2か月の男児。2週間前から嘔吐があり、頻回になった。昨日、噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し、緊急手術をした。体重4,200g、体温35.5℃、眼球結膜に黄染は認めない。上腹部に腫瘤を触知する。血液検査の結果、赤血球540万/μl、血小板58.6万/μl、Ht45.0%、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、CL92mEq/l、動脈血pH7.48であった。
入院時の観察で最も注意する症状はどれか。
1.大泉門の陥没
2.眼瞼結膜の蒼白
3.哺乳力の低下
4.胃蠕動の低下
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)大泉門が閉鎖していない乳児の場合、脱水の徴候として大泉門の陥没がみられる。
2.(×)検査データからでは貧血とはいえないので、眼瞼結膜から貧血の程度を確認することは優先度が低い。
3.(×)体重増加不良がみられ、哺乳力や哺乳量を確認することは重要だが、この場合は脱水の観察が優先される。
4.(×)上腹部の腫瘤から幽門狭窄症が疑われる。その場合、胃が膨満して胃蠕動の亢進がみられる。