Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。入院後、呼吸苦と前胸部の痛みに対して、緩和ケアチームが関わることを主治医がAさんに提案した。その後、Aさんは病棟看護師に「私は末期ではないのになぜ緩和ケアを受けるのですか」と尋ねた。Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が実施された。
訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。
構音障害
聴力の低下
片麻痺の出現
上肢の強い痛み
―――以下解答―――
(解答) 4
<解説>
1.2.3.(×)肺癌が脳へ転移した時に生じる可能性がある。
4.(○)肺尖部癌が胸壁に転移していることから、腕神経叢に浸潤して上肢の強い痛みが出現する可能性がある。