• 公開日: 2014/1/7
  • 更新日: 2020/3/26

認定看護師とリンクナースで病院をレベルアップ!

専門分野の知識と技術をもつ認定看護師には、その役割の一つに「スタッフの育成」があります。この方法として取り入れられているのが、「リンクナースシステム」です。
「リンクナースシステム」とは、各病棟などに配置されているリンクナースが、専門医療チームと連携し、現場のリーダーとなって部門をつなぐシステムです。
今回は、多くの認定看護師を抱える昭和大学江東豊洲病院で、認定看護師とリンクナースのお二人に、連携の様子を聞きました!


認定看護師のアドバイスはいつも励みに

──お二人のお仕事内容について教えてください。

大平  私が所属しているのは、循環器外科・内科、消化器などを中心とした混合病棟ですが、この病棟業務とともに、皮膚・排泄ケア認定看護師として、褥瘡委員会による週1回の褥瘡回診、月1回のストーマ外来などの活動をしています。また、各病棟にいる「褥瘡リンクナース」の育成にも携わっています。
川端さんはそんなリンクナースの一人です。

川端 はい。病棟でリーダー業務を行いながら、リンクナースの役目も果たしています。褥瘡の記録の方法やケアの方法などについて大平さんと相談しながら、病棟スタッフに伝え、指導しています。

──認定看護師とリンクナースは、お互いにとってどのような存在ですか。

川端 前に勤めていた病院でも、私はリンクナースを務めていました。ただ褥瘡ケアは奥が深く、個別性が高いので、まだまだ知識不足を感じています。
ケアの方法でわからないことや、スタッフへの指導で悩んだときは、いつも隣の病棟にいる大平さんの所へ飛んで行って(笑)、アドバイスをもらっています。
大平さんは、褥瘡回診のときに、うちの病棟に対する評価や課題を示してくださるので、とても励みになります。

大平 この春、当院は診療科を増やして、新病院として開院したばかりなのですが、開院にあたっては、スタッフの増員や新システムの導入、記録方法の変更などがあり、私も不慣れな点が多くて大変でした。そんな中、川端さんは、一番、積極的に協力してくれて、本当に助かりました。
リンクナースは、任期期間中に褥瘡の知識と技術、スタッフへの指導をしっかりと学び、次期リンクナースへとバトンを渡します。病棟スタッフがリンクナースを経験することで、病棟だけでなく、病院全体のレベルアップにつながると考えているのです。

川端さんが大平さんにアドバイスをもらっている様子

提案する姿勢で共感も得られやすく

——リンクナースとしての目標と悩みはありますか?

川端 病棟での褥瘡発生率ゼロが目標です。1件でも減らせるようにしたいですね。

大平 その1件の内容が重要なんです。創が深くなってから見つかった1件と、発赤で見つかった1件では、治り方が違います。そこで、いかに早い段階で見つけて適切なケアをするかが大事です。
一人ひとりの看護師が、褥瘡につながる小さな変化に対する意識を上げれば、最終的に発生率ゼロにつながると思っています。

川端 確かにそうですね。病棟全体の意識を変えるために、スタッフへ知識と技術の情報提供を行いたいのですが、実は人へ伝える難しさにも直面しています。私よりも看護歴のある方も多く、とまどってしまいます。

大平 私自身も、認定看護師の資格を昨年取得したばかりで、指導の難しさを痛感しています。そんな中で実践しているのは、「一緒によりよいケアを実践しましょう」という気持ちを込めた言葉かけ。
上から指導するのではなく、「こうするともっといいですよ」「一緒にやってみましょう」と提案する姿勢を大切にしています。
また、なかなか共感を得られない相手でも、「最近買った本に、新しいケア方法が紹介されていましたよ」とか、「学会に参加してみたら、こんなことが話題になっていましたよ」など、客観的な情報をきっかけにすると、興味をもってもらえるようですよ。

川端 試してみます。(うなずく)

いろいろな人が集まった強み

——新病院をどのような病院にしたいですか?

川端 急性期病棟なので、患者さんも環境も変化のスピードが早いのですが、チームで協力して、患者さんの不安や疑問、希望をすくい取り、その思いにきちんと寄り添える看護を提供していきたいですね。
また、いろいろな疾患に対応できる、幅広い知識と技術を身につけたいです。そのためにも多職種でのカンファレンスなど、意見交換ができる機会を設けられるようにできればと思っています。

大平 患者さんに対する思いは川端さんと同じです。患者さんにとって最良で最適な治療やケアを提供するには、一人の力では弱くて脆いものですから。
新病院では診療科が増えて、専門知識や異なる経験をもった医療者が、新たにたくさん集まりました。その分、いろいろな人が集まっていることにもなりますが、目の前の患者さんのために気持ちを一つにすることができれば、そこはむしろ強みになると思うのです。
だからカンファレンスや申し送り、あるいは飲み会などでもいい、さまざまな意見を持ち寄る機会を作ることが大切だと思っています。それが、よりよい治療、よりよいケアの実践につながり、最終的に患者さんに喜ばれる病院になるのだと思います。

——お2人の活躍、そして新病院に期待しています。

大平・川端 はい! がんばります。

川端さん、大平さんの写真

昭和大学江東豊洲病院HPはこちら

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