【老年】80歳の男性。78歳の妻と2人暮らし。共働きの長男夫婦が隣町に在住している。妻は軽度の認知症であるが日常生活は自立している。男性は1日30分程度の妻との散歩を日課にしている。商店街で買い物の途中、急いで帰宅しようとして急に胸が締め付けられるような痛みと冷汗が出現し失神した。病院に搬送され急性心筋梗塞と診断された。手術翌日、一般病棟へ転棟した。高血圧を指摘されたが経過は良好なため、手術後2週で退院が決定した。「病気の母さんが待っているから早く元気になりたい」と病室内を歩いている。
退院指導で適切なのはどれか。
「水分を控えましょう」
「散歩するときはゆっくり歩きましょう」
「階段の上り下りの訓練をしましょう」
「血圧の薬は体調によって調整しましょう」
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)水分を控えると血液が濃縮され、血栓形成を助長する。適度な水分摂取が必要である。
2.(○)患者の病態に合わせた運動処方や運動指導が必要である。散歩の時は心負荷を減らすためにゆっくりと歩くのが望ましい。
3.(×)患者の目標は筋力や体力アップではなく、心負荷の少ない状況で生活していくことになる。
4.(×)内服薬は患者の判断で調整してはならない。