【成人】Aさん(52歳、男性)は、2か月で体重が7kg減少した。2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断され、手術目的で入院し,右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術とが行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日後の朝に気管チューブを抜管し、順調に経過していたが、術後3日目に左下葉の無気肺となった。Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが「痛み止めはなるべく使いたくない。我慢できるから大丈夫」と話す。
無気肺を改善するために適切なのはどれか。2つ選べ。
離床を促す
胸式呼吸を勧める
左側臥位を勧める
鎮痛薬の使用を勧める
胸腔ドレーンをクランプする
―――以下解答―――
(解答)1,4
<解説>
1.(○)離床によって呼吸機能を高めることが重要である。
2.(×)開胸術後のため、胸式呼吸は痛みを伴う。
3.(×)左下肺の無気肺なので、左下肺が高くなるような体位調整が必要である。
4.(○)Aさん自身が拒絶しても、鎮痛薬を用いてでも喀痰を喀出することが優先される。
5.(×)肺の再膨張を促すために胸腔ドレーンを用いる。指示がないのにドレーンをクランプしてはならない。