【成人】Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。7月のある日曜日、気温32℃、湿度86%。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。 Aさんは野球チームの監督の車で病院に搬送され、熱中症と診断された。Aさんの状態はJCSⅡ-10。体温38.2℃。呼吸数28/分。脈拍98/分、整。血圧112/62mmHg。SpO2 98%。嘔気、嘔吐を認める。
救急外来の看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.下肢を挙上させる
2.ばち状指の有無を確認する
3.静脈路の確保の準備をする
4.頸部の両側を氷嚢で冷やす
5.回復傾向にあることをAさんに伝える
―――以下解答―――
(解答) 3.4
<解説>
1.(×)下肢の挙上は出血性ショック時の対応である。
2.(×)ばち状指は、慢性的な低酸素状態にある疾患(慢性閉塞性肺疾患、ファロー四徴症など)で出現する。
3.(○)脱水によって、頻脈と血圧低下、意識障害がみられていると考えられるため、静脈路の確保が必要である。
4.(○)体温を急速に下げる必要があるため、太い動脈の冷却を行う。
5.(×)意識障害があり、脱水に対する治療を開始したばかりの段階にあるため、まだ回復傾向にあるとはいえない。