テーマ:新人時代の思い出
一番怖かった先輩
スタッフ全員から恐れられていた先輩
初めて配属されたのは、大学病院の循環器病棟。張り詰めた病棟に更に緊張感を増す存在、新人だけでなく病棟スタッフみんながかなり怖がっていた彼女がいた。
勤務表が出ると、全員が夜勤のメンバーをチェック。あ、一緒だ…と分かった瞬間から緊張してしまうので、私はある時からチェックするのすらやめた。
見ても見なくてもメンバーは変わらないし、だったら一秒でも長く知りたくなかったので。
先輩からの指摘におびえた新人時代
たしか当時30歳。ICUや救急を経験し、勉強熱心で知識が豊富。はっきりした性格の彼女は、先生でも師長さんでもバシバシ自分の意見を言う。陽気で、ちょっと、いえ、かなり気分屋さん。
本当に怖かったのは、彼女の指摘がいつも的確で、知識に裏打ちされた確かなものだったから。右も左も分からない新人が指導を受けるには、なかなか厳しい先輩でした。
先輩からの一喝に思わず涙
ある日、いつもの通り私は怒られていました。人工呼吸器装着中(でもあまり鎮静されてないので意識あり)のおじいちゃんを挟んで向かい合う、先輩と私。初めてのCV入れ替えの介助で、私のゴミの分別が曖昧だったことから質問攻めとなり、答えられなくなって沈黙。患者さんは、先輩と私を交互にきょろきょろ…
そして響いた、先輩の「それでいいと思ってるのか!!」の一喝。
当時の私は、ゴミのことからこんなに怒られるのか…と泣きたくなった。いえ、病室を出てからこっそり泣きました。
おびえたあのときがあるからこそ、今の私がいる
でも、それを教訓に私の手作りポケットマニュアルは充実し、返事の声は大きくなり、分からないことをそのままにはしなくなった…ような気がする。いい加減なことをしそうになると、あの先輩の言葉が頭に響いてくる。
「それでいいと思ってるのか」
いえ、すいません、ちゃんとやります。
あれから何度か病院を移ったけど、思い出すのはその先輩が教えてくれたことばかり。誰にも負けない看護を根気良く教えてくれたんだと、今なら分かる。
恥ずかしい看護はしないようこれからもしっかりやります。