射乳に関与する。
2.(○)エストロゲンはプロゲステロンと共に卵巣から分泌されるホルモンであり、女性の二次性徴に関与する。
3.(×)アンドロゲンは男性の二次性徴に関与するホルモンである。
4.(×)成長ホルモンは思春期に分泌が増えるが、二次性徴には関与しない。二次性徴と関係が深いのは性ホルモンである。
2.(○)エストロゲンはプロゲステロンと共に卵巣から分泌されるホルモンであり、女性の二次性徴に関与する。
3.(×)アンドロゲンは男性の二次性徴に関与するホルモンである。
4.(×)成長ホルモンは思春期に分泌が増えるが、二次性徴には関与しない。二次性徴と関係が深いのは性ホルモンである。
■レオポルド触診法で第1頭位である。第1段法で触診できる胎児部位はどれか。
1.殿部2.頭部
3.児背
4.四肢
【正解】1″
レオポルド触診法の第1段法は子宮底の位置、形、胎児部分の種類を触診する。第1頭位とは、胎児下降部が頭部であり、かつ児背が母体の左側にあることより、子宮底の胎児部分は殿部となる。
■25歳の初産婦。分娩第1期、未破水。子宮口4cm開大。陣通の発作30秒、間欠5分で産痛を訴えている。この産婦への援助で最も適切なのはどれか。
1.飲食を控える。2.怒責を勧める。
3.分娩室に移送する。
4.シャワー浴を勧める。
【正解】4″
1.(×)分娩は多量のエネルギーを必要とするため、摂取しやすい食事を工夫し、体力をつける必要がある。
2.(×)子宮口は4cmと全開大に達していないので、まだ怒責してはならない。
3.(×)分娩室に入るタイミングは、一般に子宮口が全開大になったころである。
4.(○)分娩進行に伴い発汗や分泌物の増加で身体の清潔が保たれにくくなる。まだ破水していないのでシャワーは可能である。
2.(×)子宮口は4cmと全開大に達していないので、まだ怒責してはならない。
3.(×)分娩室に入るタイミングは、一般に子宮口が全開大になったころである。
4.(○)分娩進行に伴い発汗や分泌物の増加で身体の清潔が保たれにくくなる。まだ破水していないのでシャワーは可能である。
■新生児の先天性代謝異常マススクリーニングで適切なのはどれか。
1.検体は血液である。2.日齢2日に検査する。
3.検体は毛細管で提出する。
4.生理的黄疸が著明な時期を避ける。
【正解】1″
1.(○)一般に、新生児の足裏より血液を採取し、所定の濾紙に十分にしみこませる。
2.(×)生後5~7日の新生児が対象となる。
3.(×)少量の血液を塗布した濾紙を乾燥させ、医療機関に提出する。検査結果は提出医療機関に返送される。
4.(×)黄疸との関係はない。
2.(×)生後5~7日の新生児が対象となる。
3.(×)少量の血液を塗布した濾紙を乾燥させ、医療機関に提出する。検査結果は提出医療機関に返送される。
4.(×)黄疸との関係はない。
■妊娠37週で出生した新生児。身長48cm、体重2,100g。アプガースコアは1分後8点、5分後9点であった。出生後3時間ころに出現しやすいのはどれか。
1.低血糖2.脳室内出血
3.高カルシウム血症
4.代謝性アシドーシス
【正解】1″
1.(○)正常新生児でも血糖値は生後2~4時間で最低となるが、正期産の低出生体重児は胎児期の栄養障害のために血糖値が下がりやすく、生後3時間頃は最も低血糖となる。
2.(×)脳室内出血は早産児に起こりやすい。
3.(×)新生児の高カルシウム血症の発生頻度は低い。
4.(×)代謝性アシドーシスは早産児に起こりやすい。
2.(×)脳室内出血は早産児に起こりやすい。
3.(×)新生児の高カルシウム血症の発生頻度は低い。
4.(×)代謝性アシドーシスは早産児に起こりやすい。
■36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg、健康診査時、体重60kg、子宮底長26cm、腹囲80cm、血圧120/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)、Hb10.5g/dl、Ht30.0%、胎児心拍数150bpmであった。
健康状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.貧血がみられる。2.胎児心拍が頻脈である。
3.体重増加が過剰である。
4.子宮底長が週数に比べて小さい。
【正解】1″
1.(○)妊娠時貧血はHb11.0g/dl未満、Ht33.0%未満をいう。そのためこの事例はHb10.5g/dlであり、貧血の状態だといえる。
2.(×)160bpm以上を頻脈という。この事例の胎児心拍数は150bpmであり、頻脈ではない。
3.(×)妊娠末期のBMIが28以上の場合、肥満妊娠という。この事例では妊娠30週2日でBMI23.4であるため体重増加は過剰ではない。
4.(×)妊娠32週の正常子宮底長が24~29cmである。この事例では26cmで正常範囲である。
2.(×)160bpm以上を頻脈という。この事例の胎児心拍数は150bpmであり、頻脈ではない。
3.(×)妊娠末期のBMIが28以上の場合、肥満妊娠という。この事例では妊娠30週2日でBMI23.4であるため体重増加は過剰ではない。
4.(×)妊娠32週の正常子宮底長が24~29cmである。この事例では26cmで正常範囲である。
■36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg、健康診査時、体重60kg、子宮底長26cm、腹囲80cm、血圧120/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)、Hb10.5g/dl、Ht30.0%、胎児心拍数150bpmであった。
妊娠34週2日。健康診査の結果は体重62kg。子宮底長30cm、腹囲84cm、血圧114/82mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)。「食後、胸がムカムカすることがあります。以前より食欲が落ちた気もします」という。保健指導で適切なのはどれか。
1.食後は左側臥位で休息する。2.香辛料をきかせた料理を摂取する。
3.食べたい物を食べたい時に摂取する。
4.一回の食事量を減らし食事回数を増やす。
【正解】4″
1.(×)胃の内容物が十二指腸に排出されるのを促すためには、右側臥位の方がよい。
2.(×)妊娠中は、子宮増大による胃部圧迫などで胃液が食道へ逆流しやすく、胸やけを経験することが多い。香辛料は胃酸の分泌を促進させるため制限する。
3.(×)良質な蛋白質やビタミン、ミネラルを摂取するように心がける。
4.(○)増大した子宮によって胃が圧迫され、一度に食べられる食事量が減少する。そのため、1回の食事量を減らして回数を増やすようにする。
2.(×)妊娠中は、子宮増大による胃部圧迫などで胃液が食道へ逆流しやすく、胸やけを経験することが多い。香辛料は胃酸の分泌を促進させるため制限する。
3.(×)良質な蛋白質やビタミン、ミネラルを摂取するように心がける。
4.(○)増大した子宮によって胃が圧迫され、一度に食べられる食事量が減少する。そのため、1回の食事量を減らして回数を増やすようにする。
■妊娠39週、体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃、心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)、顔面に点状出血が少量見られる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。
児のアセスメントで最も注目すべき情報はどれか。
1.顔面の点状出血2.呼吸数
3.呼吸の不規則性
4.おむつのレンガ色のしみ
【正解】2″
1.(×)頭位分娩では、出産時に加わった圧のために頭や顔に点状出血をみることがあるが、時間の経過と共に消失する。
2.(○)新生児の呼吸数は40~50/分が正常である。62回は多呼吸である。
3.(×)新生児の呼吸は生後約24時間で腹式呼吸となり、安定する。生後12時間では呼吸が不規則でも異常とはいえない。
4.(×)新生児期には尿に尿酸結晶によるレンガ色の尿がみられる。
2.(○)新生児の呼吸数は40~50/分が正常である。62回は多呼吸である。
3.(×)新生児の呼吸は生後約24時間で腹式呼吸となり、安定する。生後12時間では呼吸が不規則でも異常とはいえない。
4.(×)新生児期には尿に尿酸結晶によるレンガ色の尿がみられる。
■妊娠39週、体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃、心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)、顔面に点状出血が少量見られる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。
日齢3日。体重2,950g、体温37.0℃、心拍数132/分、呼吸数50/分、血清ビリルビン値7mg/dl、排尿6回/日、排便2回/日。児の啼泣に合わせて母乳を与えている。母親から「昼も夜も2時間おきに泣くのでそのたびに授乳していますが、これでよいのでしょうか」と相談を受けた。対応で適切なのはどれか。
1.「夜間には粉ミルクを足しましょう」2.「今のような授乳の仕方で良いですよ」
3.「糖水を足して授乳回数を減らすとよいでしょう」
4.「泣いたら授乳するのではなく、3時間ごとにしましょう」
【正解】2″
1.(×)体重は減少しているが、生理的体重減少の範囲なので、母乳不足状態とはいえない。粉ミルクを足す必要はない。
2.(○)授乳方法に対して様々な不安が出現してくる時期である。母親が満足感・達成感が味わえるように行動を評価することが大切になる。
3.(×)糖水を補充すると、児が満足してしまい、母乳を吸わなくなる可能性がある。
4.(×)母乳育児確立のためには、新生児の欲求にあわせた自律授乳が重要である。
2.(○)授乳方法に対して様々な不安が出現してくる時期である。母親が満足感・達成感が味わえるように行動を評価することが大切になる。
3.(×)糖水を補充すると、児が満足してしまい、母乳を吸わなくなる可能性がある。
4.(×)母乳育児確立のためには、新生児の欲求にあわせた自律授乳が重要である。
■妊娠39週、体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃、心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)、顔面に点状出血が少量見られる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。
日齢4日、体重2,950g、体温37.2℃、心拍数136/分、呼吸数45/分、頭部から体幹にかけて皮膚の黄染がみられ、血清ビリルビン値10mg/dl、排尿8回/日、排便4回/日、大泉門は平坦である。臍輪部に発赤はないがやや湿潤している。児のアセスメントで適切なのはどれか。
1.正常経過である。2.体重増加不良である。
3.臍部に感染徴候がみられる。
4.病的黄疸の徴候がみられる。
【正解】1″
1.(○)バイタルサイン、大泉門の状態も正常である。
2.(×)新生児期には出生時体重に比べて3~10%の体重減少がみられる(生理的体重減少)。150gの減少は生理的体重減少の範囲である。
3.(×)臍部に発赤はなく、体温も平熱なので感染徴候はないと判断する。
4.(×)新生児の血清ビリルビン値の正常限界は15mg/dlである。この児の血清ビリルビン値は10mg/dlと正常範囲であり、病的黄疸ではない。
2.(×)新生児期には出生時体重に比べて3~10%の体重減少がみられる(生理的体重減少)。150gの減少は生理的体重減少の範囲である。
3.(×)臍部に発赤はなく、体温も平熱なので感染徴候はないと判断する。
4.(×)新生児の血清ビリルビン値の正常限界は15mg/dlである。この児の血清ビリルビン値は10mg/dlと正常範囲であり、病的黄疸ではない。
■30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し、午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg、尿蛋白(-)、分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。
この時期に確認することで優先度が高いのはどれか。
1.排尿時間2.胎児心拍数
3.羊水の流出量
4.陣痛発作時間
【正解】2″
破水時には常に臍帯脱出の可能性と胎内環境の変化に伴う胎児の健康を確認する必要がある。事例では緑色の羊水がみられていることから、羊水が胎便で汚染されている可能性が考えられ、心拍数の確認は優先度が最も高い。
■30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し、午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg、尿蛋白(-)、分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。
午後2時、体重3,050gの児を娩出した。1分後のアプガースコアは6点で口鼻腔吸引が行われた。5分後のアプガースコアは9点であった。児に起こりうるのはどれか。
1.上気道閉塞2.低酸素性虚血性脳症
3.胎便吸引症候群(MAS)
4.呼吸窮迫症候群(RDS)
【正解】3″
1.(×)上気道閉塞とは咽頭の閉塞が原因の無呼吸である。5分後のアプガースコアが9点であることから考えにくい。
2.(×)低酸素性虚血性脳症とは、低酸素と虚血による脳細胞の障害をさす。5分後のアプガースコアが9点であることから考えにくい。
3.(○)羊水混濁があることから、胎便吸引症候群が最も起こりうると考えられる。
4.(×)呼吸窮迫症候群は肺の未熟性に由来する呼吸障害である。在胎週数が短い場合や低体重であるほどリスクが高い。本事例の場合は、正期産で体重も正常範囲なので問題はない。
2.(×)低酸素性虚血性脳症とは、低酸素と虚血による脳細胞の障害をさす。5分後のアプガースコアが9点であることから考えにくい。
3.(○)羊水混濁があることから、胎便吸引症候群が最も起こりうると考えられる。
4.(×)呼吸窮迫症候群は肺の未熟性に由来する呼吸障害である。在胎週数が短い場合や低体重であるほどリスクが高い。本事例の場合は、正期産で体重も正常範囲なので問題はない。
■30歳の経産婦。妊娠41週5(-)、分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。
生後2時間、腋窩温36.2℃、心拍数125/分、呼吸数56/分、陥没呼吸(-)、しん吟(-)、四肢末端にチアノーゼが軽度みられる。児に優先して行うケアはどれか。
1.沐浴2.保温
3.授乳
4.酸素投与
【正解】2″
不感蒸泄による体温喪失などのより生後1~2時間には最低体温を示す。そのため保温が必要である。
■28歳の初産婦。妊娠36週5日。規則的な陣痛発来があり入院した。入院時診察では、子宮底長31cm、腹囲85cm。血圧130/74mmHg。尿蛋白(±)、尿糖(-)。分娩監視装置を40分装着した結果、5~6分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍数基線は130bpmであった。
帝王切開術後4時間。体温37.5℃。呼吸数18/分、脈拍数74/分。血圧128/74mmHg。尿流出量70ml/時。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%。子宮底の高さ臍上1指、血性悪露少量流出。創部痛がみられる。この状態で最優先されるのはどれか。
1.体位変換を行う。2.水分摂取を促す。
3.授乳を開始する。
4.尿量を医師に報告する。
【正解】1″
1.(○)術後イレウスや深部静脈血栓症の予防のため、体位変換は必要である。
2.(×)水分摂取は手術翌日に腸蠕動音を確認したあとに開始される。
3.(×)帝王切開術の場合、身体回復と創部痛を考慮し、無理のない範囲で授乳を開始するべきである。
4.(×)帝王切開術後は、50ml/時の尿量が確保されている必要があるが、本事例の場合は70ml/時と正常である。
2.(×)水分摂取は手術翌日に腸蠕動音を確認したあとに開始される。
3.(×)帝王切開術の場合、身体回復と創部痛を考慮し、無理のない範囲で授乳を開始するべきである。
4.(×)帝王切開術後は、50ml/時の尿量が確保されている必要があるが、本事例の場合は70ml/時と正常である。
■36歳の妊婦。妊娠33週5日、切迫早産で入院となった。ベッド上安静で子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩)の持続点滴静脈内注射が開始となった。入院時、血圧118/84mmHg。尿蛋白(士)、尿糖(-)。Hb 11.5 g/dl、Ht34%。入院中、最も起こりやすいのはどれか。
1.徐脈2.貧血
3.便秘
4.浮腫
【正解】3″
1.(×)リトドリン塩酸塩の副作用は頻脈である。
2.(×)循環赤血球量や循環血漿は妊娠32週をピークに増加する。また妊娠性貧血の定義はHb<11g/dl、Ht<33%である。
3.(○)入院による環境の変化や安静、さらに今後胎児が大きくなることに伴う腸への圧迫により便秘になることが予測される。
4.(×)浮腫は、増大した子宮による下大静脈の圧迫に伴う循環不全により起きる。今回の入院は安静により圧迫が軽減し血圧上昇もないため考えにくい。
2.(×)循環赤血球量や循環血漿は妊娠32週をピークに増加する。また妊娠性貧血の定義はHb<11g/dl、Ht<33%である。
3.(○)入院による環境の変化や安静、さらに今後胎児が大きくなることに伴う腸への圧迫により便秘になることが予測される。
4.(×)浮腫は、増大した子宮による下大静脈の圧迫に伴う循環不全により起きる。今回の入院は安静により圧迫が軽減し血圧上昇もないため考えにくい。
■32歳の初産婦。会社員。妊娠8週0日。身長160cm、体重50kg(非妊時53 kg)。「食べると気持ちが悪くなるので、妊娠前のようには食事がとれない。3食をとるようにがんばっているが、よく食べられたと思ったときに限ってその後に吐いてしまう」と話す。
妊婦の訴えに対するアセスメントに必要な情報で優先度が高いのはどれか。
1.腹囲2.Hb値
3.排便状況
4.尿ケトン体
【正解】4″
1.(×)妊娠8週であり、腹囲の増大はないため、影響しない。
2.(×)貧血症状は特にない。また妊娠初期であり可能性は低い。
3.(×)妊娠初期は、食事量や水分摂取量が減り、便秘に傾きやすいため観察は必要である。
4.(○)妊娠悪阻により栄養状態が悪化すれば脂肪の分解が始まり、TCAサイクルに入れなかったアセチルCoAがケトン体に代謝されケトン血症を引き起こす。そのため尿ケトン体の検査は優先度が高い。
2.(×)貧血症状は特にない。また妊娠初期であり可能性は低い。
3.(×)妊娠初期は、食事量や水分摂取量が減り、便秘に傾きやすいため観察は必要である。
4.(○)妊娠悪阻により栄養状態が悪化すれば脂肪の分解が始まり、TCAサイクルに入れなかったアセチルCoAがケトン体に代謝されケトン血症を引き起こす。そのため尿ケトン体の検査は優先度が高い。
■35歳の初産婦。妊娠38週0日。昨日午後8時に陣痛が開始し、本日の午前1時に入院した。午後1時に羊水流出感があり、診察で破水と子宮口全開大が確認された。午後3時30分に児娩出、午後3時45分に胎盤娩出となった。分娩時出血量は600mlであった。
分娩経過のアセスメントで正しいのはどれか。
1.早産である。2.早期破水である。
3.分娩所要時間は19時間30分である。
4.分娩時出血量は正常範囲を逸脱している。
【正解】4″
1.(×)妊娠37週以降の分娩は、正期産である。
2.(×)早期破水とは、分娩開始後から子宮口全開大近くまでの間に破水したものをいい、今回は破水と子宮口全開は同時期であり、適時破水である。
3.(×)分娩第1期が17時間、分娩第2期が2時間30分、分娩第3期が15分であり、分娩所要時間は19時間45分である。
4.(○)分娩出血量は500ml以上が異常出血である 。
2.(×)早期破水とは、分娩開始後から子宮口全開大近くまでの間に破水したものをいい、今回は破水と子宮口全開は同時期であり、適時破水である。
3.(×)分娩第1期が17時間、分娩第2期が2時間30分、分娩第3期が15分であり、分娩所要時間は19時間45分である。
4.(○)分娩出血量は500ml以上が異常出血である 。
■35歳の初産婦。妊娠38週0日。昨日午後8時に陣痛が開始し、本日の午前1時に入院した。午後1時に羊水流出感があり、診察で破水と子宮口全開大が確認された。午後3時30分に児娩出、午後3時45分に胎盤娩出となった。分娩時出血量は600mlであった。
産褥5日。体温36.8℃。脈拍70/分。血圧120/72 mmHg。子宮底臍下4横指、子宮収縮良好、赤褐色悪露少量。母乳分泌は良好である。Hb10.6g/dl、Ht 31 %。
食事指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.塩分摂取量は7g未満/日とする。2.鉄分を多く含む食品の摂取を勧める。
3.緑茶や紅茶で十分な水分摂取を行う。
4.脂肪エネルギー比率を20%未満にする。
5.エネルギーの付加は450kcal/日程度とする。
【正解】2,5
1.(×)血圧は正常値であり、特に塩分制限の必要はない。
2.(○)鉄欠乏性の貧血があり、鉄分の摂取は必要である。
3.(×)緑茶や紅茶には、タンニンという鉄分の吸収を悪くする成分が含まれているため、摂取を制限する。
4.(×)食事からの脂肪摂取量が少ない方が、母乳へのエネルギー移行量が多く、早く妊娠前の体重に戻ることができる。しかし母乳中の脂肪酸の組成は、母親の食事中の脂肪酸組成を反映するので極端な脂肪制限は良くない。そこで目標とする脂肪エネルギー比率は20~30%未満である。
5.(○)母乳育児中は、母乳産生のためのエネルギー量が必要となり、エネルギー付加量として+450kcal/日を目安としている。
2.(○)鉄欠乏性の貧血があり、鉄分の摂取は必要である。
3.(×)緑茶や紅茶には、タンニンという鉄分の吸収を悪くする成分が含まれているため、摂取を制限する。
4.(×)食事からの脂肪摂取量が少ない方が、母乳へのエネルギー移行量が多く、早く妊娠前の体重に戻ることができる。しかし母乳中の脂肪酸の組成は、母親の食事中の脂肪酸組成を反映するので極端な脂肪制限は良くない。そこで目標とする脂肪エネルギー比率は20~30%未満である。
5.(○)母乳育児中は、母乳産生のためのエネルギー量が必要となり、エネルギー付加量として+450kcal/日を目安としている。
■初乳と比較した成乳の特徴で正しいのはどれか。
1.塩類を多く含む。2.蛋白質を多く含む。
3.免疫物質を多く含む。
4.100mlあたりのエネルギー量が高い。
【正解】4″
1.(×)ナトリウムは初乳に多く、3日で急激に低下する。
2.(×)初乳は成乳に比べ蛋白質を多く含んでいる
3.(×)初乳は分泌型免疫グロブリンAを多く含んでいる
4.(○)乳糖は母乳のエネルギーの40パーセントを占め、初乳から成乳になるにつれて増加する。
2.(×)初乳は成乳に比べ蛋白質を多く含んでいる
3.(×)初乳は分泌型免疫グロブリンAを多く含んでいる
4.(○)乳糖は母乳のエネルギーの40パーセントを占め、初乳から成乳になるにつれて増加する。
■性周期とホルモンについて正しいのはどれか。
1.卵胞期の体温は上昇する。2.卵胞刺激ホルモン(FSH)は視床下部から分泌される。
3.妊娠が成立しない場合の黄体の寿命は20日間である。
4.成熟卵胞に黄体化ホルモン(LH)が作用して排卵が起きる。
【正解】4″
1.(×)卵胞期は低温相、黄体期は高温相を呈する。
2.(×)卵胞刺激ホルモン(FSH)は下垂体前葉から分泌され、卵巣での卵胞の発育を促進する。
3.(×)排卵後卵胞内に黄体が形成され、黄体ホルモンを分泌する。卵子が受精せず、妊娠が成立しなかった場合は、黄体は排卵後14日程度で退縮して白体となり消失する。
4.(○)黄体化ホルモン(LH)は卵胞刺激ホルモン(FSH)と協力して卵胞発育を促す。また黄体化ホルモンは成熟卵胞に作用して排卵を誘発する。
2.(×)卵胞刺激ホルモン(FSH)は下垂体前葉から分泌され、卵巣での卵胞の発育を促進する。
3.(×)排卵後卵胞内に黄体が形成され、黄体ホルモンを分泌する。卵子が受精せず、妊娠が成立しなかった場合は、黄体は排卵後14日程度で退縮して白体となり消失する。
4.(○)黄体化ホルモン(LH)は卵胞刺激ホルモン(FSH)と協力して卵胞発育を促す。また黄体化ホルモンは成熟卵胞に作用して排卵を誘発する。
■女性の性器クラミジア感染症で誤っているのはどれか。
1.症状が顕在化しやすい。2.不妊の原因となることがある。
3.パートナーも治療が必要である。
4.骨盤腹膜炎を発症することがある。
【正解】1″
1.(○)男性では尿道炎や排尿痛などを訴える割合が高いが、女性では軽症で無症状例も多い。
2.(×)女性では子宮内膜や卵管、卵巣に感染が及ぶ場合があり、不妊の原因になることもある。
3.(×)パートナーもクラミジアに不顕性感染している可能性があるため、患者と同時期に治療を行うことが望ましい。
4.(×)女性では卵管炎を経てから腹膜に炎症が及ぶことがある。
2.(×)女性では子宮内膜や卵管、卵巣に感染が及ぶ場合があり、不妊の原因になることもある。
3.(×)パートナーもクラミジアに不顕性感染している可能性があるため、患者と同時期に治療を行うことが望ましい。
4.(×)女性では卵管炎を経てから腹膜に炎症が及ぶことがある。
■我が国における家族計画の意義で適切なのはどれか。
1.人口を抑制する。2.母体の健康を守る。
3.性感染症を予防する。
4.避妊の知識を普及させる。
【正解】2″
1.(×)人工抑制のために家族計画を実施している国もあるが、我が国の場合にはあてはまらない。
2.(○)妊娠・出産は母体への負担が大きいことから、母体の健康を守るために家族計画を実施することも含まれる。
3.(×)家族計画はカップル間で生殖家族をどのようにつくっていくかを考えることであり、性感染症の予防は含まれない。
4.(×)避妊の知識の普及は含まれない。
2.(○)妊娠・出産は母体への負担が大きいことから、母体の健康を守るために家族計画を実施することも含まれる。
3.(×)家族計画はカップル間で生殖家族をどのようにつくっていくかを考えることであり、性感染症の予防は含まれない。
4.(×)避妊の知識の普及は含まれない。
■正期産の低出生体重児に起こりやすいのはどれか。
1.高体温2.溶血性貧血
3.新生児メレナ
4.高ビリルビン血症
【正解】4″
1.(×)体温調節機能が未熟なため、低体温に陥りやすい。
2.(×)血液型不適合や分娩時の過度の02不足がなければ溶血性貧血は起こらない。
3.(×)新生児のビタミンK欠乏による消化管出血(吐血や下血)であるが、低出生体重児に特有のものではない。
4.(○)正期産の低出生体重児は母体内で多血であることが多いため、ビリルビン血症を起こしやすい。
2.(×)血液型不適合や分娩時の過度の02不足がなければ溶血性貧血は起こらない。
3.(×)新生児のビタミンK欠乏による消化管出血(吐血や下血)であるが、低出生体重児に特有のものではない。
4.(○)正期産の低出生体重児は母体内で多血であることが多いため、ビリルビン血症を起こしやすい。
■40歳の初産婦。妊娠34週0日。身長157cm、非妊時体重57kg。健康診査時72kg、子宮底長29cm、推定児体重2,100g。血圧128/80mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、Hb12.0g/dl、Ht37%。
妊娠36週0日。体重74kg、子宮底長30cm、推定児体重2,250g。血圧142/90mmHg。尿蛋白+、尿糖(-)、浮腫+。尿回数は6回/日程度。「運動不足で体重が増えているような気がします」と言う。指導で適切なのはどれか。
1.妊娠体操を行う。2.塩分を減らす。
3.水分摂取を制限する。
4.摂取エネルギーは2,500kcal/日とする。
【正解】2″
過剰な体重増加と血圧上昇、尿蛋白の出現により、妊娠高血圧症候群と考えられる。
■40歳の初産婦。妊娠34週0日。身長157cm、非妊時体重57kg。健康診査時72kg、子宮底長29cm、推定児体重2,100g。血圧128/80mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、Hb12.0g/dl、Ht37%。
妊娠37週4日。破水し来院した。「病院に着いた頃から陣痛が始まったように感じます」と言う。胎児心拍の最良聴取部位は母体左下腹部。分娩監視装置を装着した結果、陣痛周期6分、胎児心音基線130bpm、遅発性一過性徐脈がみられる。子宮口3cm開大で、淡緑色の羊水流出がみられた。この状況のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
1.早期産である。2.早期破水である。
3.分娩第1期である。
4.胎児は第2頭位である。
5.胎児機能不全(胎児ジストレス)が推測される。
【正解】3,5
1.(×)早期産とは妊娠22週から37週未満における分娩をいう。本事例の場合は37週4日であるため正期産である。
2.(×)早期破水とは、分娩が開始してから子宮口が全開大するまでに起こる破水をいう。
3.(○)分娩第1期とは、分娩開始から子宮口全開大までの期間をいう。また分娩開始とは、陣痛の間隔が10分以内をさす。本事例は陣痛周期6分、子宮口3cmということから分娩第1期と判断できる。
4.(×)第2頭位とは、児頭が先進し、児背が母体右側に位置するものをいう。本事例では児心温が左に聞こえることから、第1頭位と判断できる。
5.(○)遅発性一過性徐脈があることから、胎盤循環が障害され、胎児が低酸素症に陥っていることを示し、胎児機能不全が推察される。
2.(×)早期破水とは、分娩が開始してから子宮口が全開大するまでに起こる破水をいう。
3.(○)分娩第1期とは、分娩開始から子宮口全開大までの期間をいう。また分娩開始とは、陣痛の間隔が10分以内をさす。本事例は陣痛周期6分、子宮口3cmということから分娩第1期と判断できる。
4.(×)第2頭位とは、児頭が先進し、児背が母体右側に位置するものをいう。本事例では児心温が左に聞こえることから、第1頭位と判断できる。
5.(○)遅発性一過性徐脈があることから、胎盤循環が障害され、胎児が低酸素症に陥っていることを示し、胎児機能不全が推察される。
■正常分娩した産褥2日の褥婦で留意するのはどれか。
1.左下腿の疼痛2.乳房緊満なし
3.授乳時の後陣痛
4.子宮底の高さが臍下2横指
【正解】1″
1.(○)産褥数日間は深部静脈血栓症が起こりやすい。深部静脈血栓症の症状は疼痛、発赤、腫脹、硬結などであり、十分な観察が必要である。
2.(×)乳房の緊満は産褥2~3日頃からだが、個人差もあるため、2日目に乳房緊満がなくても異常ではない。
3.(×)後陣痛は産褥2~3日の間に起こりやすい。新生児の吸啜刺激は母体のオキシトシン分泌を促進するため、授乳時には後陣痛が増強することがある。
4.(×)子宮底の高さは、産褥2日は臍下2横指となり、正常な経過である。
2.(×)乳房の緊満は産褥2~3日頃からだが、個人差もあるため、2日目に乳房緊満がなくても異常ではない。
3.(×)後陣痛は産褥2~3日の間に起こりやすい。新生児の吸啜刺激は母体のオキシトシン分泌を促進するため、授乳時には後陣痛が増強することがある。
4.(×)子宮底の高さは、産褥2日は臍下2横指となり、正常な経過である。
■Aさん(32歳、経産婦)は、身長160cmで、非妊時体重は52kgであった。妊娠33週2日の妊婦健康診査では、体重59kg、血圧110/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫+、子宮底長は28cmである。胎児心拍の最良聴取部位は左臍棘線中央にあり、「最近、動くとおなかが頻繁に張ります。便秘がひどくなっているせいかもしれません」と言う。Aさんへの保健指導で適切なのはどれか。
1.骨盤位体操を勧める。2.市販の下剤を服用することを勧める。
3.水分の摂取量を減らすことを勧める。
4.外出を控え自宅で過ごすことを勧める。
【正解】4″
1.(×)胎児心音が左臍棘線中央から聴取されることから、児は頭位と判断できる。そのため骨盤位体操は必要ない。
2.(×)便秘がひどい場合は食物繊維の摂取や下剤の検討が必要になる。しかし、下剤については安易に市販薬を紹介せず、必ず医師に相談する。
3.(×)便秘の改善のためには水分摂取は重要である。
4.(○)「おなかが頻繁にはる」ことから、早産につながる危険性も考慮して、無理をせず自宅で過ごすことを勧める。
2.(×)便秘がひどい場合は食物繊維の摂取や下剤の検討が必要になる。しかし、下剤については安易に市販薬を紹介せず、必ず医師に相談する。
3.(×)便秘の改善のためには水分摂取は重要である。
4.(○)「おなかが頻繁にはる」ことから、早産につながる危険性も考慮して、無理をせず自宅で過ごすことを勧める。
■Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長160cm、体重60kg(非妊時54kg)である。診察の結果、切迫早産と診断された。その他の異常は指摘されていない。注意すべき検査項目はどれか。
1.CRP2.尿蛋白
3.AST(GOT)
4.ヘモグロビン
5.プロトロンビン時間
【正解】1″
1.(○)CRPの上昇は子宮内の感染を示し、高値になれば妊娠を継続させることはできない。
■Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長160cm、体重60kg(非妊時54kg)である。診察の結果、切迫早産と診断された。その他の異常は指摘されていない。Aさんは入院し、子宮収縮抑制薬の点滴静脈内注射が開始された。入院翌日の朝、1時間に2、3回の不規則な子宮収縮はあるが痛みはない。性器出血はない。子宮口は閉鎖している。体温37.1℃。脈拍88/分、整。血圧130/76mmHg。この時点の看護計画として最も適切なのはどれか。
1.食事は流動食とする。2.清潔ケアは清拭とする。
3.排尿は毎回導尿とする
4.血圧を継続モニタリングする
【正解】2″
1.(×)食事は常食でよい。
2.(○)清潔ケアは清拭にする。
3.(×)排尿は床上排泄にする。
4.(×)子宮収縮を持続モニタリングする。
2.(○)清潔ケアは清拭にする。
3.(×)排尿は床上排泄にする。
4.(×)子宮収縮を持続モニタリングする。
■心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察に関する法律の目的はどれか。
1.社会復帰の促進2.責任能力の判定
3.刑務所での精神科治療
4.医療少年院での精神科治療
【正解】1″
1.(○)第1条で「疾病の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする」と述べられている。
2.(×)責任能力の判定が目的ではない。検察官の申し立てにより地方裁判所で、本制度による処遇の要否と内容を決定する。
3.(×)刑務所での治療が目的ではなく、治療は指定医療機関で行われる。
4.(×)医療少年院での精神科治療が目的ではなく、治療は指定医療機関で行われる。
2.(×)責任能力の判定が目的ではない。検察官の申し立てにより地方裁判所で、本制度による処遇の要否と内容を決定する。
3.(×)刑務所での治療が目的ではなく、治療は指定医療機関で行われる。
4.(×)医療少年院での精神科治療が目的ではなく、治療は指定医療機関で行われる。
■オランザピン〈非定型抗精神病薬〉内服中の患者で最も注意しなければならない
のはどれか。
1.高血圧2.高血糖
3.高尿酸血症
4.高アンモニア血症
5.高ナトリウム血症
【正解】2″
1.(×)血圧の変動では起立性低血圧に注意する。
2.(○)平成14年緊急安全情報で重篤な高血糖、糖尿病ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡の副作用が報告されている。
3.(×)トリグリセリド、コレステロール上昇など高脂血症が出現することがある。
4.(×)肝機能障害が現れることがある。またミオグロビンの上昇には注意が必要である。
5.(×)低ナトリウム血症が現れることがある。
2.(○)平成14年緊急安全情報で重篤な高血糖、糖尿病ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡の副作用が報告されている。
3.(×)トリグリセリド、コレステロール上昇など高脂血症が出現することがある。
4.(×)肝機能障害が現れることがある。またミオグロビンの上昇には注意が必要である。
5.(×)低ナトリウム血症が現れることがある。
■37歳の女性。夫との2人暮らし。3年前の結婚を機に勤めていた会社を退職した。結婚当初から、夫の帰りが遅いことに寂しさを強く感じていた。寝つきが悪くなり、当初は350mlのビールを飲むことでよく眠れていたが、2年前からは1日平均720ml以上の焼酎を飲むようになった。半年前からは昼間でも飲酒をするようになり、飲み過ぎて記憶がなくなることもしばしばあった。10日前から食欲不振と全身倦怠感とが著しくなり、3日前から食事やアルコールの摂取ができなくなった。
本日、夫の帰宅後「家の中に虫が群がっていくのが見える」と震えながら言い、裸足で家の外に出ようとしたため、夫に伴われ救急外来を受診し、即日入院となった。入院時検査で軽度の脱水と肝機能異常とが認められた。診断で最も考えられるのはどれか。
1.せん妄2.躁うつ病
3.強迫性障害
4.コルサコフ症候群
【正解】1″
1.(○)3日前からアルコールの摂取はなく、離脱症状のせん妄が考えられる。
2.(×)躁うつ病は双極性の感情傷害であり、このケースでは考えにくい。
3.(×)強迫性傷害は強迫観念と強迫行動に裏付けられ、このケースでは考えにくい。
4.(×)コルサコフ症候群は記銘力、見当識障害と作話を特徴とする。アルコール依存症が進むと起こす可能性はあるが、言動から現段階では考えにくい。
2.(×)躁うつ病は双極性の感情傷害であり、このケースでは考えにくい。
3.(×)強迫性傷害は強迫観念と強迫行動に裏付けられ、このケースでは考えにくい。
4.(×)コルサコフ症候群は記銘力、見当識障害と作話を特徴とする。アルコール依存症が進むと起こす可能性はあるが、言動から現段階では考えにくい。
■高齢者のうつ病の特徴はどれか。
1.認知機能への影響はない。2.不安を訴えることはまれである。
3.悲哀感を強く訴えることが多い。
4.身体の不調を強く訴えることが多い。
【正解】4″
1.(×)記憶力の減退など認知症との鑑別が必要になる。
2.(×)不安や焦燥感を訴えることが多い。
3.(×)生きがいや興味の喪失などを訴える。
4.(○)肩こり、食欲不振、不眠など身体症状を伴うことが多い。
2.(×)不安や焦燥感を訴えることが多い。
3.(×)生きがいや興味の喪失などを訴える。
4.(○)肩こり、食欲不振、不眠など身体症状を伴うことが多い。
■30歳の男性。近所の人に会ってもお辞儀はできるが会話ができない。「外出すると知り合いの人に会うので怖い。人と気の利いた話ができない自分はだめな人間」と繰り返し訴える。この患者に行う療法として最も適切なのはどれか。
1.認知行動療法2.家族療法
3.作業療法
4.集団精神療法
【正解】1″
1.(○)知り合いと会うのが怖く、自分はダメな人間という自動思考が働いている。この場合は、まず認知行動療法が最適。
2.(×)家族療法は家族メンバーと本人を含めて行うものだが、この場合は家族の問題よりも、本人自身に働きかけていったほうが適切。
3.(×)作業療法とは、身体または精神に障害のあるものに対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸や工作その他の作業を行うことをいう。この場合は適切な情報がない。
4.(×)現在、知人への恐怖があり、集団精神療法が適切とは言えない。
2.(×)家族療法は家族メンバーと本人を含めて行うものだが、この場合は家族の問題よりも、本人自身に働きかけていったほうが適切。
3.(×)作業療法とは、身体または精神に障害のあるものに対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸や工作その他の作業を行うことをいう。この場合は適切な情報がない。
4.(×)現在、知人への恐怖があり、集団精神療法が適切とは言えない。
■精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が規定する行動制限で、看護師の判断で行うことができるのはどれか。
1.隔離の実施2.手紙発信の制限
3.身体的拘束の実施
4.ケア時、隔離の一時的中断
【正解】4″
1.(×)第36条に述べられているように、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ隔離を行うことはできない。
2.(×)第36条に述べられているように、信書の発受の制限は行ってはならない。
3.(×)第36条に述べられているように、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ、身体的拘束を行うことはできない。
4.(○)医師の指示の範囲内であれば、看護師の判断で行うことは可能だと判断する。
2.(×)第36条に述べられているように、信書の発受の制限は行ってはならない。
3.(×)第36条に述べられているように、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ、身体的拘束を行うことはできない。
4.(○)医師の指示の範囲内であれば、看護師の判断で行うことは可能だと判断する。
■20歳の男性。両親は5年前に事故で他界し、73歳の祖母との2人暮らし。元来内気で友人も少ない。1年前から「心臓がとける」、「動くと心臓が変形して止まりそう」と言い、大学を中退し家に引きこもっている。家では1日中パソコンに向かい昼夜逆転となり、祖母が注意をするが聞き入れない。他県に住んでいた親戚がこのような状況に気付き、本人を連れて精神科病院を受診し、統合失調症と診断され任意入院となった。
みられる症状はどれか。
1.解離2.体感幻覚
3.心気妄想
4.被害妄想
5.思考奔逸
【正解】2″
1.(×)解離とは自分の身体を自分が支配しているという感覚がなくなったように感じることであり、訴えには当てはまらない。
2.(○)体感幻覚とは奇妙な体感の異常であり、心臓がとろける、変形するという訴えに当てはまる。
3.(×)心気妄想とは病気になっていないのに不治の病であると思い込むことであり、訴えには当てはまらない。
4.(×)被害妄想とは危害を加えられていないのに加えられていると思い込むことであり、訴えには当てはまらない。
5.(×)思考奔逸とは考えが次々にわき起こりまとまらないことであり、訴えには当てはまらない。
2.(○)体感幻覚とは奇妙な体感の異常であり、心臓がとろける、変形するという訴えに当てはまる。
3.(×)心気妄想とは病気になっていないのに不治の病であると思い込むことであり、訴えには当てはまらない。
4.(×)被害妄想とは危害を加えられていないのに加えられていると思い込むことであり、訴えには当てはまらない。
5.(×)思考奔逸とは考えが次々にわき起こりまとまらないことであり、訴えには当てはまらない。
■20歳の男性。両親は5年前に事故で他界し、73歳の祖母との2人暮らし。元来内気で友人も少ない。1年前から「心臓がとける」、「動くと心臓が変形して止まりそう」と言い、大学を中退し家に引きこもっている。家では1日中パソコンに向かい昼夜逆転となり、祖母が注意をするが聞き入れない。他県に住んでいた親戚がこのような状況に気付き、本人を連れて精神科病院を受診し、統合失調症と診断され任意入院となった。
退院に際し、患者が健康管理について心配しているため訪問看護を利用することとなった。祖母は、入院前は患者の世話や家事一切を行っていたが、最近は変形性膝関節症のため患者の部屋がある2階への行き来や掃除が負担になっている。訪問看護以外で適切な社会資源はどれか。2つ選べ。
1.就労継続支援2.精神科デイケア
3.グループホーム
4.社会適応訓練事業
5.ホームヘルプサービス
【正解】2,5
1.(×)就労支援に関しては、いずれは必要になってくるが時期尚早である。
2.(○)引きこもりにならないように、居場所づくりや生活のリズムづくり、仲間との交流をもつことができるように精神科デイケアは必要である。
3.(×)現在のところ祖母と暮らすことができるので、必要ではない。
4.(×)協力事業所での作業に入り、集中力や持続力、環境への適応能力、対人関係能力を身につけるためにいずれ必要になってくるが、現在は時期尚早である。
5.(○)現在、祖母が変形性膝関節症により家事ができないため、ホームヘルプサービスを受けることが適切である。
2.(○)引きこもりにならないように、居場所づくりや生活のリズムづくり、仲間との交流をもつことができるように精神科デイケアは必要である。
3.(×)現在のところ祖母と暮らすことができるので、必要ではない。
4.(×)協力事業所での作業に入り、集中力や持続力、環境への適応能力、対人関係能力を身につけるためにいずれ必要になってくるが、現在は時期尚早である。
5.(○)現在、祖母が変形性膝関節症により家事ができないため、ホームヘルプサービスを受けることが適切である。
■62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。
診察室ではうつろな表情で落ち着きがない様子であるが、興奮することはない。外来での対応で最も優先度が高いのはどれか。
1.頭部CT2.腰椎穿刺
3.隔離室への保護
4.抗精神病薬の投与
【正解】1″
1.(○)脳出血、脳梗塞、脳腫瘍など一次性脳機能障害と二次性脳機能障害による精神症状の鑑別のため、頭部CT検査の優先度が高い。
2.(×)髄膜炎、くも膜下出血、多発性硬化症などの鑑別のために、腰椎穿刺が必要になってくる。
3.(×)現在興奮はなく、隔離室への保護は精神保健指定医の指示がなければ行うことはできない。
4.(×)抗精神病薬は医師の診断後、指示があり投与する。
2.(×)髄膜炎、くも膜下出血、多発性硬化症などの鑑別のために、腰椎穿刺が必要になってくる。
3.(×)現在興奮はなく、隔離室への保護は精神保健指定医の指示がなければ行うことはできない。
4.(×)抗精神病薬は医師の診断後、指示があり投与する。
■精神疾患と神経伝達物質の組合せで関係が深いのはどれか。
1.統合失調症 - ドパミン2.アルツハイマー型認知症 - セロトニン
3.神経症 - アドレナリン
4.うつ病 - アセチルコリン
【正解】1″
1.(○)統合失調症はドパミンの過剰と関連している。
2.(×)アルツハイマー型認知症はアセチルコリンと関連している。
3.(×)アドレナリンは交感神経と関連している。
4.(×)うつ病はセロトニンやノルアドレナリンが関係している。
2.(×)アルツハイマー型認知症はアセチルコリンと関連している。
3.(×)アドレナリンは交感神経と関連している。
4.(×)うつ病はセロトニンやノルアドレナリンが関係している。
■患者の父親は、飲酒と暴力とで家族に苦労をかけ亡くなった。その父親に面影が似ている担当看護師に対して不自然なほど拒否的で攻撃的になっている。患者にみられるのはどれか。
1.投影2.逆転移
3.同一化
4.陰性転移
【正解】4″
1.(×)投影とは、自分自身の認めたくない感情や衝動を他人が自分に対して持っているように思いこむことである。
2.(×)逆転移とは、患者が治療者に向ける個人的な感情に刺激されて、治療者の方も個人的な感情をもつことである。
3.(×)同一化とは、尊敬する人や好きな人の考え方や行動様式をまねたり感情移入したりすることである。
4.(○)陰性転移とは、患者が治療者に向けて怒りや拒否、軽蔑などの個人的な感情を向けることである。
2.(×)逆転移とは、患者が治療者に向ける個人的な感情に刺激されて、治療者の方も個人的な感情をもつことである。
3.(×)同一化とは、尊敬する人や好きな人の考え方や行動様式をまねたり感情移入したりすることである。
4.(○)陰性転移とは、患者が治療者に向けて怒りや拒否、軽蔑などの個人的な感情を向けることである。
■悪性症候群の症状はどれか。
1.徐脈2.便秘
3.発熱
4.過飲水
【正解】3″
悪性症候群は、抗精神病薬の投与中やパーキンソン病薬の中断時に起こる重篤な副作用である。38℃以上の発熱、筋固縮、意識障害、頻脈、低酸素血症、発汗、流涎、尿失禁、白血球増加、代謝性アシドーシスなどがある。
■53歳の男性。統合失調症で入院した。退院後、ホームヘルプ(居宅介護)の利用を希望している。事前に必要なのはどれか。
1.障害認定2.要介護認定
3.生活保護認定
4.障害支援区分認定
【正解】4″
1.(×)障害認定は、身体機能の障害や長期の安静を必要とする場合が対象である。
2.(×)要介護認定は、40歳以上65歳未満で特定疾患に該当する場合に対象となる。統合失調症は特定疾患に含まれていない。
3.(×)生活保護は、国で定める生活水準を下回る場合に、足りない部分を保障する制度である。
4.(○)障害者自立支援法に基づき、利用を希望するサービスに応じて障害支援区分認定を受ける必要がある。
2.(×)要介護認定は、40歳以上65歳未満で特定疾患に該当する場合に対象となる。統合失調症は特定疾患に含まれていない。
3.(×)生活保護は、国で定める生活水準を下回る場合に、足りない部分を保障する制度である。
4.(○)障害者自立支援法に基づき、利用を希望するサービスに応じて障害支援区分認定を受ける必要がある。
■39歳の男性。統合失調症。発症から20年が経過している。単身生活をしているが、以前から言語化が苦手で対人関係に疲れ、不安焦燥感が強くなると過飲食となり、生活に困難をきたすほど飲食代がかさみ入退院を繰り返す傾向があった。今回も同様の状態となったため患者本人の希望で開放病棟に入院した。
患者は、絶えずコップを持って洗面所にいることが多い。また、自動販売機の前で清涼飲料水を飲んでいるのも観察され飲水過多傾向にあると思われた。対応で優先されるのはどれか。
1.飲水をやめるように話す。2.身体症状があれば経過を観察する。
3.起床時と就寝時との尿比重を計測する。
4.本人の飲水用コップをナースステーションで管理する。
【正解】3″
飲水過多かどうか客観的な評価がまず必要である。日中と睡眠時の飲水の状態を把握するのに、まず体重の変化と尿比重の変化を推測する。
■39歳の男性。統合失調症。発症から20年が経過している。単身生活をしているが、以前から言語化が苦手で対人関係に疲れ、不安焦燥感が強くなると過飲食となり、生活に困難をきたすほど飲食代がかさみ入退院を繰り返す傾向があった。今回も同様の状態となったため患者本人の希望で開放病棟に入院した。
入院後2週が経過した。不安は軽減しないが夜間は良く眠れている。身体的な訴えもない。入院時身長165cm、体重80kgであったが、今朝の排泄後の体重は85kgであった。体重増加の原因はどれか。
1.活動性低下2.慢性的な便秘
3.うっ血性心不全
4.常同的な過飲食
【正解】4″
1.(×)低活動の情報はない。また仮に低活動だったとしても2週間で5kgもの体重増加にはつながらない。
2.(×)慢性的な便秘の情報はない。
3.(×)うっ血性心不全の情報はない。
4.(○)患者は不安焦燥感が強くなると過食になるという情報がある。入院後の患者の不安は軽減しておらず、清涼飲料水を飲んでいたという情報もあることから、原因として過飲食が考えられる。
2.(×)慢性的な便秘の情報はない。
3.(×)うっ血性心不全の情報はない。
4.(○)患者は不安焦燥感が強くなると過食になるという情報がある。入院後の患者の不安は軽減しておらず、清涼飲料水を飲んでいたという情報もあることから、原因として過飲食が考えられる。
■19歳の男性。大学生。両親と兄の4人家族。1か月前から自室で独語をしながら片脚跳びをしている。母親に注意されると「『これをやめたら人生ゲームに乗り遅れる。やめたらおまえの負けだ』と言う声が聞こえてくる」と言い、夜間も頻繁に行っていた。母親が早く寝るように言うと、殴りかかろうとしたこともあった。次第に、食事や睡眠がとれなくなり、父親と兄に伴われ精神科病院を受診した。父親と精神保健指定医とに説得され入院の勧めに応じた。
入院形態はどれか。
1.措置入院2.任意入院
3.医療保護入院
4.緊急措置入院
【正解】2″
1.(×)措置入院とは、自傷他害の恐れがある患者に対し、2名以上の精神保健指定医が判断して、知事の権限で強制的に入院させる制度である。
2.(○)任意入院は本人の同意に基づく入院である。
3.(×)医療保護入院とは、本人の同意は得られないが、保護者の同意に基づいて入院させる制度である。
4.(×)緊急措置入院とは、自傷他害の恐れがあり、緊急を要すると精神保健指定医が判断し、知事が認めた場合の入院制度である。
2.(○)任意入院は本人の同意に基づく入院である。
3.(×)医療保護入院とは、本人の同意は得られないが、保護者の同意に基づいて入院させる制度である。
4.(×)緊急措置入院とは、自傷他害の恐れがあり、緊急を要すると精神保健指定医が判断し、知事が認めた場合の入院制度である。
■19歳の男性。大学生。両親と兄の4人家族。1か月前から自室で独語をしながら片脚跳びをしている。母親に注意されると「『これをやめたら人生ゲームに乗り遅れる。やめたらおまえの負けだ』と言う声が聞こえてくる」と言い、夜間も頻繁に行っていた。母親が早く寝るように言うと、殴りかかろうとしたこともあった。次第に、食事や睡眠がとれなくなり、父親と兄に伴われ精神科病院を受診した。父親と精神保健指定医とに説得され入院の勧めに応じた。
消灯後自室(個室)で片脚跳びを続けている患者に声をかけたところ、突然怒りだし、なだめようとするがゴミ箱を蹴るなどの攻撃性がエスカレートしてきた。対応で適切なのはどれか。
1.このままだと隔離室に入室することになると伝える。2.複数の看護師が病室に出向いて話を聞く。
3.興奮を静めるためにタッチングをする。
4.乱暴な振る舞いをしないよう注意する。
【正解】2″
1.(×)看護師の力をふりかざすと、患者の攻撃性を刺激することになり、適切でない。
2.(○)患者も看護師も安全であることが重要である。複数の看護師が来室すると、患者は安心しやすい。安心させたうえで話をするようにする。
3.(×)攻撃的な患者にタッチングしようとすると、患者は危険を感じてさらに攻撃的になりやすい。
4.(×)行動を注意することが、患者の攻撃性をさらに刺激することにつながる。
2.(○)患者も看護師も安全であることが重要である。複数の看護師が来室すると、患者は安心しやすい。安心させたうえで話をするようにする。
3.(×)攻撃的な患者にタッチングしようとすると、患者は危険を感じてさらに攻撃的になりやすい。
4.(×)行動を注意することが、患者の攻撃性をさらに刺激することにつながる。
■19歳の男性。大学生。両親と兄の4人家族。1か月前から自室で独語をしながら片脚跳びをしている。母親に注意されると「『これをやめたら人生ゲームに乗り遅れる。やめたらおまえの負けだ』と言う声が聞こえてくる」と言い、夜間も頻繁に行っていた。母親が早く寝るように言うと、殴りかかろうとしたこともあった。次第に、食事や睡眠がとれなくなり、父親と兄に伴われ精神科病院を受診した。父親と精神保健指定医とに説得され入院の勧めに応じた。
患者は看護師に「声が聞こえてくると、どうしても片脚跳びをやってしまう」と訴えている。対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「声が聞こえるのですね。つらいですね」2.「誰が何と言っていますか。詳しく教えてください」
3.「体が心配です。できるだけ休んでください」
4.「片脚跳びをやめても何事も起きないから大丈夫ですよ」
5.「声が言っていることは間違っていますよ」
【正解】1,3
1.(○)幻聴に苦しんでいる患者の気持ちを推察して看護師が感じた感情を伝えるのは、看護師が行う最も重要なケアの一つである。
2.(×)詳しく問いただすことで、患者が幻聴の世界にますます入り込んでしまう。
3.(○)体を心配する看護師の言葉は患者に届くものである。
4.(×)現実を提示し、幻聴と距離を置かせることは重要だが、1.3の対応より優先度は低い。
5.(×)幻聴を否定すると、患者は反対に幻聴への確信を強めることが多い。
2.(×)詳しく問いただすことで、患者が幻聴の世界にますます入り込んでしまう。
3.(○)体を心配する看護師の言葉は患者に届くものである。
4.(×)現実を提示し、幻聴と距離を置かせることは重要だが、1.3の対応より優先度は低い。
5.(×)幻聴を否定すると、患者は反対に幻聴への確信を強めることが多い。
■統合失調症の陰性症状はどれか。
1.作為体験2.感情鈍麻
3.滅裂思考
4.被害妄想
【正解】2″
統合失調症には、幻覚や妄想、興奮といった陽性感情と、感情鈍麻を主体とした陰性感情がある。
■65歳の男性。脳炎後に些細なことで興奮するようになって入院した。翌日、午後のおやつを食べた直後に、患者は「おやつはどうしたんだ。俺のだけ隠しているだろう」と強い口調で言った。対応で誤っているのはどれか。
1.「そんなに怒らないでください」2.「何を食べることになっていましたか」
3.「おやつの時間にはいらしてましたよ」
4.「言いに来てくださってありがとうございます」
【正解】1″
1.(○)患者の怒りを否定する表現は、患者の怒りを助長する可能性が高く、逆効果である。
2.(×)確認に働きかけることで、怒りが軽減する場合がある。
3.(×)事実を呈示して、現実検討力を高めることが役立つ患者もいる。
4.(×)患者が言いにきてくれたことを認めて、言うことができていると評価することが効果的な患者もいる。
2.(×)確認に働きかけることで、怒りが軽減する場合がある。
3.(×)事実を呈示して、現実検討力を高めることが役立つ患者もいる。
4.(×)患者が言いにきてくれたことを認めて、言うことができていると評価することが効果的な患者もいる。
■「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の平成7年(1995年)改正で充実が図られたのはどれか。
1.精神障害者の福祉2.通院医療費の公費負担
3.社会復帰施設の法制化
4.患者の意思に基づいた入院形態
【正解】1″
1.(○)精神障害者の社会復帰、自立と社会参加の促進に加え、障害者福祉の観点が取り入れられた。
2.(×)通院医療費の公費負担については、従来の「精神保健法」から始まっている。
3.(×)社会復帰施設の法制化は1987年に始まっている。
4.(×)任意入院としての患者の意思に基づいた入院制度は古くからある。
2.(×)通院医療費の公費負担については、従来の「精神保健法」から始まっている。
3.(×)社会復帰施設の法制化は1987年に始まっている。
4.(×)任意入院としての患者の意思に基づいた入院制度は古くからある。
■52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。
入院直後から粗大な全身の震え、不眠、多量発汗がみられた。眼振はなかった。前回の入院時には、入院3日に「壁中に虫が這いまわっている」と訴え落ち着かない状況があった。今後の状態で最も予測されるのはどれか。
1.肝性昏睡2.振戦せん妄
3.ウェルニッケ脳症
4.アルコール性認知(痴呆)症
【正解】2″
1.(×)肝性脳症は、肝硬変の非代償期でアンモニアの代謝が肝臓でできなくなり、脳障害を起こした状態である。
2.(○)振戦せん妄とは、アルコールを長期に過剰に摂取した依存症患者が、断酒したときに出現するせん妄状態をいう。不安・興奮・錯乱などのほか、小動物の幻視、手指の振戦、頻脈、発汗などがみられる。
3.(×)ウェルニッケ脳症とは、重篤な脳障害のひとつである。
4.(×)アルコール性認知症とは、長期のアルコール摂取によって脳に器質的な病変を起こし、痴呆症状が出現するものをいう。
2.(○)振戦せん妄とは、アルコールを長期に過剰に摂取した依存症患者が、断酒したときに出現するせん妄状態をいう。不安・興奮・錯乱などのほか、小動物の幻視、手指の振戦、頻脈、発汗などがみられる。
3.(×)ウェルニッケ脳症とは、重篤な脳障害のひとつである。
4.(×)アルコール性認知症とは、長期のアルコール摂取によって脳に器質的な病変を起こし、痴呆症状が出現するものをいう。
■35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分はこの5日間ほとんど摂っていない。
この時点の患者のアセスメントで正しいのはどれか。
1.躁状態2.かん黙状態
3.せん妄状態
4.幻覚妄想状態
【正解】1″
1.(○)躁状態では、気分の高揚、興奮などが起こり、多弁・多動の状態が起こる。興奮により自己コントロールがきかないなどの特徴がある。
2.(×)かん黙状態とは、発声機能に障害がなく、失語症もないのに喋らない状態である。
3.(×)せん妄とは軽度~中等度の意識混濁に幻覚が加わり、不安や興奮を伴っている状態である。
4.(×)幻覚妄想状態とは、幻聴や幻視とともに被害妄想などの思考の障害を体験している状態である。
2.(×)かん黙状態とは、発声機能に障害がなく、失語症もないのに喋らない状態である。
3.(×)せん妄とは軽度~中等度の意識混濁に幻覚が加わり、不安や興奮を伴っている状態である。
4.(×)幻覚妄想状態とは、幻聴や幻視とともに被害妄想などの思考の障害を体験している状態である。
■35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分はこの5日間ほとんど摂っていない。
患者は服薬を勧める看護師に「おまえは俺を廃人にしようとしている。俺をだまそうとしてもそうはいかない」と激しく攻撃したため、患者に必要性を説明した上で抗精神病薬を点滴静脈内注射し、休息を確保することになった。最も優先される観察項目はどれか。
1.排泄2.体重
3.発熱
4.嘔気
【正解】3″
抗精神病薬の点滴静脈内注射を行う場合は、悪性症候群の副作用に注意する。興奮が強く、拒食傾向のある患者ほど副作用(筋硬直、発熱、発汗、頻脈、昏迷など)が出現しやすい。
■統合失調症で長期入院している患者。体格はやせ型で中背、活動性はやや低下している。状態が安定し退院が予定され、受け持ち看護師を中心とした支援チームが作られた。参加を求める職種で優先度の高いのはどれか。
a.管理栄養士
b.精神保健福祉士
c.作業療法士
d.理学療法士
1.a、b2.a、c
3.b、c
4.c、d
【正解】3″
1.(×)食事の栄養的な側面ではなく、退院に際して食生活を自分で整えるためにはどうしたらよいかを検討する必要がある。
2.(○)精神保健福祉士は、日常生活を営むうえでの収入源や社会保障費をはじめ、退院後の生活における社会資源などを検討するうえで重要な役割を果たす。
3.(○)患者の活動性が低下しているので、作業療法士による日常生活技能を高めるための助言が必要になる。
4.(×)理学療法士は身体機能の維持、増進に働きかける職種であるが、本事例での必要性は低い。
2.(○)精神保健福祉士は、日常生活を営むうえでの収入源や社会保障費をはじめ、退院後の生活における社会資源などを検討するうえで重要な役割を果たす。
3.(○)患者の活動性が低下しているので、作業療法士による日常生活技能を高めるための助言が必要になる。
4.(×)理学療法士は身体機能の維持、増進に働きかける職種であるが、本事例での必要性は低い。
■精神保健活動における二次予防はどれか。
1.精神科デイケアで生活技能訓練〈SST〉を行う。2.精神疾患をもつ人々に、再燃を予防するための教育を行う。
3.地域の住民を対象に、ストレスマネジメントの講演会を行う。
4.会社の健康診断でうつ傾向があると判断された人に面接を行う。
【正解】4″
1.(×)生活技能訓練(SST)は、日常生活を送るためのリハビリテーションにあたり、三次予防の活動である。
2.(×)再燃予防の教育は、三次予防にあたる。
3.(×)ストレスマネジメントは健康増進活動であるため、一次予防に該当する。
4.(○)早期発見、早期治療にあたるため、二次予防である。
2.(×)再燃予防の教育は、三次予防にあたる。
3.(×)ストレスマネジメントは健康増進活動であるため、一次予防に該当する。
4.(○)早期発見、早期治療にあたるため、二次予防である。
■フロイト.Sのいう現実原則に従って機能し、防衛機制を働かせるのはどれか。
1.イド2.自我
3.超自我
4.リビドー
【正解】2″
1.(×)イドとは心的エネルギーの源のことである。
2.(○)自我とは、現実的に受け入れられる形でイドを満足させる(防衛機制)働きをもつ。
3.(×)超自我とは、自我を監視する役割を担う。
4.(×)リビドーとは、人間に生得的に備わっている「本能」エネルギーのことである。
2.(○)自我とは、現実的に受け入れられる形でイドを満足させる(防衛機制)働きをもつ。
3.(×)超自我とは、自我を監視する役割を担う。
4.(×)リビドーとは、人間に生得的に備わっている「本能」エネルギーのことである。
■精神保健福祉センターの役割はどれか。
1.精神障害者の更生保護2.精神障害児の緊急一時保護
3.精神障害者への障害年金の給付
4.市町村への精神保健業務の技術指導
【正解】4″
1.(×)更生保護とは、犯してしまった罪を償い、社会の一員として立ち直るのを助けることで、精神障害者が罪を犯した場合でも、その管轄は保護観察所となる。
2.(×)短期入所施設(ショートステイ)の役割である。
3.(×)障害者年金は、対象者がそのときに加入していた年金制度から給付される。
4.(○)精神保健福祉センターとは、精神保健の向上と精神障害者福祉の増進のため、精神保健に関する知識の普及、調査・研究・相談・指導等を行う。精神保健福祉法によって都道府県及び政令指定都市に設置することが定められている。
2.(×)短期入所施設(ショートステイ)の役割である。
3.(×)障害者年金は、対象者がそのときに加入していた年金制度から給付される。
4.(○)精神保健福祉センターとは、精神保健の向上と精神障害者福祉の増進のため、精神保健に関する知識の普及、調査・研究・相談・指導等を行う。精神保健福祉法によって都道府県及び政令指定都市に設置することが定められている。
■精神障害者保健福祉手帳について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.交付を受けた者の写真は添付しない。2.交付を受けた者は、住民税の控除が受けられる。
3.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で規定されている。
4.交付を受けた者の公共交通機関運賃の割引は、全国一律で適用される。
5.交付を受けた者は、精神障害の状態についての認定を毎年受ける必要がある。
【正解】2,3
1.(×)交付を受けた者の写真を添付する。
2.(○)交付を受けた者は、住民税の控除が受けられる。
3.(○)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で規定されている。
4.(×)交付を受けた者の公共交通機関運賃の割引は、自治体によって異なる。
5.(×)精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間で、2年ごとに更新を行う必要がある。
2.(○)交付を受けた者は、住民税の控除が受けられる。
3.(○)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で規定されている。
4.(×)交付を受けた者の公共交通機関運賃の割引は、自治体によって異なる。
5.(×)精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間で、2年ごとに更新を行う必要がある。
■リラクセーション法はどれか。2つ選べ。
1.自律訓練法2.サイコドラマ
3.認知再構成法
4.漸進的筋弛緩法
5.アサーショントレーニング
【正解】1,4
1.(○)自律訓練法はシュルツが始めた、リラクセーションの自己催眠の方法である。
2.(×)サイコドラマはモレニによって始められ、演技を通じて理解を深めていく集団精神療法である。
3.(×)認知再構成法は思考記録表を用い、どのような気分がしてどのようなことを考えたのか、他の考え方はないのか改善の糸口をみつける。
4.(○)漸進的筋弛緩法は、手から徐々に身体の筋をリラックスしていく方法である。
5.(×)アサーショントレーニングは、自己主張訓練で自分の考えを伝えようとする。
2.(×)サイコドラマはモレニによって始められ、演技を通じて理解を深めていく集団精神療法である。
3.(×)認知再構成法は思考記録表を用い、どのような気分がしてどのようなことを考えたのか、他の考え方はないのか改善の糸口をみつける。
4.(○)漸進的筋弛緩法は、手から徐々に身体の筋をリラックスしていく方法である。
5.(×)アサーショントレーニングは、自己主張訓練で自分の考えを伝えようとする。
■介護保険法で正しいのはどれか。
1.自己負担費用は3割である。2.要介護認定は都道府県が行う。
3.施設サービスとして食費が支給される。
4.被保険者は40歳以上の医療保険加入者である。
【正解】4″
1.(×)自己負担率は1割であるが、それを超えて利用者が特別なサービスを選択した場合は利用者がその費用を全額負担する。
2.(×)要介護認定は市町村などに設置されている介護認定審査会が行う。
3.(×)施設入所者の住居費・食費については原則として自己負担である。
4.(○)被保険者は65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分されている。
2.(×)要介護認定は市町村などに設置されている介護認定審査会が行う。
3.(×)施設入所者の住居費・食費については原則として自己負担である。
4.(○)被保険者は65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分されている。
■社会福祉行政業務報告におこる生活保護開始の理由で最も多いのはどれか。
1.世帯主の傷病2.世帯員の傷病
3.働きによる収入減
4.働いていた者の死亡、離別等
【正解】3″
生活保護開始の理由は長年「疾病」であったが、近年では「収入」に関する項目が逆転している。
1.(×) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、傷病によるものは、生活保護開始の理由の28.0%を占めている。
2.(×) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、要介護状態によるものは、生活保護開始の理由の0.5%を占めている。
3.(○) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、働きによる収入減は、生活保護開始の理由の29.6%を占めており、最も多い。
4.(×)平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、貯金等の減少は、生活保護開始の理由の24.0%を占めている。
1.(×) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、傷病によるものは、生活保護開始の理由の28.0%を占めている。
2.(×) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、要介護状態によるものは、生活保護開始の理由の0.5%を占めている。
3.(○) 平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、働きによる収入減は、生活保護開始の理由の29.6%を占めており、最も多い。
4.(×)平成22(2010)年度の「社会福祉行政業務報告」によれば、貯金等の減少は、生活保護開始の理由の24.0%を占めている。
■婦人相談所の機能はどれか。
1.不妊治療相談2.子宮がん検診
3.母子健康手帳の交付
4.暴力被害女性の保護
【正解】4″
1.(×)不妊治療相談については都道府県、政令指定都市に専門機関を創設することが目標となっている。
2.(×)市町村が主体となって各市町村の保健センターなどで実施している。
3.(×)母子健康手帳は住所地の市町村で交付している。
4.(○)婦人相談所は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」に基づいてDVの被害者と同伴する家族の一時保護を行っている。
2.(×)市町村が主体となって各市町村の保健センターなどで実施している。
3.(×)母子健康手帳は住所地の市町村で交付している。
4.(○)婦人相談所は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」に基づいてDVの被害者と同伴する家族の一時保護を行っている。
■スクリーニング検査で特異性を高くした場合に正しいのはどれか。
1.偽陽性率は高くなる。2.偽陽性率は低くなる。
3.偽陰性率は高くなる。
4.偽陰性率は低くなる。
【正解】2″
検査の「特異性」とは、その検査がどれくらい正確に非有病者を見分けられるかを示す指標となる。検査の特異度を高くすると偽陽性率は低くなる。
■京都議定書が解決を目指す環境問題はどれか。
1.酸性雨2.海洋汚染
3.地球温暖化
4.オゾン層破壊
【正解】3″
1997年12月「気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)が京都で開催され、先進国の温室効果ガスの排出量削減目標等を定めた「京都議定書」が採択された。
■労働安全衛生法に規定されているのはどれか。
1.休憩時間2.健康診断
3.生理休暇
4.15歳未満者の労働
【正解】2″
1.(×)労働基準法第34条
2.(○)労働安全衛生法第66条。なお労働安全衛生法とは、業務内容の変化に即した健康障害防止対策の展開と快適な職場環境の形成を目指して制定されている。
3.(×)労働基準法第68条
4.(×)労働基準法第56条
2.(○)労働安全衛生法第66条。なお労働安全衛生法とは、業務内容の変化に即した健康障害防止対策の展開と快適な職場環境の形成を目指して制定されている。
3.(×)労働基準法第68条
4.(×)労働基準法第56条
■保健師助産師看護師法に基づくのはどれか。
1.業務停止2.債務不履行
3.損害賠償責任
4.業務上過失致死傷罪
【正解】1″
1.(○)「業務停止」については保健師助産師看護師法第14条に「保健師、助産師若しくは看護師が第9条各号のいずれかに該当するに至ったとき、又は保健師、助産師、看護師としての品位を損するような行為のあったときは、厚生労働大臣はその免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる」とある。
2.3.(×)民法に基づく。
4.(×)刑法に基づく。
2.3.(×)民法に基づく。
4.(×)刑法に基づく。
■国民健康保険で正しいのはどれか。
1.被用保険である。2.保険者は国である。
3.高額療養費制度がある。
4.財源は保険料のみである。
【正解】3″
1.(×)国民健康保険は、一般地域居住者を被保険者とする市町村の国民健康保険が中心となる保険である。事業所に使用される者を被保険者とする被用者保険とは異なる。
2.(×)保険者は市町村である。
3.(○)
4.(×)財源は保険料と国からの国庫負担金によってまかなわれている。
2.(×)保険者は市町村である。
3.(○)
4.(×)財源は保険料と国からの国庫負担金によってまかなわれている。
■健康問題と環境要因の組み合わせで正しいのはどれか。
1.難聴ー130dB以上の音2.熱中症ー低湿度
3.皮膚障害ー可視光線
4.シックハウス症候群ーダニ
【正解】1″
1.(○)一瞬にして音響外傷が起こり、難聴となる音の大きさは130dB以上である。
2.(×)熱中症は高温・多湿の環境下で、体温調節機能が働かなくなり発症する。
3.(×)日焼け、老人性色素斑、しみ・しわ、皮膚癌などの皮膚障害は可視光線ではなく紫外線によって発症する。
4.(×)シックハウス症候群の原因として、建材・接着剤からの多種の揮発性有機化合物がある。
2.(×)熱中症は高温・多湿の環境下で、体温調節機能が働かなくなり発症する。
3.(×)日焼け、老人性色素斑、しみ・しわ、皮膚癌などの皮膚障害は可視光線ではなく紫外線によって発症する。
4.(×)シックハウス症候群の原因として、建材・接着剤からの多種の揮発性有機化合物がある。
■予防接種法で1回のみの接種とされているのはどれか。
1.BCG2.ポリオ
3.三種混合(DPT)
4.麻疹風疹混合(MR)
【正解】1″
1.(○)BCGは1回である。
2.(×)ポリオはこれまで2回(経口摂取)であったが2012年9月から不活化ワクチン4回皮下注射接種に変更になった。
3.(×)三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)は1期初回:3回、1期追加:1回、2期:1回の5回である。
4.(×)麻疹風疹混合(MR)は1期:1回、2期:1回の計2回である。
2.(×)ポリオはこれまで2回(経口摂取)であったが2012年9月から不活化ワクチン4回皮下注射接種に変更になった。
3.(×)三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)は1期初回:3回、1期追加:1回、2期:1回の5回である。
4.(×)麻疹風疹混合(MR)は1期:1回、2期:1回の計2回である。
■「健やか親子21」の主要課題でないのはどれか。
1.思春期の保健対策強化2.子育てと仕事の両立支援
3.子どもの心の安らかな発達の促進
4.妊娠、出産に関する安全性と快適さの確保
【正解】2″
「健やか親子21」の主題課題は次の4点である。
1.思春期の保健対策の強化と健康教育の促進
2.妊娠、出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援
3.小児保健医療水準を維持、向上させるための環境整備
4.子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減
1.思春期の保健対策の強化と健康教育の促進
2.妊娠、出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援
3.小児保健医療水準を維持、向上させるための環境整備
4.子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減
■平成19年4月から施行された改正保健師助産師法で看護師に追加されたのはどれか。
1.名称独占2.業務独占
3.欠格事由
4.免許取得条件
【正解】1″
1(○)名称独占とは、業務は他の者が行ってもさしつかえないが、その際、その名称を使うことを許されないことをさす。
2(×)業務独占とは、資格をもっている者だけがその業務を行えるということ。看護師・助産師が該当(第30~32条)。
3(×)欠格事由とは、罰金以上の刑に処せられた者、業務に関し犯罪または不正の行為があった者、麻薬・大麻またはあへんの中毒者に該当する場合は免許を与えないことがあるというものである(第9条)
4(×)欠格事由のほか、国家試験受験資格等について規定されている。
2(×)業務独占とは、資格をもっている者だけがその業務を行えるということ。看護師・助産師が該当(第30~32条)。
3(×)欠格事由とは、罰金以上の刑に処せられた者、業務に関し犯罪または不正の行為があった者、麻薬・大麻またはあへんの中毒者に該当する場合は免許を与えないことがあるというものである(第9条)
4(×)欠格事由のほか、国家試験受験資格等について規定されている。
■労働基準法で規定されているのはどれか。
1.健康診断2.休憩時間
3.産業医の選任
4.雇用保険事業
【正解】2″
1.(×)健康診断は労働安全衛生法および労働安全衛生規則に規定がある。
2.(○)休憩時間に関しては、労働基準法第34条に規定されている。
3.(×)産業医の選任については、労働安全衛生法および労働安全衛生規則に規定がある。
4.(×)雇用保険事業については雇用保険法に規定がある。
2.(○)休憩時間に関しては、労働基準法第34条に規定されている。
3.(×)産業医の選任については、労働安全衛生法および労働安全衛生規則に規定がある。
4.(×)雇用保険事業については雇用保険法に規定がある。
■パソコンへのデータ入力を職業とする人の健康障害を予防する方法で適切なの
はどれか。
1.椅子に深く腰掛けて背もたれに背をあてる。2.500ルクス程度の直接照明で照度を確保する。
3.ディスプレイ画面と眼との視距離は30cm以内とする
4.3時間を超える連続作業には5分の休止時間を設ける。
【正解】1″
1.(○)新VDT作業ガイドラインより椅子に深く腰かけて背もたれに背を当て、履物の足裏全体が床に接した姿勢が基本となる。
2.(×)精密な作業の照度は300ルクス以上である。ディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上である。
3.(×)ディスプレイ画面と眼との視距離は40cm以上が確保できるようにする。
4.(×)一連続作業時間は1時間を超えない。作業休止時間は連続作業と連続作業の間に10~15分の作業休止時間を設ける。
2.(×)精密な作業の照度は300ルクス以上である。ディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上である。
3.(×)ディスプレイ画面と眼との視距離は40cm以上が確保できるようにする。
4.(×)一連続作業時間は1時間を超えない。作業休止時間は連続作業と連続作業の間に10~15分の作業休止時間を設ける。
■社会福祉法における福祉サービス利用援助事業で支援計画に基づき支援を実施 するのは誰か。
1.生活支援員2.市町村職員
3.かかりつけ医
4.訪問介護員(ホームヘルパー)
【正解】1″
1.(○)専門員(原則常勤)と生活支援員(非常勤)により実施されている。生活支援員は専門員の指示を受け具体的な援助を提供する。
2.(×)成年後見制度利用支援事業において、市町村長申し立てが必要な場合がある。
3.(×)新たな医療計画制度での医療連携体制の考え方により、成年後見制度で医師の鑑定書・診断書が必要となる。
4.(×)訪問介護員は介護保険法に基づき訪問介護を行う。
2.(×)成年後見制度利用支援事業において、市町村長申し立てが必要な場合がある。
3.(×)新たな医療計画制度での医療連携体制の考え方により、成年後見制度で医師の鑑定書・診断書が必要となる。
4.(×)訪問介護員は介護保険法に基づき訪問介護を行う。
■配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律〈DV防止法〉に、2004年の改正で新たに加えられたのはどれか。
1.離婚調停支援2.暴力被害者の自立支援
3.暴力被害者への接近禁止
4.地域のDVシェルターの建設推進
【正解】2″
1.(×)地方裁判所では被害者の申し立てにより加害者に対して、(1)接近禁止、(2)住居退去を命じることができる。
2.(○)被害者の自立のためには、生活保護や児童扶養手当の認定などの措置が重要であり、そのためこれらをつかさどる機関である福祉事務所に対し、自立支援のため必要な措置を講ずる努力義務を課している。また配偶者暴力相談支援センターに、自立にむけ、就業の促進や住宅の確保に関する情報提供や助言などを業務として明確化している。
3.(×)2001年DV防止法にて、裁判所から保護命令(6ヶ月間の接近禁止命令と2週間の退去命令)ができた。2004年は被害者と同居する子への接近禁止命令が追加された。
4.(×)2004年の改正では、配偶者暴力相談支援センターに、自立にむけた業務の明確化は行っているが、DVシェルターの建設推進については明記されていない。
2.(○)被害者の自立のためには、生活保護や児童扶養手当の認定などの措置が重要であり、そのためこれらをつかさどる機関である福祉事務所に対し、自立支援のため必要な措置を講ずる努力義務を課している。また配偶者暴力相談支援センターに、自立にむけ、就業の促進や住宅の確保に関する情報提供や助言などを業務として明確化している。
3.(×)2001年DV防止法にて、裁判所から保護命令(6ヶ月間の接近禁止命令と2週間の退去命令)ができた。2004年は被害者と同居する子への接近禁止命令が追加された。
4.(×)2004年の改正では、配偶者暴力相談支援センターに、自立にむけた業務の明確化は行っているが、DVシェルターの建設推進については明記されていない。
■被用者保険でないのはどれか。
1.船員保険2.国民健康保険
3.政府管掌健康保険
4.組合管掌健康保険
【正解】2″
社会保険は被用者保険(被用者のための職域保険)と地域保険(一般住民のための保険)に分けられる。被用者でない一般住民は地域保険である国民健康保険に加入することになる。
■配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律で、看護師が業務上、配偶者の暴力によって負傷したと認められる者を発見した際の通報先はどれか。
a.警察署
b.家庭裁判所
c.福祉事務所
d.配偶者暴力相談支援センター
1.a、b2.a、d
3.b、c
4.c、d
【正解】2″
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)では、配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するよう努めることについて規定している。
■介護予防の目的でないのはどれか。
1.介護者の負担の軽減2.介護保険給付費の抑制
3.介護サービスの地域格差の是正
4.自立した生活を送れる期間の延長
【正解】3″
介護予防の目的は、自立した生活を送れる期間の延長、介護期間の減少、介護者の負担の軽減、介護ニーズの増大による介護保険給付費の抑制などである。
■感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律で平成15年(2003年)に感染症として追加されたのはどれか。
1.インフルエンザ2.後天性免疫不全症候群
3.腸管出血性大腸菌感染症
4.重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスであるもの)
【正解】4″
感染症法(感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律)は平成10年に制定された。
■児童虐待の防止等に関する法律で、親の虐待によって負傷した児童を発見した際の通告先として規定されているのはどれか。2つ選べ。
1.警察署2.福祉事務所
3.家庭裁判所
4.児童相談所
5.教育委員会
【正解】2,4
2.4.(○)通告先として、福祉事務所と児童相談所が規定されている。
■看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている内容で、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.看護師免許の申請2.保健師等再教育研修
3.看護師等就業協力員の委嘱
4.看護師等学校養成所の指定
5.都道府県ナースセンターの指定
【正解】3,5
1.(×)保健師助産師看護師法に規定される。
2.(×)保健師助産師看護師法に規定される。
3.(○)看護師の人材確保の促進に関する法律に規定される。
4.(×)保健師助産師看護師法に規定される。
5.(○)看護師の人材確保の促進に関する法律に規定される。
2.(×)保健師助産師看護師法に規定される。
3.(○)看護師の人材確保の促進に関する法律に規定される。
4.(×)保健師助産師看護師法に規定される。
5.(○)看護師の人材確保の促進に関する法律に規定される。
■がん対策基本法において「疼痛に関する早期からの緩和ケア」が含まれている基本的施策はどれか。
1.予防の推進2.早期発見の推進
3.研究の推進等
4.がん医療の均てん化の促進等
【正解】4″
4.(○)早期からの緩和ケアは、施設によって差があるため、「がん医療の均てん化の促進等」の課題に当たる。
■国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。
1.国2.市町村
3.都道府県
4.共済組合
5.国民健康保険組合
【正解】2,5
1.(×)国は健康保険の保険者にはなっていない。
2.(○)市町村は国民健康保険の保険者である。
3.(×)都道府県は健康保険の保険者にはなっていない。
4.(×)共済組合は、国家・地方公務員などが加入する共済保険の保険者である。
5.(○)国民健康保険組合は、国民健康保険の保険者である。
2.(○)市町村は国民健康保険の保険者である。
3.(×)都道府県は健康保険の保険者にはなっていない。
4.(×)共済組合は、国家・地方公務員などが加入する共済保険の保険者である。
5.(○)国民健康保険組合は、国民健康保険の保険者である。
■災害時において最も優先して治療を行うのはどれか。
1.胸髄以下の脊髄損傷2.四肢の単純骨折
3.過換気症候群
4.気道熱傷
【正解】4″
1.(×)胸髄以下の脊髄損傷では、呼吸や循環が維持される。
2.(×)神経や筋肉など軟部組織への損傷がないため、優先度は低い。
3.(×)過換気症候群は、パニックによる過呼吸が原因であり、二酸化炭素を再呼吸するうちに症状は軽快する。
4.(○)気道熱傷では、気道浮腫によって窒息を起こす危険性が高いので、ただちに気道確保を行う必要がある。
2.(×)神経や筋肉など軟部組織への損傷がないため、優先度は低い。
3.(×)過換気症候群は、パニックによる過呼吸が原因であり、二酸化炭素を再呼吸するうちに症状は軽快する。
4.(○)気道熱傷では、気道浮腫によって窒息を起こす危険性が高いので、ただちに気道確保を行う必要がある。
■在宅療養中の終末期の患者を担当している介護支援専門員に対し、訪問看護師が提供する情報で最も優先度が高いのはどれか。
1.経済的問題2.家族の介護体制
3.今までの治療経過
4.今後予想されるADL低下
【正解】4″
1.2.3.(×)介護支援専門員も把握していると考えられる。
4.(○)看護師という専門的な立場から、今後のADLの低下や、それに伴う問題について情報提供する必要がある。
4.(○)看護師という専門的な立場から、今後のADLの低下や、それに伴う問題について情報提供する必要がある。
■Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋委縮性側索硬化症(ALS)と診断された。Aさんは球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した。訪問看護に依頼する内容で、優先度が高いのはどれか。
1.入浴の介助2.疾病受容の支援
3.呼吸機能の評価
4.上肢のリハビリテーション
【正解】2″
1.(×)上肢の細かい作業ができないが、自助具等を用いて入浴は可能と考える。
2.(○)Aさんは将来に対して不安を抱いているので、不安を受容する援助が必要になる。
3.(×)球麻痺症状はなく、呼吸障害もないため、呼吸機能の評価の優先度は低い。
4.(×)上肢の筋力低下や関節拘縮が起こるので、リハビリテーションは重要であるが、優先度は低い。
2.(○)Aさんは将来に対して不安を抱いているので、不安を受容する援助が必要になる。
3.(×)球麻痺症状はなく、呼吸障害もないため、呼吸機能の評価の優先度は低い。
4.(×)上肢の筋力低下や関節拘縮が起こるので、リハビリテーションは重要であるが、優先度は低い。
■Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋委縮性側索硬化症(ALS)と診断された。Aさんは球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した。
球麻痺症状が進行したため、経腸経管栄養導入を目的に入院し、胃瘻を造設した。Aさんは、自分で胃瘻管理ができる間は、自宅で療養したいと強く希望した。Aさんも同席した上で、主治医、病棟看護師、理学療法士、退院調整看護師、介護支援専門員および訪問看護師がカンファレンスを行うことになった。病棟看護師がカンファレンスで提供する情報として最も重要なのはどれか。
1.入院中の治療の経過2.胃ろう管理の指導内容
3.利用可能な在宅サービス
4.リハビリテーションの状況
【正解】2″
1.(×)治療経過は主治医が情報を提供する。
2.(○)在宅療養に向けて胃瘻管理に関する患者指導を行うのは、看護師の役目であるため、看護師が情報提供を行う。
3.(×)利用可能な在宅サービスについては、退院調整看護師や介護支援専門員が情報提供を行う。
4.(×)リハビリテーションの状況については、理学療法士が情報提供を行う。
2.(○)在宅療養に向けて胃瘻管理に関する患者指導を行うのは、看護師の役目であるため、看護師が情報提供を行う。
3.(×)利用可能な在宅サービスについては、退院調整看護師や介護支援専門員が情報提供を行う。
4.(×)リハビリテーションの状況については、理学療法士が情報提供を行う。
■日本の平成24年(2012年)における人口の動向について正しいのはどれか。
1.年少人口の構成割合は20%台である。2.老年人口の構成割合は20%台である
3.従属人口指数は70台である
4.老年化指数は180台である
【正解】2″
1.(×)年少人口割合13%(平成24年)
2.(○)老年人口割合24.1%(平成24年)
3.(×)従属人口指数59%(平成24年)
4.(×)老齢化指数186.1(平成24年)
2.(○)老年人口割合24.1%(平成24年)
3.(×)従属人口指数59%(平成24年)
4.(×)老齢化指数186.1(平成24年)
■社会保険と根拠となる法律の組み合わせで正しいのはどれか。
1.医療保険-健康保険法2.年金保険-老人福祉法
3.雇用保険-雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
4.労働者災害補償保険-労働基準法
【正解】1″
1.(○)医療保険の根拠は健康保険法である。
2.(×)年金保険の根拠は国民年金法である。
3.(×)雇用保険の根拠は雇用保険法である。
4.(×)労働災害保障保険は労働災害保障法による。
2.(×)年金保険の根拠は国民年金法である。
3.(×)雇用保険の根拠は雇用保険法である。
4.(×)労働災害保障保険は労働災害保障法による。
■介護保険の第1号被保険者について正しいのはどれか。
1.予防給付対象者は要介護1である2.保険料は所得段階別の定額である
3.医療保険者が保険料を徴収する
4.対象は60歳以上である
【正解】2″
1.(×)予防給付対象者は要支援1・2である。
2.(○)保健料は前年度の所得の段階に基づいた定額制である。
3.(×)市町村が年金からの天引きという形で徴収する。
4.(×)対象は65歳以上である。
2.(○)保健料は前年度の所得の段階に基づいた定額制である。
3.(×)市町村が年金からの天引きという形で徴収する。
4.(×)対象は65歳以上である。
■災害派遣医療チーム(DMAT)の活動で最も適切なのはどれか。
1.被災地域内での傷病者の搬送を行う2.外傷後ストレス障害(PTSD)に対応する
3.長期の継続的な医療を行う
4.被災地の復興を手助けする
【正解】1″
1.(○)災害派遣医療チームは、医師、看護師、救急救命士、事務官から構成され、災害や事故現場に駆けつけ、救命医療を提供する医療チームである。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
■災害急性期に看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。
1.情報の発信を行う2.各自の判断で行動する
3.災害現場の安全を確保する
4.災害時の対応マニュアルの見直しをする
【正解】3″
1.(×)被災者の救護活動などを行いながら情報を収集する。
2.(×)リーダーの指示に従って行動する。また、リーダーに情報を提供し、リーダーの判断を助ける。
3.(○)被災者の安全を確保し、生理的なニードを満たすことが最優先される。
4.(×)災害急性期が収束した段階で、対応マニュアルの見直しを行う。
2.(×)リーダーの指示に従って行動する。また、リーダーに情報を提供し、リーダーの判断を助ける。
3.(○)被災者の安全を確保し、生理的なニードを満たすことが最優先される。
4.(×)災害急性期が収束した段階で、対応マニュアルの見直しを行う。
■日本における政府開発援助(ODA)の実施機関として正しいのはどれか。
1.国際協力機構(JICA)2.世界保健機関(WHO)
3.国連開発計画(UNDP)
4.赤十字国際委員会(ICRC)
【正解】1″
1.(○)JICAは、ODA(政府開発援助)の中核的な実施機関で、日本からの人材派遣を通して途上国の発展のために協力している。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
■外国人の女性が38.5℃の発熱のある生後3か月の男児を連れて小児科診療所を受診した。男児は上気道炎であった。女性は日本語が十分に話せず、持参した母子健康手帳から男児はこの女性と日本人男性との間に生まれた子どもであることが分かった。夫は同居していない様子である。外来看護師は女性に、4か月児健康診査の事を知っているかを尋ねたが女性は看護師の質問を理解できない様子であった。男児が4か月児健康診査を受診するために必要な社会資源で優先度が高いのはどれか。
1.近所の病院2.通訳のボランティア
3.児童相談所の児童福祉司
4.地区担当の母子健康推進員
【正解】2″
1.(×)
2.(○)まずは母親とのコミュニケーションが図られなければならない。その上で、母親の対応能力をアセスメントし、次に必要な援助を考える。
3.(×)
4.(×)
2.(○)まずは母親とのコミュニケーションが図られなければならない。その上で、母親の対応能力をアセスメントし、次に必要な援助を考える。
3.(×)
4.(×)
■予防接種法にいて定期予防接種の対象となっていない疾患はどれか2つ選べ。
1.結核2.水痘
3.風疹
4.B型肝炎
5.流行性耳下腺炎
【正解】4,5
1.(×)結核は、定期予防接種の対象である。
2.(×)平成26年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となった。生後12月から生後36月に至までの間が対象。
3.(×)風疹・麻疹は混合ワクチン「MR」があり、定期予防接種の対象である。
4.(○)B型肝炎は任意予防接種の対象である。
5.(○)流行性耳下腺炎は、任意予防接種の対象である。
2.(×)平成26年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となった。生後12月から生後36月に至までの間が対象。
3.(×)風疹・麻疹は混合ワクチン「MR」があり、定期予防接種の対象である。
4.(○)B型肝炎は任意予防接種の対象である。
5.(○)流行性耳下腺炎は、任意予防接種の対象である。
■Aさん(35歳女性)は右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血の跡があり受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは夫は機嫌が悪いと暴力をふるい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけにしてください」という。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており近くに親類や知り合いはいない。受け持ち看護師の対応で適切なのはどれか。
1.夫にも事情を確認する2.夫の暴力について今後は話題にしない
3.Aさんから夫に暴力をやめるよう伝えることを勧める
4.病院から警察に通報する必要があることをAさんに伝える
【正解】4″
1.(×)暴力の加害者はその自覚がない。また妻が外部に事情を漏らした理由で夫から報復としてAさんが再び暴力を受ける危険性がある。
2.(×)暴力被害を放置することになる。
3.(×)暴力の被害者は、加害者に立ち向かうことができない場合が多い。
4.(○)暴力の可能性を認めた場合、医療者は配偶者暴力相談支援センターまたは警察等に通報する義務がある。
2.(×)暴力被害を放置することになる。
3.(×)暴力の被害者は、加害者に立ち向かうことができない場合が多い。
4.(○)暴力の可能性を認めた場合、医療者は配偶者暴力相談支援センターまたは警察等に通報する義務がある。
■Aさん(35歳女性)は右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血の跡があり受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは夫は機嫌が悪いと暴力をふるい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけにしてください」という。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており近くに親類や知り合いはいない。
Aさんには不眠や急におびえたように震えだす様子がみられた。鎮痛薬を増量したが骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいかわからず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。
1.Aさんと夫が話し合う場を設定する2.精神科病棟への転棟を看護師長に指示する
3.リラクゼーション法による介入を受け持ち看護師と計画する
4.睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える
【正解】3″
1.(×)暴力の加害者はその自覚がない場合が多い。またAさんが夫と話し合う場合には第三者をあいだに入れた方がよい。
2.(×)精神科転棟のアドバイスは可能だが、指示する権限はない。
3.(○)Aさんは不安や恐怖が強いために、薬物療法の効果が得られない。リラクセーション技法を試み、不安や恐怖の軽減をはかる必要がある。
4.(×)睡眠薬の増量の前に、不安の軽減に向けたケアが必要である。
2.(×)精神科転棟のアドバイスは可能だが、指示する権限はない。
3.(○)Aさんは不安や恐怖が強いために、薬物療法の効果が得られない。リラクセーション技法を試み、不安や恐怖の軽減をはかる必要がある。
4.(×)睡眠薬の増量の前に、不安の軽減に向けたケアが必要である。
■Aさん(35歳女性)は右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血の跡があり受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは夫は機嫌が悪いと暴力をふるい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけにしてください」という。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており近くに親類や知り合いはいない。
Aさんには不眠や急におびえたように震えだす様子がみられた。鎮痛薬を増量したが骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいかわからず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。
Aさんの今後の治療に向けて病院内でチームを編成することになった。チームに組み入れる専門職で優先度が高いのはどれか。
1.栄養士2.理学療法士
3.作業療法士
4.心理専門職
【正解】4″
1.(×)優先度は低い。
2.(×)優先度は低い。
3.(×)優先度は低い。
4.(○)Aさんの心的外傷へのケアを行う心理専門職の優先度が高い。
2.(×)優先度は低い。
3.(×)優先度は低い。
4.(○)Aさんの心的外傷へのケアを行う心理専門職の優先度が高い。
■Aさん(65歳男性)は大動脈弁狭窄症で大動脈弁置換術が実施された。術後2日Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心嚢、縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で呼吸状態、循環動態は安定しているが挿入されているライン類を気にする様子が見られる。ライン類の抜去事故を予防するための看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1.ラインを挿入している上肢をシーネで固定する2.抜去できるラインはないか医師に相談する
3.1時間毎にAさんの状態を観察する
4.鎮静薬を使用する
【正解】2″
1.(×)過剰な抑制はAさんを不安にさせ、自己抜去のリスクを高めてしまう。
2.(○)Aさんの循環動態は安定しているため、抜去可能なラインを検討する。
3.(×)1時間毎では観察頻度が少ない。もっと頻繁に観察する。
4.(×)意識は清明なので鎮静剤の必要はない。
2.(○)Aさんの循環動態は安定しているため、抜去可能なラインを検討する。
3.(×)1時間毎では観察頻度が少ない。もっと頻繁に観察する。
4.(×)意識は清明なので鎮静剤の必要はない。
■Aさん(65歳男性)は大動脈弁狭窄症で大動脈弁置換術が実施された。術後2日Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心嚢、縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で呼吸状態、循環動態は安定しているが挿入されているライン類を気にする様子が見られる。
術後3日、Aさんは術後のバイタルサインも安定しているため一般病室に転室となった。現在は末梢静脈ラインと胸腔ドレーンが挿入されている。Aさんのドレーン管理について正しいのはどれか。
1.ドレーンバッグは挿入部より高い位置で保持する2.体位変換時は胸腔ドレーンをクランプする
3.持続的に陰圧となっているか観察する
4.ドレーンのミルキングは禁忌である
【正解】3″
1.(×)ドレーンバッグは挿入部より低い位置で保持する。
2.(×)体位変換時は胸腔ドレーンはクランプしなくてもよい。
3.(○)胸腔内圧は常に陰圧なので、ドレナージするにはそれよりも陰圧で吸引する必要がある。そのため胸腔ドレーンが持続的に陰圧となっているか観察する。
4.(×)時々ミルキングを行い、ドレーンの閉塞を防ぐ。
2.(×)体位変換時は胸腔ドレーンはクランプしなくてもよい。
3.(○)胸腔内圧は常に陰圧なので、ドレナージするにはそれよりも陰圧で吸引する必要がある。そのため胸腔ドレーンが持続的に陰圧となっているか観察する。
4.(×)時々ミルキングを行い、ドレーンの閉塞を防ぐ。
■Aさん(65歳男性)は大動脈弁狭窄症で大動脈弁置換術が実施された。術後2日Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心嚢、縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で呼吸状態、循環動態は安定しているが挿入されているライン類を気にする様子が見られる。
術後3日、Aさんは術後のバイタルサインも安定しているため一般病室に転室となった。現在は末梢静脈ラインと胸腔ドレーンが挿入されている。
転室後もAさんの状態は安定しており、歩行を開始することになった。安全管理対策として適切なのはどれか。
1.胸腔ドレーン挿入中は病室内歩行とする2.胸腔ドレーン挿入中に歩行する時は看護師を呼ぶように伝える
3.末梢静脈ライン挿入中は看護師が同伴して歩行する
4.不整脈が出現しても気分不快がなければ歩行を継続する
【正解】2″
1.(×)胸腔ドレーンを固定すれば、病室外への歩行も可能である。
2.(○)歩行の際には、ドレーンやドレーンバッグが引っかからないように固定する必要がある。そのために看護師を呼ぶよう指導する。
3.(×)末梢静脈ラインの固定が確実であれば、単独での歩行も可能である。
4.(×)注意を要する不整脈や重症不整脈がみられれば、自覚症状のあるなしに関わらず、休んで様子をみる。
2.(○)歩行の際には、ドレーンやドレーンバッグが引っかからないように固定する必要がある。そのために看護師を呼ぶよう指導する。
3.(×)末梢静脈ラインの固定が確実であれば、単独での歩行も可能である。
4.(×)注意を要する不整脈や重症不整脈がみられれば、自覚症状のあるなしに関わらず、休んで様子をみる。
■病院における医療安全管理体制で正しいのはどれか。
1.特定機能病院の医療安全管理者は兼任でよい2.医療安全管理のために必要な研修を3年に1度行う
3.医療安全管理のための指針を整備しなければならない
4.医療品安全管理責任者の配置は義務付けられていない
【正解】3″
1.(×)専任あるいは専従の医療安全管理者を配置する。
2.(×)対象やテーマに応じた研修を年複数回開催する。
3.(○)医療安全管理のための指針を整備しなければならない
4.(×)医療品安全管理責任者の配置が義務付けられている。
2.(×)対象やテーマに応じた研修を年複数回開催する。
3.(○)医療安全管理のための指針を整備しなければならない
4.(×)医療品安全管理責任者の配置が義務付けられている。
■大規模災害時のトリアージで緊急度が最も高いと判断されるのはどれか。
1.下腿に創傷があるが補助があれば歩行できる2.自発呼吸はあるが橈骨動脈は触知できない
3.気道確保しても自発呼吸がない
4.開眼・閉眼の指示に応じる
【正解】2″
1.(×)局所の損傷で歩行できるため、トリアージタグは緑。
2.(○)直ちに救命処置が必要。トリアージタグは赤。
3.(×)救命不能な絶望的状態。トリアージタグ黒。
4.(×)2~4時間以内に治療を要する。トリアージタグ黄。
2.(○)直ちに救命処置が必要。トリアージタグは赤。
3.(×)救命不能な絶望的状態。トリアージタグ黒。
4.(×)2~4時間以内に治療を要する。トリアージタグ黄。
■災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
1.住宅支援2.感染予防
3.安全な避難と誘導
4.居住スペースの確保
【正解】2″
1.(×)慢性期に必要な支援だが、看護師が行う支援ではない。
2.(○)不衛生な環境や集団生活、被災者の免疫力の低下などから感染症を発症しやすくなる。看護師が介入する必要がある。
3.(×)急性期に必要な支援である。
4.(×)急性期に必要な支援であるが、看護師が率先して行う内容ではない。
2.(○)不衛生な環境や集団生活、被災者の免疫力の低下などから感染症を発症しやすくなる。看護師が介入する必要がある。
3.(×)急性期に必要な支援である。
4.(×)急性期に必要な支援であるが、看護師が率先して行う内容ではない。
■国際連合児童基金(UNICEF)の報告(2006年)による5歳未満児の死亡率が最も高い地域はどれか。
1.アフリカ2.東南アジア
3.北アメリカ
4.東ヨーロッパ
【正解】1″
1.(○)アフリカにおける死亡率が最も多く、死因の上位は肺炎、下痢、マラリアなどが占める。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
■Aさんは3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと担当看護師が看護師長に相談した。担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。
1.日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す2.文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す
3.Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す
4.文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す
【正解】4″
1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(○)宗教や文化上の制限は、その宗教・文化にある人にとって、治療よりも優先されることがある。看護師は制限内での治療食の調理が可能かどうかを栄養管理部に相談することが大切である。
2.(×)
3.(×)
4.(○)宗教や文化上の制限は、その宗教・文化にある人にとって、治療よりも優先されることがある。看護師は制限内での治療食の調理が可能かどうかを栄養管理部に相談することが大切である。
■午前6時30分、A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わりA県北部を震源とするマグニチュード7の地震が発生したと院内放送があった。病棟看護師が発災直後に取る行動で最も優先するのはどれか。
1.病棟内の患者の安全確認2.病院外への患者の避難誘導
3.水道・ガスの被害状況の確認
4.患者への病棟内は安全という通知
【正解】1″
1.(○)何よりも患者の安全確認が優先される。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
■午前6時30分、A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わりA県北部を震源とするマグニチュード7の地震が発生したと院内放送があった。多くの疾病者が病院に運ばれてきた。医師の指示により看護師がトリアージを行った。誤っているのはどれか。
1.歩行できているか確認する2.呼吸をしているか確認する
3.血圧を測定する
4.従命反応を見る
【正解】3″
1.(○)トリアージは、歩行可能かどうか、呼吸数は、意識はあるかの3段階で判定する。
2.(○)トリアージは、歩行可能かどうか、呼吸数は、意識はあるかの3段階で判定する。
3.(×)血圧は判定に用いられない。
4.(○)トリアージは、歩行可能かどうか、呼吸数は、意識はあるかの3段階で判定する。
2.(○)トリアージは、歩行可能かどうか、呼吸数は、意識はあるかの3段階で判定する。
3.(×)血圧は判定に用いられない。
4.(○)トリアージは、歩行可能かどうか、呼吸数は、意識はあるかの3段階で判定する。
■医療におけるチームアプローチで最も適切なのはどれか。
1.患者と家族はチームの一員である。2.チームリーダーの職種は規定されている。
3.チームの方針はチームリーダーが決定する。
4.リハビリテーションの方針は理学療法士が決定する。
【正解】1″
1.(○)患者と家族は医療チームの一員である。
2.(×)チームリーダーの職種は規定されず、患者の健康問題に応じて変更される。
3.(×)チームの方針は、患者の希望を尊重したうえで、チーム全体で検討し、決定する。
4.(×)リハビリテーションの方針決定は理学療法士に限定されない。方針決定の中心には患者の希望があり、リハビリテーションの領域に応じて、言語療法士、作業療法士、義肢装具士なども方針決定に関わる。
2.(×)チームリーダーの職種は規定されず、患者の健康問題に応じて変更される。
3.(×)チームの方針は、患者の希望を尊重したうえで、チーム全体で検討し、決定する。
4.(×)リハビリテーションの方針決定は理学療法士に限定されない。方針決定の中心には患者の希望があり、リハビリテーションの領域に応じて、言語療法士、作業療法士、義肢装具士なども方針決定に関わる。
■看護師の行うケアにエビデンスを用いる主な目的で最も適切なのはどれか。
1.医療費の抑制2.ケアの質の保証
3.医療事故の予防
4.看護研究の推進
【正解】2″
1.(×)質の高いケアを行うのが目的である。
2.(○)根拠のある看護によってケアの質を保証する。
3.(×)医療事故の予防を目的とするのはリスクマネジメントである。
4.(×)エビデンスを明らかにする方法のひとつとして看護研究がある。
2.(○)根拠のある看護によってケアの質を保証する。
3.(×)医療事故の予防を目的とするのはリスクマネジメントである。
4.(×)エビデンスを明らかにする方法のひとつとして看護研究がある。
■大震災発生後1週、約300人の被災者が小学校の体育館に避難している。この時点で看護師が行う支援として最も適切なのはどれか。
1.災害看護マニュアルの見直し2.生活の自立支援
3.感染症対策
4.避難訓練
【正解】3″
1.(×)災害急性期の課題が収束した段階で行う。
2.(×)災害急性期の課題が収束した段階で行う。
3.(○)劣悪な環境や被災者の免疫力の低下が感染症を引き起こす危険性がある。
4.(×)災害急性期の課題が収束した段階で行う。
2.(×)災害急性期の課題が収束した段階で行う。
3.(○)劣悪な環境や被災者の免疫力の低下が感染症を引き起こす危険性がある。
4.(×)災害急性期の課題が収束した段階で行う。
■世界保健機構〈WHO〉の事業活動でないのはどれか。
1.医学情報の総合調整2.難民に対する国際的な保護
3.保健分野における研究の促進
4.感染症およびその他の疾病の撲滅事業の促進
【正解】2″
1.(×)
2.(○)WHOの主な事業活動は、医学情報の総合調整、国際保健事業の指導的かつ調整機関としての活動、保健事業の強化についての世界各国への技術協力、感染症及びその他の疾病の撲滅事業の促進、保健分野における研究の促進・指導、生物学的製剤及び類似の医薬品、食品に関する国際的基準の発展・向上である。
3.(×)
4.(×)
2.(○)WHOの主な事業活動は、医学情報の総合調整、国際保健事業の指導的かつ調整機関としての活動、保健事業の強化についての世界各国への技術協力、感染症及びその他の疾病の撲滅事業の促進、保健分野における研究の促進・指導、生物学的製剤及び類似の医薬品、食品に関する国際的基準の発展・向上である。
3.(×)
4.(×)
■特定健康診査について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.医療保険者が実施する。2.がんのスクリーニングを目的としている。
3.対象は35~74歳の医療保険加入者である。
4.検査項目にHDLコレステロールが含まれる。
5.受診者全員に特定保健指導が行われる。
【正解】1,4
1.(○)医療保険者が実施する。
2.(×)目的は生活習慣病の有病者・予備群を減少させることである。
3.(×)対象は40歳以上75歳未満である。
4.(○)脂質検査の項目では、中性脂肪とHDLコレステロールが含まれる。
5.(×)対象者をリスクに応じて階層化し、指導を行う。指導を必要としない人もいる。
2.(×)目的は生活習慣病の有病者・予備群を減少させることである。
3.(×)対象は40歳以上75歳未満である。
4.(○)脂質検査の項目では、中性脂肪とHDLコレステロールが含まれる。
5.(×)対象者をリスクに応じて階層化し、指導を行う。指導を必要としない人もいる。
■Aさん(40歳、女性)は、集中豪雨による土砂災害で自宅が倒壊した。地元公民館に介護が必要な両親と避難し、Aさんの他にも数十人が同様に避難している。Aさんは、被災翌日に不眠、食欲不振および過呼吸を訴え、家族に付き添われて救護所を訪れた。Aさんの子どもは、避難途中に転倒し、頭部外傷のため救急病院に搬送されている。地元公民館では、弁当、水、お茶、缶コーヒー及び毛布が支給されている。救護所で、Aさんは被災の体験が繰り返し想起されて極度の不安を訴えているが、会話はできる。Aさんにこのような症状が出現したのは今回が初めてである。看護師の最初の対応で適切なのはどれか。
1.精神科の受診を勧める。2.ペーパーバッグ法を行う。
3.バイタルサインを測定する。
4.被災体験を積極的に話すよう促す。
【正解】3″
1.(×)受診が必要な状態かをまず判断する必要がある。
2.(×)過呼吸がみられていないので、ペーパーバッグ法を用いる必要はない。
3.(○)不安の程度を、主観的な情報だけでなく、バイタルサインなど客観的な情報も踏まえて判断する。
4.(×)不安が落ち着くまで無理につらい体験を話させる必要はない。
2.(×)過呼吸がみられていないので、ペーパーバッグ法を用いる必要はない。
3.(○)不安の程度を、主観的な情報だけでなく、バイタルサインなど客観的な情報も踏まえて判断する。
4.(×)不安が落ち着くまで無理につらい体験を話させる必要はない。
■Aさん(40歳、女性)は、集中豪雨による土砂災害で自宅が倒壊した。地元公民館に介護が必要な両親と避難し、Aさんの他にも数十人が同様に避難している。Aさんは、被災翌日に不眠、食欲不振および過呼吸を訴え、家族に付き添われて救護所を訪れた。Aさんの子どもは、避難途中に転倒し、頭部外傷のため救急病院に搬送されている。地元公民館では、弁当、水、お茶、缶コーヒー及び毛布が支給されている。現時点で疑われる疾患はどれか。
1.うつ病2.パニック障害
3.身体表現性障害
4.急性ストレス障害
【正解】4″
1.(×)うつ病は一日中気分がふさぎこみ、何をしても楽しめなくなり、睡眠障害も生じる。
2.(×)パニック障害は特別なきっかけなく発症し、不安発作を繰り返す。
3.(×)身体表現性障害は、なんら身体に異常はないのに苦痛症状があり、日常生活が妨げられている状態をいう。
4.(○)Aさんは強い恐怖を体験したあとに、体験を繰り返し思い出して不安になることから、急性ストレス障害と考えられる。
2.(×)パニック障害は特別なきっかけなく発症し、不安発作を繰り返す。
3.(×)身体表現性障害は、なんら身体に異常はないのに苦痛症状があり、日常生活が妨げられている状態をいう。
4.(○)Aさんは強い恐怖を体験したあとに、体験を繰り返し思い出して不安になることから、急性ストレス障害と考えられる。
■Aさん(40歳、女性)は、集中豪雨による土砂災害で自宅が倒壊した。地元公民館に介護が必要な両親と避難し、Aさんの他にも数十人が同様に避難している。Aさんは、被災翌日に不眠、食欲不振および過呼吸を訴え、家族に付き添われて救護所を訪れた。Aさんの子どもは、避難途中に転倒し、頭部外傷のため救急病院に搬送されている。地元公民館では、弁当、水、お茶、缶コーヒー及び毛布が支給されている。Aさんは診察後、投薬されずに避難所に帰ることになった。このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.母親としてしっかりするよう励ます。2.気分転換ができるようコーヒーの摂取を促す。
3.子どもの命に別状はないので安心するようにと話す。
4.症状が持続する場合は精神科を受診するように勧める。
【正解】4″
1.(×)Aさんは圧倒的な恐怖を経験しているため、安易に励まさず、温かく見守る必要がある。
2.(×)コーヒーで気分転換できるレベルではないと判断する。
3.(×)子どもが無事ということが分かっても、症状が今後軽快するとは限らない。
4.(○)症状が変わらなければ、投薬による治療を開始する必要がある。
2.(×)コーヒーで気分転換できるレベルではないと判断する。
3.(×)子どもが無事ということが分かっても、症状が今後軽快するとは限らない。
4.(○)症状が変わらなければ、投薬による治療を開始する必要がある。
■Aさんは、来日して1年になる外国人で、胃潰瘍による吐血のため一般病棟に入院した。Aさんが入院した知らせを受けて、Aさんの家族が来日し、病棟に見舞いに来た。家族は、Aさんの身の回りの世話を泊まり込みで行うために私物を大量に持ち込んだ。看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1.日本では家族の泊まり込みはできないと断る。2.Aさんと家族が納得できる解決策を話し合う。
3.希望通りAさんの病室に泊まることを許可する。
4.近隣のホテルに泊まって、日中のみ通うよう勧める。
【正解】2″
1.(×)Aさんの母国では病人に泊まり込みで付き添うのは当然のことなのかもしれない。まずは家族の思いを受け止めることが大切である。
2.(○)病院のルールの範囲で、Aさんと家族の思いが実現できる方法を検討する。
3.(×)病院のルールの範囲で実現できることを考える。
4.(×)ひとつの提案としてならいいが、Aさんとその家族の意見も聞きつつ解説策を考える。
2.(○)病院のルールの範囲で、Aさんと家族の思いが実現できる方法を検討する。
3.(×)病院のルールの範囲で実現できることを考える。
4.(×)ひとつの提案としてならいいが、Aさんとその家族の意見も聞きつつ解説策を考える。
■政府開発援助〈ODA〉の説明で正しいのはどれか。
1.先進国の政府同士が援助しあう。2.日本の政府の発展に関して他国から支援を受ける。
3.非政府組織〈NGO〉によって開発途上国を支援する。
4.政府または政府の実施機関によって開発途上国を支援する。
【正解】4″
1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(○)ODAとは、政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つために行う資金・技術提供による協力のことである。
2.(×)
3.(×)
4.(○)ODAとは、政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つために行う資金・技術提供による協力のことである。
■日本の結核について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.一類感染症に分類されている。2.公費で医療費を負担する制度がある。
3.平成23年(2011年)の死因別死亡数上位5位以内である。
4.DOTS〈Directly Observed Treatment, Short-course〉を推進している。
5.ツベルクリン反応検査を実施してからBCG接種を行うことが定められている。
【正解】2,4
1.(×)結核は二類感染症に分類されている。
2.(○)感染症法のなかに、公費で医療費を負担する制度がある。
3.(×)平成23年における死因順位は25位であった。
4.(○)DOTSとは、患者が薬を服用するところを医療従事者が目の前で確認し、治癒するまでの経過を観察する治療方法で、結核撲滅のために推進されている。
5.(×)BCG接種前のツベルクリン反応検査は2005年より省略された。
2.(○)感染症法のなかに、公費で医療費を負担する制度がある。
3.(×)平成23年における死因順位は25位であった。
4.(○)DOTSとは、患者が薬を服用するところを医療従事者が目の前で確認し、治癒するまでの経過を観察する治療方法で、結核撲滅のために推進されている。
5.(×)BCG接種前のツベルクリン反応検査は2005年より省略された。